エンジニアが主役になれる働き方をつくる──還元率と自由度を磨くカンゲンエージェントの挑戦

2024年設立の株式会社カンゲンエージェントは、SES事業を中心に自社プロダクト開発や不動産領域まで幅を広げ、わずか創業1年で急成長を遂げています。代表の伊藤氏が一貫して掲げるのは、「エンジニアが正当に評価され、安心して働ける環境をつくること」。学生時代から形成された価値観、サラリーマン経験で得た気づき、そして経営者として目指す組織像とはどのようなものなのか。事業へのこだわりから未来のビジョン、日々のリフレッシュ方法まで、幅広くお話を伺いました。

多角的な事業展開と、独自の強みを持つSESモデル

現在の事業内容について教えてください。

当社の中心となる事業は、システムエンジニアリングサービス(SES)です。エンジニアを正社員として迎え、クライアントのプロジェクトへ参画して技術支援を行っています。シンプルなモデルではありますが、自社プロダクト開発や不動産事業を並行して展開することで、一般的なSES企業とは異なる強みを持っています。特にAIを活用した自社ツールの開発が順調に伸びており、SES単体に依存しない強固な収益基盤を築けている点が特徴です。

他社と比べた際の強みはどこにありますか。

創業当初から営業組織に積極投資しており、現在は40名近い営業メンバーが在籍しています。SES業界では1〜2名体制が多いなか、営業力を強化してきたことで案件開拓の幅が広がり、エンジニアへのサポートや選択肢を豊富に提供できています。また、創業から1年足らずで業務委託を含め152名規模に成長した背景には、不動産業界で培ったネットワークや、経験豊富な営業人材の参加が大きく影響しています。さらにエンジニア採用においてはリファラル採用が多く、社内交流やSNS広報の活発化によって紹介が自然と生まれる仕組みが整っています。

還元率が高い理由について教えてください。

当社はバーチャルオフィスを活用し、固定費を最小限に抑えています。また、経営陣の報酬を必要以上に高く設定せず、無駄なコストを徹底的に削減しています。そのうえで、自社プロダクトや不動産事業が安定した収益を生んでいるため、SES事業の利益をエンジニアにしっかり還元できる仕組みになっています。「SESとITコンサル」の二軸で表現していますが、実際には複数の事業が互いに補完しながら成長しており、創業期でありながらもエンジニアが安心して働ける環境を実現しています。

代表・伊藤氏のキャリアと、経営者としての原点

不動産会社での経験から現在の立場に至るまでの背景を教えてください。

私のキャリアは新卒で入社した不動産会社から始まりました。最初の5年間は営業として走り続け、外回りや電話対応などハードな環境の中で、営業力や数字への向き合い方、顧客と誠実に向き合う姿勢を徹底的に学びました。家族に経営者が多かったこともあり、将来は自分も事業を立ち上げるだろうという感覚は幼い頃からありましたが、家業を継ぐ選択肢はなく、自分のキャリアは自分で切り開くつもりでした。不動産会社を退職後は個人で仲介業を行いながらSaaSプロダクトの営業代行も経験し、その中で多くのエンジニアと出会い、業界が抱える課題を肌で感じたことが現在の事業の原点です。待遇や還元率、情報の非対称性などの問題を見て、「正当に評価される環境をつくりたい」という想いが強く芽生えました。

起業してから、働き方や感覚に変化はありましたか?

サラリーマンの頃と比べ、最も大きく感じたのは「自由度」です。大企業では意思決定に時間がかかり、組織のルールに縛られる場面が多く、スピード感を持って挑戦することが難しいと感じていました。一方で、経営者になると自分の判断がすぐ組織に反映される分、責任の重さも格段に増します。特にSES事業では、エンジニアと対面する機会が限られるため、一人ひとりの状況を把握しづらいという課題があります。そこで当社では交流会や定期面談を行い、孤立させない仕組みづくりを重視しています。

経営者として大切にしている価値観は何ですか?

