株式会社YUTAS 代表取締役 岩間有加氏
株式会社YUTASは、タスマニア産の希少な蜂蜜をはじめ、自然派食品の輸入・販売やコンサルティングを手がける新しい食のベンチャーです。代表の岩間有加氏は「日常に優しさを与える」を理念に掲げ、日本と世界をつなぐ架け橋として活動を広げています。本記事では、岩間氏のキャリアや経営にかける思い、組織運営の工夫、そして今後の展望について伺いました。
日常に優しさを届ける企業として
――御社の事業内容や理念について教えてください。
現在は、タスマニア産のレザーウッドハニーを中心に、高品質でナチュラルな食品を輸入・販売しています。蜂蜜はショーロットで輸入し、結晶化を防ぎながら品質を保つ工夫をしています。レストランや健康志向のお客様に好評をいただいていますし、珍しい蜂蜜の魅力を届けることは私たちの喜びです。
理念として掲げているのは「日常に優しさを与えること」です。蜂蜜や緑茶といった自然な食品を通じて、人々に安心や健康、そしてほっとする時間を届けることを目指しています。
新幹線での偶然の出会いから起業へ
――起業に至った経緯を教えてください。
実は前職でハラスメントを受けたことをきっかけに退職を決意しました。当初は起業など考えていなかったのですが、転職活動の途中、新幹線で偶然隣に座ったタスマニア出身の老夫婦と仲良くなり、その縁で現地を訪れることになったのです。
タスマニアで出会った蜂蜜の美味しさや、現地の人々がそれを薬のように日常的に活用している姿に強く感銘を受けました。「これは日本の人々にも役立つ」と感じたことが、起業の大きなきっかけになりました。
小さな組織だからこその強み
――社員やスタッフとの関わり方について大切にしていることはありますか。
現在は少人数の体制で、フルタイムだけでなく子育て中のスタッフなども在籍しています。そのため「腹を割って話す」ことを徹底しています。小さな違和感でも遠慮せず共有してもらい、Zoomやチャットなどで気軽に話せる環境を整えています。
トップダウンでの指示も必要な場面はありますが、基本的にはフラットな関係を重視しています。家庭の事情や生活に合わせて働ける柔軟性を持つことが、社員の安心ややりがいにつながると考えています。
趣味と人とのつながりが原動力
――経営以外での趣味やリフレッシュ方法を教えてください。
格闘技観戦、特にムエタイが大好きで、試合を観に行くことが楽しみです。また、野球観戦も趣味で、ヤクルトスワローズを応援しています。日常の中で好きなことに没頭する時間が、仕事へのエネルギーにもつながっています。
さらに、心理カウンセラーの資格を持っていることもあり、友人や仲間が悩んでいるときには寄り添うことを大切にしています。経営においてもプライベートにおいても「相手が少しでもポジティブになれるように」という姿勢は変わりません。
世界へ広がる日本の食の可能性
――今後の展望についてお聞かせください。
まずは蜂蜜や緑茶といった既存の事業を軸に、日本の良い食材を世界に広めていきたいと考えています。特に、健康や機能性に着目した商品は海外でも需要が高く、日本発の価値ある食品を届けることで、人々の心身の健康を支えることができると信じています。
また、インバウンド需要に対応した食品開発やマーケティングの依頼も増えており、その分野にも注力していきます。少人数体制での課題はありますが、新しい人材育成を進め、組織全体で挑戦を続けていきたいです。
「優しさで世界を変える」というと大げさに聞こえるかもしれませんが、食を通じて人が元気になり、笑顔が増えるなら、それが私たちの存在意義です。例えば、日本の米や野菜といった一次産品にも着目し、無農薬栽培に取り組む農家さんと連携して新しい商品開発を進めています。大切に作られた食材を正しい流通で世界に届けることは、生産者の思いを守ることにもつながると感じています。
これからも一歩ずつ挑戦を重ね、日本と世界をつなぐ役割を果たしていきたいと思います。

