株式会社HS CREATION 代表取締役 平野 修己 氏
個人事業主として独立し、法人化に至った平野修己氏。HS CREATIONは、ウェブ制作を起点に地方の中小企業や個人事業主の活性化を支援する企業です。経営者としての価値観や地方での挑戦、事業への思いを聞きました。
目次
ブランディングや新規事業支援をメインに
──御社の事業内容をあらためて教えてください。
私たちは、企業のリブランディングや新規事業のサポートを主軸に展開しています。創業当初はウェブ制作を中心としたサービス提供からスタートしましたが、現在は地方企業の元気を取り戻すことをミッションに、ブランディングや新規事業支援など事業領域を拡大しています。
もともとウェブ業界だけでなく、インテリア業界や家具業界で販売といった経験も積んできました。その経験から、多角的な視点でお客様に提案できることが強みです。店舗や貸し会議室の空間プロデュースなど、インテリア関連の知見を活かした事業展開も可能です。
「実装できる人」を増やしていく
──創業のきっかけを教えてください。
私が起業の道を歩んだきっかけは、大学時代の海外経験にあります。カナダやデンマークでのワーキングホリデーを通じ、プライベートと仕事のバランスを重視したライフスタイルに感銘を受けました。自由な働き方やフリーランスの働き方を目の当たりにしたことで「自分にできる事業で、自分も周りも喜べる形は何か」と考え、ウェブ制作を軸に独立しました。
経営者として大切にしている価値観は「お客様の喜びを最優先すること」。自身が満足するだけのビジネスでは長期的な成功は難しいと考え、クライアントの課題解決や喜びに直結する提案を心がけています。自分で考え、選択し、行動できる『実装できる人』を増やすことが会社のビジョンです。
印象的な経験と地方での挑戦
──これまで経営する中で印象的だった出来事はありますか?
法人化のきっかけとなった経験の一つは、地方での顧客との関わりです。夜に1人でスナックに訪れた際、地元の農家や中小企業経営者たちの「この土地ではこれしかできない」と諦めている声を聞き、自身のサポートで可能性を広げられると実感しました。
地方でのプロジェクトにおいて、全体を一手に引き受けるのではなく、地域プロジェクトの一部として関わることで信頼を築く方針を取るようにしています。これにより、地元住民や関係者から「サポーター」と認識され、プロジェクトが円滑に進むようになりました。
ビジョンを共有しながら前に進む
──組織運営で工夫されていることは?
少数精鋭で、外注パートナーと連携して業務を推進しています。ビジョンを共有し、上下関係ではなく対等なコミュニケーションをとることを重視しています。これにより、プロジェクトごとに柔軟な対応をする体制ができて、クライアントからの追加要求にも対応できるようになります。
また、パートナーとは日々チャットやオンラインでコミュニケーションを取っているので、みんなが集まるオフィスも契約していません。バーチャルオフィスのワンストップビジネスセンターさんと契約し、オフィスにかかる固定費も必要最低限に抑えています。
何よりも「信頼関係」を大切にしながら
──今後の展望は何かありますか?
地方での活動をさらに拡大し、中小企業や個人事業主の「実装できる人」を増やすことを目標としています。その一方で、地域の既存プレイヤーとの関係構築や信用獲得には課題もあります。
東京在住の自分が地域に入っていく際、まずは一部分としてプロジェクトに関わり、信頼を少しずつ築くことが大切です。また、地方のプロジェクトでは、ウェブサイト制作やインテリア改善といった具体的施策を通じて、地元住民や事業者の選択肢を広げる取り組みを進めています。
これからは自分で考え、選択し、行動する時代
──読者へのメッセージがあればお願いします。
自分で考え、行動し、実現する力を持つ人を増やしたいといつも思っています。私が掲げるビジョンは、単なる企業成長ではなく、地方や個人事業者の可能性を広げることに重きを置いています。HS CREATIONは、これからも地元に寄り添い、挑戦する人々を支援していきます。

