“本物”の権利を未来へつなぐ――エンターテインメントの価値を守り続ける挑戦
株式会社AMIプロジェクト 代表 瀬崎智文氏
エンターテインメント業界には、時代を超えて愛され続ける作品やキャラクターが存在します。その価値を守りながら、新たな形で次世代へ伝えていくことは容易ではありません。株式会社AMIプロジェクトの代表・瀬崎智文氏は、著作権や肖像権の管理・活用を軸に、企画開発やプロデュース、イベント運営など幅広い活動を展開しています。特に「仮面の忍者赤影」に深く関わりながら、作品と関係者の想いを未来へつなぐ取り組みを続けています。今回は事業内容や経営観、今後の展望について伺いました。
著作権を守りながら、新たな価値を生み出す
――現在の事業内容について教えてください。
当社はエンターテインメント分野における著作権関連の企画・開発・運用を主な事業としています。特に「仮面の忍者赤影」の主演俳優である坂口祐三郎氏の権利継承者として、権利を守りながら新たな商品化や企画展開を進めています。
単に権利を管理するだけではなく、イベントの企画運営や関係各所との調整、バックヤード支援なども行っています。作品や人物の価値を損なうことなく、次の世代へ伝えていくことが重要な役割だと考えています。
――事業を進めるうえでの強みはどのような点でしょうか。
長年にわたりエンターテインメント業界の第一線で活躍してきた方々とのつながりを持ち、作品や人物に対する深い理解をもとに企画を進められることです。
また、著作権を守るだけでなく、アニメや実写作品のプロデュースにも関わりながら、新しい企画を提案し続けています。偽物や誤った活用が広がらないよう、本物の価値を守ることも大切な使命だと考えています。
幼少期から抱き続けたエンターテインメントへの憧れ
――経営者として独立された経緯を教えてください。
もともと私は率直に意見を伝える性格でした。組織の中にいると、経営者に対しても「こうした方が良いのではないか」と正直に話してしまうタイプだったため、自分で事業をやる方が向いているのではないかと考えるようになりました。
もちろん勢いだけで独立したわけではありません。自分の能力や経験を見極めながら準備を重ね、24歳で独立しました。それ以来、長く事業を続けています。
――エンターテインメント業界へ進まれたきっかけは何だったのでしょうか。
幼い頃から「仮面の忍者赤影」が大好きでした。子どもながらに作品の世界観に強く惹かれ、物語の向こう側に本当にその世界が存在するように感じていました。
その後、多くの漫画家やクリエイターと交流する機会をいただきましたが、第一線で活躍する方々は皆、少年時代から豊かな想像力を持っていました。そうした憧れや好奇心が、今の仕事につながっているのだと思います。
人との縁を大切にする経営
――経営判断の軸になっている価値観を教えてください。
まずはベストを尽くすことです。無理だと思うことには手を出しませんが、挑戦する価値があると感じたものには全力で向き合います。
また、人との縁を非常に大切にしています。仕事でも人生でも、話が合い、お互いを尊重できる仲間と関わることが重要だと思っています。約束を守ることや信頼関係を築くことは、どんな仕事にも共通する基本です。
――組織運営やコミュニケーションで大切にしていることは何でしょうか。
当社は少人数体制で運営しているため、密な連絡と迅速な調整を重視しています。
プロジェクトでは業界関係者だけでなく行政とも連携することがあります。立場や考え方の異なる人たちが集まるため、双方の意見を整理しながら前へ進めていくことが重要です。コンテンツにはそれぞれの思い入れがあるため、その交通整理を丁寧に行うことも私の役割だと考えています。
――どのような方と一緒に仕事をしたいと考えていますか。
作品や特撮文化への理解が深く、運営面もしっかり担える方です。
私自身、貴重な資料や歴史的価値のあるものを受け継いでいる立場ですので、それらを大切に守りながら未来へつないでいける人に託したいと思っています。ただ、現時点では具体的な後継者像が明確に見えているわけではありません。
赤影の価値を未来へ――次なる挑戦
――今後取り組みたい挑戦について教えてください。
長年の目標は、「仮面の忍者赤影」を新しい形で多くの人に届けることです。これまでにも映画化企画を何度か進めてきましたが、さまざまな事情によって実現には至りませんでした。現在は、坂口祐三郎氏を軸にした作品「仮面と生きた男」の映像化や展開に取り組んでいます。
また、映画だけでなく舞台やアニメなど、さまざまな形で赤影の魅力を伝えていきたいと考えています。AI技術の発展によって表現の可能性も広がっていますが、本物らしさを守るための監修や権利管理は今後ますます重要になるでしょう。
赤影という存在は、後のヒーロー作品にも大きな影響を与えた歴史的なコンテンツです。その価値を正しく伝えながら、新しい世代にも知ってもらえるような作品づくりに挑戦していきたいと思っています。
仕事も人生も「縁」がつくる
――最後に、これだけは譲れないという思いを教えてください。
私は日々、経営者としての視点、プロデューサーとしての視点、そしてクリエイターとしての視点の間で考え続けています。予算や現実を見ながらも、作品としての価値や夢を失いたくありません。
そして何より大切なのは人との縁です。魅力のある人には自然と人が集まります。だからこそ、自分自身を磨き続けながら、信頼できる仲間とともに新しい価値を生み出していきたいと思っています。仕事も人生も、最終的には人との出会いが未来をつくるのだと感じています。