国産紅茶の新たな市場を切り拓く――和紅茶百花が目指す「和紅茶といえば」のブランドづくり

VITABOX株式会社 代表取締役 尾崎 佑太氏

VITABOX株式会社は、日本で作られた紅茶「和紅茶」に特化し、商品の企画やブランド開発を手がける企業です。主力ブランドの「和紅茶百花」を中心に、栄養素を取り入れた「栄養紅茶」などを展開しています。

国内では海外産の紅茶が広く流通するなか、日本の紅茶をより多くの人に届け、新たな市場をつくることを目指しています。今回は代表取締役の尾崎佑太氏に、事業の特徴や創業の背景、今後の展望について伺いました。

国産の紅茶に特化したブランド開発

――現在の事業内容について教えてください。

当社は現在4期目の後半を迎えており、日本で作られた紅茶をベースにブランド開発を行っています。中心となるブランドは「和紅茶百花」です。そのほか、GABAやビタミンなどを取り入れた「栄養紅茶」などを展開しています。

海外産の紅茶が主流となっているなか、当社は国産の紅茶に特化し、商品やブランドを開発している点が大きな特徴です。

――他社にはない強みは、どのような部分にありますか。

提携している農園が多く、さまざまな茶葉から商品に合った素材を選定できることです。有機JAS認証を取得している農園の素材なども含め、幅広い選択肢の中から商品づくりを進められます。

OEMやコラボ商品の企画、パッケージ開発にも取り組んでおり、商品化までのスピード感にも強みがあります。また、ティーバッグには、生分解性素材とされる「ソイロン」を採用しています。商品そのものだけでなく、環境に配慮した素材を選ぶことも大切にしています。

日本の良いものを世の中へ届ける

――事業に込めている思いや、今後目指している姿を教えてください。

当社には、日本を盛り上げたい、日本の良いものを世の中に届けたいという思いを持つメンバーが集まっています。その思いに共感しながら、和紅茶を広げるための事業に取り組んでいます。

国内の紅茶市場では、流通している商品の多くが海外産です。そのため、和紅茶はまだ十分な市場が形成されているとはいえません。しかし、日本の紅茶が広まれば、日本のブランドが増えるだけでなく、農園をはじめとする国内の一次産業にも還元できます。

海外産の紅茶が売れても、国内に還元される部分は限られています。だからこそ、日本で作られた紅茶を世の中に広げることには、大きな意味があると考えています。

まずは和紅茶そのものの認知を高め、将来的には「和紅茶といえば和紅茶百花」と思い出していただけるブランドを目指しています。

試行錯誤の末にたどり着いた現在の商品

――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。

26歳のときに会社を立ち上げました。実家が代々会社を経営していたこともあり、昔から自分で何かを生み出すことに興味がありました。

自分がゼロから作ったものや価値を人に届けることに挑戦したいという思いが、起業の原点です。現在は和紅茶というプロダクトを通じて、自分たちが作った価値を世の中に届けています。

――現在の栄養紅茶が生まれるまでには、どのような試行錯誤がありましたか。

最初は、缶に入ったリキッドタイプの商品を考えていました。しかし、紅茶にさまざまな栄養素を混ぜると、液体がドロドロになり、飲み物とは呼びにくいものができてしまうこともあります。栄養素の量や入れ方を見直しながら、試作を重ねました。

リキッドタイプは、保存のために保存料や風味をよくするために甘味料などを加える必要もあります。検討を続けるなかで、無理に液体の商品にする必要はないと考え、茶葉をベースに栄養素を摂れる商品へと方向転換しました。

当初は茶葉の状態で販売していましたが、一般の方にとっては手軽に購入しにくく、「ティーバッグにしてほしい」という声を多くいただきました。そこでティーバッグの商品を開発したところ、購入してくださる方や卸先が増えていきました。

創業時は栄養紅茶から始まりましたが、現在は「和紅茶百花」を中心に据え、そのラインナップの一つとしてウェルネスの要素を持つ栄養紅茶を展開しています。

売り込むのではなく、紅茶を楽しむ

――社内のコミュニケーションや仕事の進め方で、大切にしていることは何ですか。

紅茶を扱う会社だからこそ、まずは自分たちが紅茶を楽しむことを大切にしています。営業でも、商品を一方的に売り込むのではなく、お客様にも紅茶を楽しんでいただける関係を築くことを意識しています。

紅茶はたとえばAIのように導入すれば何かが劇的に変わるような、明確なビフォーアフターを示しやすい商品ではありません。だからこそ、おいしさや国産であることへの思い、飲む時間を含めた体験価値を、自分たちの言葉で伝える必要があります。

社内では自由に紅茶を飲むことができ、来客時にも提供しています。日頃から自分たちの商品に触れ、楽しんでいるからこそ、単なる機能やメリットの説明ではなく、実感を持って魅力を伝えられると考えています。

地域に根差した和紅茶を全国へ

――今後取り組んでいきたいことを教えてください。

現在は、自社ブランドの商品をより多くの場所で取り扱っていただけるよう、販路を広げています。セレクトスーパーやギフトショップとの取引が多く、今後はホテルへの導入、OEM、コラボパッケージ、海外展開なども増やしていく予定です。

地域に根差した商品づくりにも力を入れています。現在は「出雲和紅茶」を企画し、出雲大社周辺などで販売しています。出雲で作られた和紅茶を使用し、出雲にゆかりのあるクリエーターと一緒にパッケージを開発しました。

「出雲大社といえば、この和紅茶」と思っていただけるような商品を目指しています。十分な生産量があり、農園と協力できる環境が整えば、ほかの地域でも同様の商品づくりは可能です。それぞれの土地に根差した和紅茶商品を企画し、地域の魅力とともに届けていきたいと考えています。

――現在感じている課題と、その課題への取り組みを教えてください。

最大の課題は、和紅茶の認知度がまだ低いことです。市場が十分に大きくないからこそ、まずは「和紅茶とは、日本で作られた紅茶である」と、一つひとつ丁寧に説明していく必要があります。

一方で、和紅茶には大きな可能性があると感じています。商品の魅力や背景を伝えながら導入先を増やし、自分たちの手で市場を広げていくことが重要です。

現在は、「和紅茶といえば」と聞かれて、多くの方が思い浮かべる企業やブランドがまだないと考えています。だからこそ、その立ち位置を獲得することを目指し、日本の紅茶をより多くの方に届けていきます。

家族と過ごす時間でリフレッシュ

――休日はどのようにリフレッシュされていますか。

休日も仕事をしていることがありますが、子どもと一緒に遊びに行ったり、家族で出かけたりすることが多いです。家族と過ごす時間が、日々のリフレッシュになっています。

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