タメニー株式会社 代表取締役社長 佐藤 茂 氏
タメニー株式会社は、「よりよい人生をつくる。」という理念のもと、人と人をつなぎ、幸せのかたちを広げ続けています。
結婚という人生の節目に寄り添いながら、社員も顧客も豊かになっていく――。
代表取締役社長・佐藤茂氏に、その“幸せの循環”をどのように生み出してきたのか、そしてこれからどんな未来を描いているのかについて伺いました。
目次
よりよい人生をつくる。幸せの循環を社会へ広げていく
――まず、事業の概要と理念について教えてください。
当社は祖業である結婚相談所の運営をはじめ、婚活パーティー、マッチングアプリなど、出会いの領域で幅広いサービスを展開しています。さらに、2020年にウェディング会社と合併し、結婚式などのセレモニー領域まで事業を拡大しました。いわゆる「カジュアルウェディング」と呼ばれる、形式にとらわれず気軽に行える結婚式のニーズに応え、披露宴をはじめ少人数挙式やフォトウェディングといった領域を幅広くカバーしています。
理念として掲げているのは「よりよい人生をつくる」ことです。まずは社員自身の人生を豊かにし、その輪を家族・取引先・お客様へと広げていく。そうした“幸せの循環”を社会に生み出すことを目指しています。事業創造力をコアコンピタンスとし、既存の枠にとらわれない新しい価値を提供していくことが、私たちの使命です。
経営者として大切にしているのは“正しさ”と“誠実さ”
――これまでのキャリアの中で、どのような経験が経営の礎になっているのでしょうか。
私は昭和48年生まれで、バブル崩壊からネットバブルの時代を経験してきました。若い頃はネット系ベンチャーで働き、数々の新サービスが次々と生まれては消えていく現場にいました。そのときに感じたのが、「ヒットやブームよりも、長く愛されるサービスをつくりたい」という想いです。
25歳から取締役として経営側に立ち、のちに勤務先の子会社を買い取るかたちで独立しました。結果として“経営者になる流れ”に乗ったかたちでしたが、そこから学んだのは「正しいことを貫く強さ」です。
私が大切にしている言葉に「正しきによりて滅ぶならそれでよし、決して滅ばず」というものがあります。社会にとって、消費者にとって正しいことを行う――それが結果的に会社の信頼を築き、長期的な成長につながると信じています。
社員との対話がすべての原点
――組織運営において意識していることは何ですか。
創業当初から「対話」を何よりも大切にしています。
月1回のオンライン朝礼動画やコンディションチェック、年4回発行の社内報などを通して、社員一人ひとりの声を把握し、双方向のコミュニケーションを重視しています。また、情報を伝える際には常に「相手の立場」で考えることを心がけています。経営側のメッセージを押しつけるのではなく、社員にとってどんな変化があるのか、どうメリットがあるのかを丁寧に伝える。これが信頼関係を生む第一歩だと思っています。
さらに、働き方改革にも着手しており、店舗スタッフが土日に休める仕組みづくりなど、ライフスタイルに合わせた柔軟な制度の整備を進めています。社員が安心して働ける環境づくりこそが、良いサービスの提供につながると考えています。
コロナ禍を乗り越え、再成長への道へ
――今後の展望について教えてください。
コロナ禍では売上が一時期半減し、社員数も半分になりました。経営者として非常に厳しい局面でしたが、その経験が大きな学びになりました。今は安定した利益構造を築きながら、再び成長軌道に戻すフェーズです。
短期的には収益基盤の強化を図り、中長期的には売上高で“サービス業上位100社”入りを目指しています。社員が再び夢と誇りを持てるように、明るい未来を描ける経営を実現していきたいです。
山に登り、料理をする。心を整える時間
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
体を動かすことが好きで、登山やトライアスロン、自転車などのアウトドアアクティビティを楽しんでいます。自然の中で心身を整える時間は、経営のバランス感覚を保つうえで欠かせません。
また、料理も趣味の一つです。食材に向き合い、味を整える作業は、どこか経営と似ているところがあります。小さな工夫の積み重ねが、誰かの笑顔につながる -そんな感覚が好きなんです。
これからは、人と人とのつながりをより深く、より広く育てながら、「人生を豊かにする循環」を社会全体へと広げていきたいです。