私が最も大切にしているのは「従業員が自分の意志で動ける会社であること」です。サラリーマン時代に感じた“縛られた働き方”とは逆の文化をつくりたいと考えています。一人ひとりの提案や挑戦を歓迎し、良い案はすぐ実行する風土を整えること。そして営業・広報・バックオフィスが連携してエンジニアを支える体制をつくることが重要だと考えています。「人の人生に寄り添い、働く価値を高めたい」という想いが、今の事業を動かす大きな原動力です。

組織づくりの考え方と、社員とのコミュニケーション

経営者として、社員と向き合ううえで大切にしていることを教えてください。

私が最も意識しているのは「制限をつくらないこと」です。働き方に過度な我慢を求めず、社員が思ったことを素直に発信できる環境でありたいと考えています。サラリーマン時代に感じた“言っても変わらない”という空気をなくし、良い意見はすぐに取り入れ、改善につなげる姿勢を大切にしています。社員が自由に提案でき、挑戦できる組織であることが、会社の成長にも直結すると考えています。

在宅勤務が中心の中、どのようにコミュニケーションを取っていますか?

社内ではGoogleチャットやLINEグループなどのオンラインツールを活用し、日々密に情報共有を行っています。必要に応じて会議室を借り、対面で集まる機会も設けることで、オンラインとオフラインをバランスよく組み合わせています。「同じ場所にいないからこそ、コミュニケーションの質にこだわる」ことを意識しており、スピード感やレスポンスの丁寧さを重視しています。

社員の個性や能力を引き出すために取り組んでいることはありますか?

SES事業ではエンジニアが現場に出るため、社内で顔を合わせる機会が少ないという課題があります。そのため、横のつながりを自然に生む取り組みとして「部活動」制度を導入しました。現在はゲーム部を中心に、職種を問わず参加できる場が生まれています。会社主導ではなく、社員の“やりたい”から始まる点を大切にしており、必要なサポートは積極的に行っています。制限をつくらないという価値観が、この取り組みにも反映されています。また、自由を活かすためには適度な努力や経験も必要だと考えており、自分自身の経験をもとに、のびのび働ける環境づくりと成長のバランスを意識しています。

未来への展望――SESを核に、持続的に成長する組織へ

今後、事業をどのように広げていきたいと考えていますか?

現在は複数事業を展開していますが、私が中心に据えているのは「SES事業の強化」です。自社プロダクトや不動産事業も動いていますが、それらはあくまで“仲間の雇用を守り、人を増やすための基盤づくり”という位置付けです。SES単体の利益率は高くありませんが、人が増えるほど事業が確実に成長する仕組みであり、会社を大きくする軸はここにあると考えています。今後はエンジニアの人数をさらに増やし、安心して働ける環境づくりを進めていきたいと思っています。

SESという事業の魅力はどこにあると思いますか?

私はエンジニアではありませんが、技術者の専門性には大きな敬意を持っています。一方で、実力に見合う評価を受けられていないエンジニアが多いことも感じてきました。近年はフリーランスとして働く人も増えていますが、案件獲得や交渉といった「営業活動」の壁が大きく、技術に集中しづらい面もあります。
その点、SESは“営業が得意な人”と“技術が得意な人”が役割を分担し、互いの強みを生かせる仕組みです。エンジニアは技術に集中でき、営業は顧客との関係構築に力を発揮できる。会社はその両者をつなぎ、働きやすい環境を提供する。この連携がうまく機能する点に、SESの魅力があると考えています。

事業成長を通じて、どのような未来を描いていますか?

私が目指すのは、“関わる全員の承認欲求が満たされる組織”です。技術が正当に評価されることでエンジニアは働く価値を感じ、営業は支援した仲間が活躍する姿にやりがいを得る。そして会社が成長すれば、また新しい挑戦ができる。この良い循環をつくることが、私の描く未来の姿です。
今後もSESを中心に据えながら、必要な領域には柔軟に挑戦し、社員が安心して長く働ける組織づくりを進めていきたいと考えています。

仕事と向き合いながら、自分を整える時間

経営の忙しさのなかで、どのようにリフレッシュされていますか。

もともと派手な趣味があるタイプではなくて、お酒やタバコもほとんどやりません。なので、自分の中で一番リフレッシュになっているのは“ひとりで落ち着ける時間”なんです。たとえばドライブに出かけて景色を眺めたり、サウナに入ってじっくり汗をかいたりする時間は、気持ちを整えるのにとても役立っています。

車を運転していると余計なことを考えずに済みますし、サウナでは頭の中が自然と整理されて、次に取り組むことを冷静に考えられるようになります。経営をしていると、どうしても切り替えが難しい場面が多いのですが、こうした時間を意識的につくることで、自分のペースを取り戻せるんです。

これからも、こうしたシンプルな時間を大切にしながら、会社と仲間のために全力で取り組んでいきたいと思っています。

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