土と人がつながる未来を描く――アースバッグ建築のパイオニアが目指す「楽園づくり」

合同会社 土芸 代表 小堺 康司氏

日本ではまだ珍しい“土の建築”「アースバッグ工法」を広める活動を続ける小堺康司氏。彼が手がける合同会社土芸は、自然素材を活かした建物の設計・施工だけでなく、ワークショップや宿泊施設の運営などを通じて“人と人がつながる場”を生み出しています。本記事では、熊本を拠点に国内外へと活動を広げる小堺氏に、事業への想いと未来のビジョンを伺いました。

アースバッグ工法で「人と人がつながる家づくり」を

――まず、現在の事業内容と特徴について教えてください。

私たちは「土芸」という屋号で、アースバッグ工法による建築を中心に活動しています。アースバッグ工法は、土を詰めた袋を積み上げて壁をつくる建築技術で、アメリカ発祥のものです。日本ではまだ一般的ではなく、13年前に私が仲間とともに「日本アースバッグ協会」を設立し、国内での普及活動を始めました。

現在は、希望するお客様に向けてデザインから施工まで一貫して支援し、全国各地で建築を行っています。熊本を拠点に、沖縄や屋久島、千葉、静岡などでもプロジェクトを進めており、地域ごとの自治体と連携しながら、建築基準法の範囲内で施工を重ねています。

アースバッグの建築は、単なる“家づくり”ではありません。子どもから大人まで多様な人が参加するワークショップ形式で行い、建物を通じて人と人の絆が深まるプロセスそのものに価値があると感じています。建築を「つながりの場」として発展させていくことが、土芸の原点です。

画家から建築へ――「想い」を形にする人生の延長線

――経営者になられたきっかけを教えてください。

もともとは画家を目指していました。東京で絵を描いていたころ、閉ざされた空間ではいい作品が描けないと感じ、「自分の理想のアトリエをつくりたい」と思ったのが原点です。そのためにタイル職人として働き、内装や空間づくりを学びながら家づくりの道に入りました。

やがて、「自分の描く世界を、空間ごと表現したい」という想いが建築へとつながり、今の事業を始めました。

私にとって仕事の軸は常に“想い”です。お金のためではなく、自分がワクワクすることを続ける。その結果として価値や利益が生まれる――この考え方を大切にしています。絵を描くこと、家をつくること、自然と向き合うこと。どれも私にとっては同じ「表現」の延長線上にあるんです。

アメーバ型の組織で、想いを共有できる仲間とつくる

――組織づくりやチームの雰囲気については、どのようにお考えですか。

固定的な社員組織ではなく、プロジェクトごとに仲間が集まるアメーバ型の体制をとっています。建築現場によってメンバーは入れ替わりますが、共通しているのは「想いを共有できるかどうか」。お金のためだけに働く関係ではなく、「この建物を一緒につくりたい」という気持ちを持った人たちと取り組んでいます。

報酬の形も一人ひとり違います。生活面のサポートをしたり、環境を整えたりしながら、その人が持つ才能を活かしてもらう。そうすることで、ものづくりに純粋に向き合える場ができると考えています。

私にとっての経営とは、人を雇うことではなく、“環境をつくること”。そこに共鳴する人が集まり、自然にチームが生まれるのが理想の形です。

世界中に「楽園」を――希望を生み出すデザインへ

――今後の展望や挑戦について教えてください。

いまは世界各地での展開も視野に入れており、2023年にインドのブッダガヤの地でアースバッグ工法による建築を行いました。
淡路島では約数億円規模の建築デザインにも携わっています。

私が目指しているのは、建物を通して“楽園のような空間”をつくること。誰もが自分らしく生きられる場を世界中に広げたいと考えています。

課題は多いですが、焦らずに一つずつ向き合えば道は開けると思っています。瞑想や自然との時間を大切にしながら、自分を信じ、人を信じる。そうして芽生えたご縁の先に、次の扉が自然と開いていく――そんな循環を信じて進んでいます。

自然とアートに還る時間が、創造の源になる

――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

絵を描くことが一番のリフレッシュです。20年ほど離れていましたが、最近また筆を取るようになりました。自分の好きなことをやる時間がそのまま仕事にもつながっています。

ほかにはサウナや山歩きも好きですね。森や川に入って、頭を空っぽにする時間を持つと、自然と新しい発想が生まれます。

海外にはサウナが少ない国も多いので、いっそ自分でつくろうかと考えているところです。そうやって“自分の欲しい世界”を形にしていくことが、私の生き方そのものです。

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