株式会社フォワード・クリエイション 代表取締役 村上暁誠氏
2024年に創業した株式会社フォワード・クリエイションは、ホスピタリティ領域を中心に、企業やブランドの価値を“伴走”しながら高めていくコンサルティング会社です。施設産業を中心に、歴史的建造物等のプロパティ・オペレーションや、MICE、ブライダル、飲食、クリエイティブ制作など多彩な分野を一気通貫で支援し、経営・マーケティング・営業のデザインを横断した新しい支援モデルを築いています。本記事では、代表の村上暁誠氏に、創業の背景や企業理念、そして未来への展望を伺いました。
目次
一気通貫の支援体制で、企業の“伴走者”に
――まず、御社の事業内容と特徴について教えてください。
創業は2024年7月で、現在2期目に入ったところです。社員は10名ほど、業務委託やアルバイトを含めると30名規模の組織になりました。主に施設オペレーション全般や、ブライダル、飲食、その他店舗ビジネスのホスピタリティ領域で、経営・マーケティング・営業の支援・伴走を行っています。
私たちの強みは、戦略策定から現場の接客までを一気通貫でデザイン・実走できることです。コンサルティングの枠を超え、写真・映像・Web制作・グラフィックデザインなども自社で内製化しています。いわば「外部のチーム」ではなく、「もうひとつの社内チーム」として伴走するのが特徴です。
企業に対して“支援する”というより、“共に進む”。その思想から、「シール(営業)」という言葉は使わず、常に“伴走する”という表現を大切にしています。
失敗から学び、今を楽しむ――経営者としての原点
――起業に至ったきっかけを教えてください。
大学まではサッカー一筋で、Jリーグを目指していましたが怪我で断念。その後、大手小売店の事業会社(飲食・ブライダル)に入社し、基幹店の20億円規模のリニューアルプロジェクトで、営業・マーケティング責任者を務めました。
しかし、結果的にそのプロジェクトで功績を残すことが出来ず、自分自身の至らなさも痛感しました。また、併せて「社会に本質的な価値を届けるために自分らしくチャレンジしたい」と感じたのが独立のきっかけです。
辞める直前、“起業しろ”と誰かに囁かれたような感覚があり、その翌週には会社設立を決意。半年間一人で走り続け、いまは共に志を分かち合う仲間と会社を育てています。
経営して感じるのは「こんなに楽しいことはない」ということ。もちろん大変なことも多いですが、世の中のために、誰かのために、本気でなろうと思えることを自分の判断で動かしていく感覚は、何にも代えがたいです。
共感と伴走――人と組織の中心にある哲学
――経営の中で大切にしている価値観を教えてください。
「共感すること」と「伴走すること」。この2つです。
相手の考えや背景を徹底的に理解し、同じ歩幅で進む――それが私のスタンスです。ときには相手にリードされ、ときにはこちらがリードする。どちらかが上になるのではなく、対等な立場で共に成果を生み出すことを意識しています。
また、私はカウンセリングやコーチングを学び、クライアントの思考や価値観を丁寧に引き出すようにしています。必ず対面で会い、言葉だけでなく空気感や表情からも理解する。それが信頼を築く一番の近道だと思っています。
10年後の未来を見据えて――自社サービス開発と業界の変革へ
――今後の展望について教えてください。
短期的には、売上10億円を5年以内に達成することを目標にしています。その上で、コンサルティング事業だけでなく、企業・ブランドの手の行き届かない事業の請負や自社のプロダクトやサービスを開発していきたいと考えています。
ブライダル領域では「1000万円プレイヤーのウェディングプランナーを生み出す」ことを掲げています。プランナーの価値を高め、業界全体の水準を上げていくことが使命です。
さらに飲食事業では、単なるレストラン運営ではなく“街づくり”の視点を持った、施設経営を構想中です。商業施設のように多様な要素が交差し、人と文化がつながる場所をつくりたい。そうした「にぎわいの創出」を通じて、社会に新しい感動を届けていきます。
これからも「共感」と「伴走」を軸に、企業や人の可能性を引き出し、ホスピタリティ業界に新しい価値を生み出していきたいと考えています。
これからは“仕事を通じて人生を豊かにする”
――忙しい日々の中で、どのようにリフレッシュされていますか。
おいしいものを食べることが一番のリフレッシュです。あとは家族と過ごす時間ですね。結局のところ、仕事そのものが私にとってエネルギーの源。好きなことをしているので、疲れるという感覚はあまりありません。
これからは、仕事とプライベートの垣根を越えて“生き方そのものをデザインする”ことを目指したいと思っています。自分が心から楽しめる仕事を通して、関わる人すべての人生を豊かにする。そんな循環を、フォワード・クリエイションから広げていけたらと考えています。

