株式会社Good Space 代表取締役 畠中裕理氏
株式会社Good Spaceは、民泊・レンタルスペース・シェアハウスの運営代行を中心に、物件の価値を高める事業を展開しています。「シェアで優しい世界をつくる」という理念のもと、関東・関西・中部で320部屋に携わり、さまざまなオーナーの課題解決に取り組んできました。本記事では、畠中氏のキャリアや経営観、組織づくりへの想い、そして不動産事業の未来について伺います。
目次
民泊・レンタルスペース・シェアハウスを軸に広がる運営代行事業
――現在展開している事業内容と特徴について教えてください。
当社は、「民泊」「レンタルスペース」「シェアハウス」の運営代行を中心に、物件管理からゲスト対応までをワンストップで担っています。物件オーナーだけではなく、賃貸借による運営者からの相談も増えており、「煩雑な業務を丸ごと任せたい」というニーズに応える体制を整えています。
成果報酬型で売上の10〜15%をいただく仕組みのため、導入のハードルが低い点も評価いただいています。
――物件オーナーからはどのような相談が多いのでしょうか。
ご両親の相続で空き家を引き継いだものの活用方法に困っているケースや、老朽化した物件の再生相談が増えています。放置すれば解体せざるを得ないような物件でも、運営代行と再生を組み合わせることで価値を取り戻せる可能性があると考え、積極的にサポートしています。
挑戦心と独自のキャリアが育てた“運営のプロ”としての視点
――起業に至るまでのキャリアと、事業を始めたきっかけを教えてください。
前職では大型シェアハウスの運営管理を担当し、100〜200人規模の物件を任されていました。その環境で「自ら考えて動く力」が鍛えられたと感じています。
将来的には地元である石川県でシェアハウスを運営したいという思いから就職しましたが、副業で始めたレンタルスペース事業が軌道に乗り、独立を決意しました。
――経営するうえで大切にしている価値観は何でしょうか。
「どうすれば実現できるか」を常に考える姿勢です。運営代行は手間のかかる業務も多く、簡単に断るのではなく、実現に向けて工夫し続けることを大切にしてきました。難しい依頼ほど向き合う価値があると考えています。
――印象に残っている出来事があれば教えてください。
設立3期目の終わりに、民泊事業20件の事業承継を一括で受けたことが転機となりました。未経験領域からの挑戦で、前運営者からの引き継ぎだけでは足りず、試行錯誤の連続でした。下降していた数字を改善する過程が、経営者としての成長につながったと感じています。
“任せる経営”が生む自立型組織
――組織づくりで大切にしている点を教えてください。
弊社は正社員4名、アルバイトや業務委託を含め約30名の体制です。細かな指示ではなく、あえて抽象度の高いオーダーにすることで、メンバー自身が考えて動ける環境を整えています。自分が指示されて嫌だと感じる管理スタイルは採用せず、自由と責任のある働き方を大切にしています。
――社員に求めているスキルや姿勢はありますか。
素直さと、まず動いてみる姿勢です。指示をこなすだけでなく、自ら考えながら行動できる人ほど成長が早いと実感しています。
再生事業と地域展開で描く未来像
――今後の事業展望について教えてください。
既存の運営代行に加え、グループ会社と連携した「再生事業」を強化していきます。物件のデザイン・コンセプトを担う会社や、リフォームを行う会社と協力しながら再生モデルを拡大し、将来的には上場をし、社会に大きなインパクトを与えたいと考えています。
――課題とその解決に向けた方向性について教えてください。
都内では不動産価格の高騰により収益確保が難しくなりつつあります。そこで地方物件への展開や、賃貸ではなく所有モデルへの移行も視野に入れ、柔軟に戦略を調整しています。
価値観と人生観が育てた“経営者としての軸”
――影響を受けた方はいますか。
特定の人物というより、社会に出て出会った多くの人から良い部分を吸収してきた実感があります。基盤となっているのは父の存在で、幼少期にハードワークをしていた父を見て育ったので、その働いている姿が今の自分の働く価値観にそのまま繋がっていると感じます。
また、社会人として組織の厳しさを知り、新卒で入社した会社の上司からは「会社で働くという事は、自分だけでは無く、自分が想像しているよりも多くの人に影響を与える。」と教えられた経験も大きな影響でした。起業後は、数多くの意思決定と向き合う中で、さまざまな出会いから学びを得続けています。
――リフレッシュ方法があれば教えてください。
最近はテニスを始め、週1回の練習が良いリフレッシュになっています。また、愛犬と過ごす時間も大切な癒しのひとときです。

