INA&Associates株式会社 代表取締役 稲澤大輔氏
不動産とテクノロジー、そして「人」の可能性を重視する経営で業界に新風を吹き込むINA&Associates株式会社。
代表・稲澤氏は「人が正当に評価され、報われる社会」を実現することをミッションに掲げ、超富裕層向けの不動産事業から多角的な事業展開に挑戦しています。
本記事では、同社の経営方針、稲澤氏の原点、組織文化、そして未来へのビジョンを伺いました。
目次
超富裕層を顧客とする不動産事業と多角的な展開
――現在の事業内容とその特徴を教えてください。
当社は不動産仲介・賃貸管理を主軸に、人材紹介やWeb事業、テクノロジー関連事業など多角的に展開しています。特に不動産事業では純資産10億円以上の超富裕層を主要顧客とし、上場企業の会長や社長の資産入れ替えや賃貸管理を行っています。
企業理念は「人間的創造力とテクノロジーの融合を通じて、あらゆる人が正当に評価され、報われる社会を作ること」です。私たちは顧客ファーストを徹底しており、賃貸管理では5年以上解約ゼロ、仲介事業でも一度関わったお客様とは継続的な取引が続いています。AIが発展する時代だからこそ「誰から買うか」が重要になり、信頼関係こそ最大の強みだと考えています。
15歳で芽生えた志と「人の可能性を信じる」経営哲学
――起業を志したきっかけを教えてください。
15歳の時、母が不動産業者から不当な扱いを受けたことが強烈な原体験でした。「こんな業界を変えたい」と思い、30歳で会社を立ち上げる目標を掲げ、実際に実現しました。
――経営で大切にしている価値観は何でしょうか。
「人の可能性を信じること」と「利他の心」です。人は誰もが失敗するものですが、それを否定するのではなく学びの機会にすることが重要です。社員の失敗も責めることはなく、会社で起こることはすべて自分の責任と捉えています。だからこそ社員は挑戦を恐れずに行動できます。また、自分だけでなく社会全体が豊かになる選択を重視しており、顧客に不利益となる不動産再販事業はほぼ行っていません。
社員の挑戦を支える透明性とIT活用の組織運営
――組織運営で重視していることを教えてください。
透明性とオープンなコミュニケーションです。テレワーク中心の部門でも、すべての情報共有をオープンに行い、誰もが見える形で議論しています。
また、社員はITリテラシーが高く、AIや社内ツールを自ら開発して業務効率化を進めています。Web会議の録音データやマニュアル化したフローを活用し、人材育成のスピードも高めています。
――印象に残った社員のエピソードはありますか。
1月に採用した完全在宅勤務の社員が、地方にいながら東京の物件管理をこなしています。これは「どこにいても能力を発揮できる」という、私たちが目指す「報われる社会」を体現する事例であり、大きな手応えを感じました。
世界ナンバーワンの人材投資カンパニーを目指して
――今後の事業展開について教えてください。
私たちは「世界ナンバーワンの人材投資カンパニー」を目指しています。不動産を軸にしつつ、人材育成とテクノロジーを融合させ、業界の固定観念を変えていきたいのです。
具体的には、国内基盤をさらに強化した上で、海外展開を進めます。海外投資家への誠実な情報提供を行うことで、日本の不動産市場の信頼性を高めたい。そして将来的には、日本人投資家が海外不動産に挑戦する際の架け橋にもなりたいと考えています。
「仕事は趣味」人の成長を喜びに変える生き方
――プライベートでのリフレッシュ方法を教えてください。
実は私にとって仕事が趣味です。不動産を見たり、コンサルティングをしたりすること自体が好きなので、ストレスが溜まらないんです。妻も医師として忙しいため、特別な趣味を共有していなくても、日々の仕事に充実感を得られています。
――経営以外で情熱を注いでいることはありますか。
「人の成長を見ること」です。古くからの友人であり、今は社員として働く仲間が成長していく姿は何より嬉しい。これからも、人が正当に評価され、報われる社会を実現するために挑戦を続けていきたいです。