合同会社スタンド・バイ 代表 梅林 龍馬氏
地域の医療や介護、そして福祉を一体で支える仕組みをつくりたい――。梅林龍馬氏が率いる合同会社スタンド・バイは、訪問看護を中心に、在宅リハビリや住宅改修、介護保険制度を活用した手すり設置など、利用者の生活に寄り添ったサービスを展開しています。「立場の弱い人を支えたい」という信念のもと、地域社会に根ざした支援を続ける梅林氏に、会社の現状や今後の展望について伺いました。
地域に根ざし、総合的な支援をめざす
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
令和元年に事業を立ち上げ、訪問看護を中心にリハビリや住宅改修も行っています。たとえば、介護保険制度を利用した手すりの設置やバリアフリー対応などですね。自社単独ではなく、提携企業と連携しながら進めています。
病院を退院しても自宅での生活が難しい方や、外出が困難な方にも、安心して暮らせる環境を提供したいと考えています。地域に根ざした医療・福祉の拠点をつくることが、私たちの大きな目標です。
――理念やビジョンについてもお聞かせください。
看護や介護の枠を超えて、地域の方々が「自分らしく生きられる環境」を整えることを目指しています。たとえば将来的には、子どもの福祉や教育支援など、世代を超えたサポートにも取り組んでいきたいと考えています。地域で困っている人を総合的に支援できる存在でありたいですね。
「帰りたい人を、家に帰せる社会」をつくりたい
――梅林さんがこの仕事を始められたきっかけを教えてください。
もともとは病院で働いていましたが、入院患者さんの多くが「家に帰りたい」と希望しても、在宅で支える仕組みがわからずスムーズに実現できない経験があったんです。そこで、「自分たちで在宅支援の受け皿をつくれたら」と思ったのが原点です。地域の実情を知り、社会に必要な仕組みを自らつくりたいという思いで、訪問看護を始めました。
――経営を続ける中で印象に残っている出来事はありますか。
最期をご自宅で迎えたいという方をサポートし、「家で安心して過ごせた」とご家族から感謝の言葉をいただいたことです。そうした声をいただくたびに、この仕事の意義を強く感じます。
病院では出会えなかった“生活の現場”に入り、支えが必要な方と向き合えること。それが何よりのやりがいです。
職員全員でつくる“風通しの良いチーム”
――組織運営で大切にしていることを教えてください。
現在は15名ほどのスタッフが在籍しています。職種に関係なく、全員が出勤・退勤を共にするスタイルをとっており、朝と夕方には申し送りや相談の時間を設けています。在宅医療の現場では個々の判断に任される部分も多いですが、日々顔を合わせてコミュニケーションを取ることで、連携の質を保つことを重視しています。
――社員に求める人物像はどのようなものですか。
一番は「思いやり」と「優しさ」です。困ったときに相談できる体制をつくり、誰もが安心して働ける環境にしたいと考えています。上司や部下という立場を越え、助け合える職場であることが、利用者さんへの良いケアにもつながると思います。
医療・福祉を超えて、質の高いサービスを広げていく
――今後の展望や挑戦についてお聞かせください。
今後は、介護や福祉分野の需要がさらに高まっていく一方で、事業者間の競争も激しくなると思います。その中で、私たちは「サービスの質」と「人材育成」を両立させながら、地域で選ばれる存在を目指したいと考えています。
また、ICTの導入や業務のデジタル化も進め、スタッフがより働きやすく、利用者が安心して頼れる環境を整えていきたいです。質を落とさず、着実に成長していくことが目標です。
仕事そのものが“生きがい”
――最後に、日々のリフレッシュ方法や大切にしている考え方を教えてください。
特別な趣味はありません。休みの日も、結局は地域や社会の役に立つことを考えています。仕事を通して人の役に立てることが、自分にとっての喜びであり、生きがいなんです。
これからも地域に必要とされる存在であり続けるために、一歩ずつ挑戦を続けていきたいと思います。

