子どもの未来は、夫婦の安定から。男性特化で“結婚の先”まで支える結婚相談所の流儀

結婚相談所縁プラス 代表 林 頌子 氏

小学校教員として多くの家庭を見てきた林氏が痛感したのは、「子どもの安定は、夫婦の安定と直結する」という現実でした。子どもへのアプローチには時間的な限界がある。ならば、家庭の土台である夫婦を整えるほうが早い――その考えから結婚相談所を立ち上げ、現在は“男性特化”というかたちで、外見から内面、さらには結婚後の相談までを一気通貫で支援しています。ビジネスとして拡大するよりも、「仲の良い夫婦が増えること」を目標に据える結婚相談所縁プラスの方針と、林氏の原点に迫りました。

「子どものために」から始まった、夫婦づくりというアプローチ

——まず、今の事業を始めた背景を教えてください。

もともと小学校の教員をしていて、いろいろな家庭を見てきました。その中で、子どもの安定って夫婦の安定と100%直結していると感じる場面が多かったんです。家庭環境や夫婦関係によって、少しずつ壊れていく子どもたちも見てきました。

ただ、教員として子どもに関われるのはせいぜい1〜2年程度で、手元を離れるとまた崩れてしまうことがある。だったら、子どもに直接アプローチするより、関係が良好な夫婦をつくった方が早いという考えに至って、結婚相談所を始めました。根本は、子どもたちのため、という思いです。

——結婚相談所のあり方として、他社との違いはどこにありますか。

大きくは“男性特化”でやっている点です。婚活市場における男性の課題がすごく大きいのを目の当たりにして、男性を底上げしてあげないと成婚率が増えていかないと感じました。男性のサポートを徹底的にした方が早いと思ったのが理由です。

また、婚活を「結婚まで」で終わらせないことも大切にしています。結婚までのことについてもわからないことが多いですが、結婚後のことはもっと分からない。山のように不明なことが出てくるのに、男性は相談できる相手がいない方が多いんですよね。

だから、成婚後も「分からないことがあったら連絡してね」というスタンスで、関係性を続けていく。ここまでサポートしている相談所は少ないと感じています。

男性の成婚率を上げるために、外見は“プロの力”で最短化する

——男性特化の支援として、具体的に何を重視していますか。

男性の場合、まず見た目の改善が必須だと思っています。縁プラスでは、今持ち合わせたポテンシャルが100%にならない限り、そもそも活動スタートできないよ、という考え方でやっています。つまり、外見の改善はマストです。

婚活は、会ってもらわなきゃ始まらないですし、お見合いしてもらう必要があります。でも、見た目が整っていないと、そもそも会うところまで進めない。そうなると、お見合いして改善して分析して…というサイクル自体が回らない状態になってしまうんです。

それでは意味がないので、まず外見を整えてPDCAが回る状態にする。結果として成果が出るのが早くなります。

——外見改善を“必ずプロに頼む”と話されていました。そこにはどんな狙いがありますか。

私自身はファッションのプロではないので、私の感覚でコーディネートを組んでも、それは「私の感覚」でしかない。男性側も「どうせあなたはプロじゃない」と思いながら聞いてしまうと、持続性や継続性につながらないんですよね。

だから、必ずプロに頼もうね、という設計にしています。実績のある提携先をたくさん持っていて、その方に合うものを提案しています。脱毛が必要な人もいれば育毛が必要な人もいるので、全員に同じことをさせるのではなく、必要そうなものをオーダーメイドで提案します。

プロの力で目に見えて格好良くなると自信がつく。その状態で戻ってくると、皆さんすごく素直になるんです。成果が出るところを紹介してくれたという私への信頼度も増すため、ちゃんと向き合ってもらえるようになる。私は中身を変えるプロなので、一番大変な内面の改善を私が担う、という役割分担です。

——実際に、成果として印象に残っている例はありますか。

40代の会員さんでも、プロフィールを開いてみるとお申し込みが200件くらい来るケースがありました。期間も2週間くらいだったと思います。お相手に理由を伺ってみると「写真がすごく目立ってた」とのこと。つまり、外見の整え方ひとつで、入口に立てる確率が変わるんです。

そして、見た目を整えることは婚活のためだけではなく、結婚した後も「相手にかっこよくいてほしい」「可愛くいてほしい」という気持ちは続くので、その後にも使えるスキルやマインドになります。婚活は自己認知と自己成長の機会でしかない、というのが私の考えです。

“結婚したら終わり”にしない。結婚後の不安も相談できる関係へ

——結婚後も相談できる仕組みは、なぜ重要だと考えていますか。

男性って、分からないことが出てきたときに聞ける存在がいないんですよ。女性同士は恋バナや自分の現状や課題について話すというコミュニケーションの取り方、そういう話をする文化がスタンダードですが、男性はそういう文化がない。

だから「何か分からないことがあったら連絡してね」と言える人がいるだけで、安心材料になるんです。積極的に問題を探してサポートするというより、相談できる窓口がある状態をつくる。それだけで男性の安心感は違うと思っています。

“大きくする”より“無駄をなくす”。価値観が形にした支援モデル

——現在の事業をビジネスとして拡大していくといった目標はありますか。

正直、ビジネスの拡大はあまり考えていません。私は、売上や規模のため、つまりお金のためにやっていないというのが大きいです。もちろんビジネスではあるので、ある程度というのはありますが、「年商〇億」のような金銭的な明確な目標もありません。

