株式会社GOLDENBEAM 代表取締役 山田 氏
株式会社GOLDENBEAMが手がけるスマートフォンアプリ『Writter(ライター)』。フォロワー数に依存しない独自のアルゴリズムで、短文投稿から本格的な執筆まで、質の高いコンテンツが評価される、新しいSNSのかたちとして、正式版リリースを前(テスト版配信中)に注目を集めています。本記事では、企画から開発までを仲間と二人三脚で進めてきた山田代表に、誕生の背景とこれからの挑戦について伺いました。
目次
創業のきっかけと『Writter』誕生の背景
――現在の事業内容について教えてください。
弊社は、2024年1月に新横浜で創業したスタートアップ企業です。現在は、スマートフォンアプリ『Writter(ライター)』の開発・運営がメインです。このアプリの最大の特徴は、フォロワー数ではなくコンテンツの質で評価される某ショート動画アプリ型アルゴリズムを採用した、上下左右に自由に動ける「SPACE」と呼ばれる空間UIです。従来のタイムラインのように情報が流れていくのではなく、4方向に広がる世界で偶然コンテンツと出会えるのが新しい体験です。 さらに短文投稿から、究極のシングルプレイ要素として「電子書籍」の執筆まで好きな形で書くことを楽しめます。スマホで本格的な縦書きが出来るフォームも独自で開発しました。
――このアプリを開発しようと思ったきっかけは。
初期構想では電子書籍寄りを考えていたアプリですが、コンテンツの重さは軽量一択の時代ですから、テストマーケをしてピボットしながら、現在のSNSライクなUXにシフトしました。
あとは、少し表現方法に悩みますが、Xなどで「闘病中の人のポスト」が流れてくることがあって、その言葉に私自身は前向きに元気をもらえたということです。当事者としては大変苦しいと思いますが、その人間としての言葉は、SNSのテキストであっても顔も名前も知らない人に元気や勇気を与える力がある体験をしました。現代のSNSの仕組みでは、流されてすぐ消えてしまいますが、そうした遺した想いや言葉が「ちゃんと残せるところ」があったらすてきだなと思います。あ、Writterじゃなくてもいいんです。これを読んだあなたがもっといいもの考えついたら、作ってください!
広告業界から独立へ 好奇心が導いたキャリアの転機
――これまでのキャリアについて教えてください。
以前は某広告代理店に勤務しながら、音楽や映像を仲間と制作してきました。
もう一人の代表である西本とは、親友であり、クリエイティブ仲間でもあるのですが、飲んだタイミングで転職を考えていると聞いたので、即独立しました。手伝ってくれているあゆ、それから業務委託のエンジニアの方とGOLDENBEAMとして仕事をしています。
――経営で大切にしていることは何ですか。
「好奇心に従うこと」です。経験がなくても、やってみたいと思ったことには迷わず挑戦する。そもそもわたしたちは、アプリ製作の経験がありません。業務委託で外部のエンジニアの方に製作を手伝ってもらいながら、日々仕事をしています。
“友人と仕事”が生む相乗効果 理想のチームづくり
――共同代表の西本さんとはどのように役割を分担されていますか。
私が企画や構想を練り、彼が形にしていくという関係です。特にタスクを細かく分けているわけではなく、自然とお互いを補い合うような感覚ですね。
よく「友人と仕事はうまくいかない」と言われますが、むしろ友人だからうまくいくことの多さを感じます。
世界をつなぐ言葉のプラットフォームへ
――今後の展開について教えてください。
機能面でいくと『Writter』の中で、正規の電子書籍を購入・閲覧できるようにすることを目指しています。将来的には出版社との連携を進め、個人の創作と商業出版の垣根を越えた新しい文化を妄想しています。
また、海外展開にも意欲的です。自動翻訳を実装して、漫画原作の海外配信や、個人レベルの日常ブログからノベルまで、言語の壁を超えたらいいなと思います。よほど用事がないと、海外のブログを読んだりしないものですが、読んでみるとカルチャーショックもあれば、本に書いていないような発見もあります。
音楽が支える創造力 “好奇心に従う”生き方
――プライベートではどのようにリフレッシュされていますか。
音楽を作る時間が一番のハッピーです。あとはハーレー(大型バイク)に乗っているので、通勤もハッピーです。というか仕事自体がプライベートみたいなもので、ずっとハッピーです。
――最後に、これからの展望をお願いします。
「100万年後どうなってるんだろう」と考えたりするのですが、あなたはどうなってると思いますか?
もはや病気や寿命を克服しているかもしれない。そしたら、今の僕たちが当たり前だと思っている価値観――たとえば1人だけを愛するとか、お金がもうなくなっているとか――そういったものの意味すら変わっているかもしれません。
弊社は100万年後間違いなく無いでしょう。これから展開する「Writter」も。ユニク●やルイヴ●トンも残っていないかもしれない。
じゃあ将来のために何をすればいいんだっけ、とぼーっと考えてみると、「今日を楽しむこと」「あした何かが楽しみがある」みたいな原始的で、ニヒリズムとは対極な、ありきたりなことが一番重要なんじゃないかなっていまは思っています。「Writter」では、機能はさておき、今日ちょっとだけ楽しいこと、あしたが待ち遠しくなることを仕掛けています。まずは楽しんでもらえると嬉しいです。

