株式会社SOily 代表取締役 岡本頼幸氏
医療機器販売を出発点に、健康情報の発信やシニア向けeスポーツ(健康スポーツ)など多方面から“人の健康”に関わる株式会社SOily。代表の岡本頼幸氏は、臨床検査業務から始まり、高度管理医療機器の知識と経験を活かしながら、「自分の健康は自分で守る」という時代の流れに寄り添う事業を展開しています。本記事では、医療・福祉の現場を熟知する岡本氏が描く、これからの社会と健康の関係性について伺った。
目次
医療の現場から一般生活へ。予防の時代に向けた挑戦
――まずは、現在の事業内容について教えてください。
もともと臨床検査業務を通し、健康を害してしまった方々に想いを寄せていました。そして、医療機器業界で高度管理医療機器の輸入・販売・マネジメントに携わってきました。心臓に関わるようなシビアな機器を扱う中で、「保険医療には限界がある」と強く感じたのが起業のきっかけです。これからは“自分で自分の健康を守る”予防医療の時代が到来すると考え、一般の方にも使いやすい家庭用診断機器などを提供しています。
また、厚生労働省が推進する「健康日本21」や「スマートライフプロジェクト」に共感し、健康情報の発信にも力を入れています。栄養・食生活の改善,身体活動・運動と健康,休養,飲酒,喫煙,歯・口腔の健康という6つの柱を軸に、専門用語をできる限り使わず“誰にでも分かり易い健康コラム”を執筆し、法人向けサイトなどに提供しています。光栄なことに、所属する健康組合の企画で敢闘賞を受賞しました。
経験を活かした発信と、社会との新しいつながり
――医療の専門家として活動されてきた中で、なぜ情報発信にも注力されるようになったのでしょうか。
医療現場で得た知識を、もっと身近な形で社会に還元したいと感じたからです。例えば、血圧計や心電計など、家庭でも使える機器の正しい使い方を伝えるだけでも、多くの人が健康を意識するきっかけになります。私は「正しい知識が健康を守る」と思っています。
さらに、メンタル面のサポートにも関心があり、近年は“心の健康”を念頭に置いた取り組みも行っています。たまたま出会った釣り堀事業では、釣りを通じて集中力と忍耐力の強化に加えて、リラックスを取り戻す効果を実感しました。子どもから高齢者まで、瞑想にも似たゆとりと空想を描く、心を整える時間を提供することは、現代社会に必要な活動だと実感しています。
また、地域ではシニア向けeスポーツ指導士として活動しています。太鼓を叩くリズムゲームを通じて高齢者に身体を動かす楽しさを伝え、社会参加を促す活動です。こうした取り組みを通じて、体だけでなく“社会的フレイル(孤立)”の予防にも貢献したいと考えています。
一人で築く会社運営。すべてを自分の手で
――現在の組織体制について教えてください。
社員は私ひとりです。ウェブサイトの制作から記事の執筆、メルマガ配信、SEOの改善まで、すべて自分で行っています。とは言いつつも、限界がある。そこで社名の由来のひとつ、soul-mate-companyの精神で、心でお付き合いできる方々とつながれば光栄です。
コロナ禍で病院営業が制限されたこともあり、今は医療機器を直接納品するよりも、情報発信を中心とした活動にシフトしています。お付き合いのある医療従事者から個別に問い合わせを受けることもあり、ドクターや看護師、薬剤師などが個人で利用できる機器を紹介するケースもあります。
営業面での課題は「認知度の向上」です。アクセス解析を見ながら記事をリライトし、毎週水曜日には新しいコラムを更新しています。メルマガ配信やサイトのHTTPS化など、少しずつですが改善を続けています。外注に頼らず自身の手作業で続けているからこそ、迅速なコンテンツの更新を実現しています。ページ数もすでに500を超えました。地道な努力が少しずつ反応に結びついていることを感じます。
健康情報とスポーツの融合で、次のステージへ
――今後の展望についてお聞かせください。
今後は健康コラムの執筆と並行して、スポーツ分野との連携を強化していきたいと考えています。最近、低年齢層にも馴染みのあるアーバンスポーツ選手のスポンサーにもなりました。彼らと協力し、子どもからシニアまで楽しめる健康イベントを企画したい。
「健康=楽しい+わくわく感+うれしい」という方程式を広げることで、より多くの人に生きがいを届けられると思っています。事業を通して、誰もが笑顔で過ごせる社会の実現を目指したいですね。
ワークとライフを分けない生き方
――リフレッシュ方法について教えてください。
私にとって仕事と生活は切り離せません。いわゆる“ワークライフバランス”ではなく“ワークライフインテグレーション”の考え方です。
健康コラムで書いている内容は、自分自身の実践から生まれています。ジョギングや運動を通して体の変化を感じ、それを記事に落とし込む。仕事とプライベートが自然に混ざり合っている状態が、今の私にとって最も健やかな形です。
これからも、自分自身が健康活動を実践し、その実感を通して多くの人に「生きる楽しさ」を伝えていきたいと思います。

