建築で“人の意識”を変える――空間が生み出す新しい幸せの形

株式会社ナノメートルアーキテクチャー一級建築士事務所 代表 野中あつみ氏

建築を通じて、人の意識や暮らしそのものを豊かにする――。
ナノメートルアーキテクチャーは、デザイン性と社会性を兼ね備えた建築を手がける設計事務所です。住宅から福祉施設、商業施設まで幅広いプロジェクトを展開しながら、空間の「心地よさ」を科学的かつ感性的に追求しています。本記事では、代表の野中あつみ氏に、同社の理念や設計への想い、そしてこれからの展望を伺いました。

多様な建築に挑み、社会に必要とされるデザインを

――まず、御社の事業内容と特徴を教えてください。

当社は建築設計事務所として、主に意匠設計を手がけています。いわゆる「建築家」と呼ばれる領域で、デザインを中心に建物の全体をまとめる役割です。住宅や店舗、小規模なリノベーションから大型商業施設・福祉施設まで、ジャンルを限定せず幅広く取り組んでいます。

――企業理念やビジョンについてはいかがですか。

特定の分野にとらわれず、どんな建築にも柔軟に挑戦する姿勢を大切にしています。建築は大きな構造物を作る仕事ですが、本質は「使う人がどう感じるか」。光や風、居心地といった“感覚”の部分をデザインで支えることが私たちの使命だと思っています。家具の配置を変えるだけでも空間は変わります。大きな仕掛けをせずとも、人の意識を変えるきっかけを建築側から提案できる――それが私たちの目指す建築です。

専門からの転身が導いた、建築家としての道

――野中さんが建築の世界に進まれたきっかけを教えてください。

大学では建築とは別の分野を学んでいましたが、就職活動中にリーマンショックで内定が取り消しになったんです。それを機に、自分のやりたいことを改めて考え直しました。実は高校時代から建築に興味があり、思い切って方向転換しました。修行のような日々でしたが、「やるなら自分でやってみたい」という思いが強く、独立を前提にキャリアを積みました。

――経営者になって感じることは。

建築は正解のない仕事です。常にクライアントと向き合い、使う人の想像力をどう引き出すかが大切だと思っています。例えば家を設計するときも、単に「家」という固定観念で終わらせず、“この空間がどう使われるか”を想像できる余白を残すようにしています。利用者の創造力を育てることが、良い建築につながると信じています。

個性を活かし合う小さなチームづくり

――組織運営において意識していることはありますか。

現在は10名に満たない小規模な事務所ですが、同じタイプの人を集めるのではなく、それぞれの得意分野を持った人材でチームを作ることを大事にしています。建築には多様な視点が必要です。誰かが苦手な部分は、別の誰かが補う。そうして全体として一つの円を描くような組織が理想です。

――社員とのコミュニケーションについても教えてください。

2~3か月に一度、1対1で面談を行っています。ランチをしながら「最近どう?」と気軽に話す中で、本人が気づいていない長所を見つけてあげるようにしています。時には厳しいフィードバックもありますが、その後に大きく成長するスタッフも多く、やりがいを感じますね。

名古屋の街から発信する、新しい建築のかたち

――今後の展望についてお聞かせください。

現在の事務所は名古屋・栄の中心部にあります。高度経済成長期に建てられ古くなった個性的な建物が壊されてマンションに置き換わっていく現状があります。私たちは、古い建物をただ取り壊すのではなく、歴史を活かしながら再生していくことに価値を見いだしています。今後は事務所移転も視野に、地域の文化を残しながら新しい魅力を発信できる拠点づくりを進めていきたいです。

――業界としての課題はありますか。

建築設計の現場は人材不足が深刻です。特に地方では、挑戦的な若手が減っていると感じます。アトリエ系と呼ばれる設計事務所は、大手よりも自由度が高い分、安定志向の若者には敬遠されがちです。ですが、地方からでも面白い建築を生み出せると信じており、若い世代にその魅力を伝えていくことも自分たちの使命だと思っています。

「建築を超えて」――挑戦を楽しむ心を忘れずに

――お仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

今は子育て真っ最中で、趣味に使う時間はあまりありません。以前は本を読むのが好きでしたが、今は子どもと過ごす時間が一番の癒しですね。建築のことを一度忘れて、純粋に生活を楽しむ時間がリセットされています。

――最後に、今後の目標を教えてください。

建築は引退のない仕事です。だからこそ、今を楽しみながら、長く続けていける環境をつくりたいと思っています。建築にこだわらず、社会や人の意識に変化を起こせるような挑戦を続けていきたいですね。

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