誰かの笑顔が、次の原動力に――地域の居場所をつくるNPOの挑戦

NPO法人ひのくにスマイルプロジェクト 代表 茶木谷 与和氏

地域に根ざした活動を通じて、「一人でも多くの人を笑顔にしたい」。
そう語るのは、NPO法人ひのくにスマイルプロジェクト代表・茶木谷与和氏。こども食堂やフードバンク、災害支援など多岐にわたる活動を展開しながら、地域の人々が支え合い、誰も取り残されない社会の実現を目指しています。本記事では、活動の原点や組織づくりへの想い、そして描く未来について伺いました。

「誰かが笑顔になればいい」――すべての活動の原点にある想い

――現在の活動内容と、法人としての理念について教えてください。

私たちは熊本県を拠点に、こども食堂やフードバンク、被災地支援などを行っています。根底にあるのは「誰かが笑顔になればいい」というシンプルな想いです。困っている方や悩んでいる方が、私たちの活動を通じて少しでも前向きになってくれたら、それだけで十分だと思っています。

活動の始まりは、地域のこども食堂でした。そこから食材支援、居場所づくりへと広がり、現在では年間約100トンもの食材を扱うまでに成長しました。すべて寄付金で運営しており、私たち自身も無報酬で活動しています。特定の事業に収益を求めるのではなく、地域全体がつながる仕組みをつくることを大切にしています。

「誰も協力してくれなかった」――ゼロから始めた地域との信頼づくり

――活動を始めたきっかけを教えてください。

もともと私は大阪で働いていましたが、熊本地震を機に地元へ戻りました。その際、「地域のために何かできないか」と思い立ち、個人でこども食堂を立ち上げたのが始まりです。最初の頃はなかなか理解されず協力してくれませんでした。「あなた誰ですか?」というところからのスタートで、最初の1年は本当に大変でした。

それでも諦めずに続けているうちに、少しずつ理解者や仲間が増えていきました。活動が7年目に入り、1年前に正式にNPO法人化。現在はボランティアをしてくださる方も多くなり、月1回の「ひのくにスマイル食堂」やフードバンク活動を中心に、地域全体で支え合う仕組みが根づきつつあります。

――代表ご自身は教員もされているとか。

はい。現在は高校でビジネスの基礎に関わることを教えています。また放課後には、算数が苦手な子どもたちの学習支援も行っています。学校現場で生徒と関わることで、家庭の事情や心の問題を間近で感じるようになり、「食」や「居場所」の支援の必要性を改めて実感しました。教育と地域活動は、私にとって切り離せないものです。

無償でも続ける理由――「人の笑顔が報酬」

――組織運営の中で、どんな課題や工夫がありますか。

やはり一番の課題は資金面です。活動費のほとんどが寄付金で成り立っているため、今でも自分の私財を寄付という形で充てています。NPO法人としての会計上は寄付金となっておりますが、実際はほぼ自腹です(笑)。それでも、笑顔で「ありがとう」と言われた瞬間に、すべての苦労が報われる気がします。

ボランティアの皆さんも全員無償で協力してくれています。それぞれ仕事を持ちながら時間を見つけて関わってくれていて、本当に感謝しています。いつかは寄付や協賛企業が増えて、継続的に活動できる仕組みをつくりたい。そのためにも「活動の透明性」と「地域との信頼関係」を何より大事にしています。

3年後の目標――“自走できる”社会モデルへ

――今後の展望をお聞かせください。

まずは、団体として「持続可能な状態」を実現したいと考えています。現在は私個人の努力で支えている部分が多いですが、今後は地域の人々や企業が自然に支援し合える仕組みに変えていくつもりです。少額でも多くの人が協力してくれる社会をつくることが理想です。

最終的なゴールは、この活動が「必要とされなくなる」ことです。こども食堂やフードバンクがなくても、誰もが当たり前に助け合い、生活できる社会。そんな未来を目指して、これからも一歩ずつ前に進んでいきたいと思います。

音楽と笑顔――原点にある“人を想う力”

――お仕事以外でリフレッシュしていることはありますか。

音楽です。もともと声楽を学んでおり、ミュージカルの舞台にも立っていました。今でも歌うことが大好きです。音楽には人の心を癒す力があります。舞台で人を笑顔にすることも、食を通して笑顔を届けることも、根っこは同じだと思っています。どちらも「誰かのために」という想いが原動力になっているんです。

――最後に、今後の活動を通して目指したい社会像を教えてください。

最終的には、この活動がいらなくなる社会を目指したいです。誰もが自然に助け合い、困っている人がいたら手を差し伸べられる。そんな社会が当たり前になったとき、きっと本当の意味で“スマイルプロジェクト”が完成すると思います。

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