ただ「仲の良い夫婦」を増やしたいんです。夫婦関係が安定していると、自分の幸福度や自己有用感、自己肯定感も上がって人生が豊かになる。でも、その方法を知らない男性がすごく多いので、それを教え、導いているという感覚です。

——料金や提携など「徹底して無駄をなくす」という工夫をしている理由は何ですか。

結婚ってお金がすごく必要ですよね。ハネムーン、結婚式、新居…。そこに使ってほしいから、活動の中で無駄が出ないモデルを組んでいます。

たとえば、私はダイヤモンドの仕入れができるので、会員さんのために仕入れてあげています。世の中に出回っているものはブランド料が載っていることもあり、同じものでも差額が大きくなることがある。そこで浮いたお金が相談所の活動費や、格好良くなるための投資費用に回せるなら、それは合理的だと思っています。

不動産もできるので、購入時の仲介手数料を半額にするなど、結婚後も含めて“無駄にならない”形をつくっています。関係性のある人に頼める安心感もあると思います。

——婚活の時間を短くすることにも強いこだわりがあるように感じました。

私は無駄が嫌いなので、短時間でガッとやるだけやろうね、というタイプです。相談所によっては「月に申し込める人数の制限」があったり、「お見合い1回ごとに料金」がかかったりして、行動しづらくなる設計がある。

でも、そういう制限があると、本当に男性は時間がかかってしまうんですよ。私は制限をかけず、必要な行動量を担保できるようにしています。子どものことを考えたときに、1日でも早い方がいい。そういう前提で、無駄に長引かせない形を選んでいます。

起業の転機は、不妊治療と病気。そして支えになった夫の存在

——林さんご自身のターニングポイントを挙げるとしたら何ですか。

不妊治療と病気ですね。それが重なったタイミングがありました。小学校教員はハードワークで、旦那さんとの時間も全然取れない。その中で「このまま死ぬのは人生的におかしいぞ」と思って、一度仕事をやめたことがありました。

その経験もあって、「女性は早く妊活を意識した方がいい」と感じるようになりました。女の子たちのために伝えたいと思ったのが、最初の動機としてあります。相手を探さないと妊活もできないから、まず婚活だよね、という流れで始めた部分もあります。

——独立のきっかけとしては何がありましたか。

主人の影響が一番大きいです。私は元々、公務員で安定第一みたいな人間だったので、起業=不安定というイメージが強かったですね。でも主人が経営者で、「やりたいことないの?」と背中を押してくれた。そこから学ぶことも多かったですし、主人のことはすごく尊敬しています。

もし別の人と出会っていたら、教員を続けていたと思います。経済的な余裕や選択肢の持ち方も違ったと思うので。もちろん、不妊治療や病気の経験がなければ、働き方を変える発想自体が生まれなかったかもしれません。

少数体制だからこそ、補い合える関係をつくる

——組織体制や、チームの雰囲気について教えてください。

社員はいなくて、業務委託の方が1人います。私は男性担当で、女性担当をその方が見ている形です。コミュニケーションは適宜取るようにしています。

同じ能力値の人同士だとぶつかることもあると思いますが、その方は私にないものを持っているので、お互いを認め合えていると思います。相手が自分自身の集客もしているので、そこに対してアドバイスをしたり、人をつないだり、私ができることはやる、という関係です。

——今後、人を増やす予定はありますか。

手に負えなくなったら増やします。プロジェクトが3つぐらい動き出す予定もあり、女性向けのオンラインサロンも始めるので、手が回らなくなったら頼むしかないと思っています。

ただ、人の心が分かる人じゃないとこの仕事はできない。女性すぎてもいけないし、男性すぎてもいけない。特に人を相手にする仕事は、ちょっとした変化に気づける感度が必要です。

未来への挑戦は「教育」。女性向けサロンと“マイナス層”への支援

——今後、取り組んでいきたいことを教えてください。

一つは、女性のためのオンラインサロンです。これは、これから始める取り組みになります。

それから、男性向けの特化の延長線で「教育」という部分に特化していきたいという感覚があります。誰に聞いたらいいか分からない、学ぶ機会がない、という層に向けてプロデュースや学びの場をつくるイメージです。

具体的には、【日本レディーファースト協会】のような取り組みに関わっていたり、また別で、【男塾】というオンラインサロンにも運営として入っています。今年から本格的に、という段階です。

——婚活業界の今後については、どう見ていますか。

婚活市場自体は、需要があるので伸びる時期だと思います。ただ、現状として相談所は増えすぎていて、差別化できないと難しい。かなり費用対効果が悪い仕事でもあるので、本当に好きでやっている人以外は、いずれやめていくんじゃないかな、という感覚です。

リフレッシュは、家族との時間と“夫婦で出かける”こと

——お休みの日の過ごし方や、リフレッシュ方法はありますか。

子どもがいるので、リフレッシュと言われると難しいところはあります。でも、家族との時間が取れること自体が大事です。あとは旅行が好きなので、旅行にはよく行きます。

それと、主人と2人で出かけているときはリフレッシュにあたると思います。デートしている感覚ですね。

——夫婦関係を良好に保つために、意識していることはありますか。

自然にそうなったわけではなく、お互いの努力と思いやり、歩み寄りがあったと思います。意図的に時間を取る、話す時間を取る、コミュニケーションを取る。最低限必要なことをやった結果「すごく仲がいい」という状態になっています。

結婚をテーマに仕事をしている分、こういう関係性は「言っていいこと」だと思っています。夫婦関係の大切さが当たり前に共有される世の中に近づいていけば、家庭の土台も、そこにいる人の人生も、もっと豊かに良い方向に進んでいくはずです。

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