現地でしか味わえない熱を届ける――AwayBroが支える“アウェイ観戦”の新しい体験
AwayBro 代表 広川 裕樹氏
AwayBroは、サッカーのアウェイ観戦に行く人を支援するサービスを展開しています。現在は、ワールドカップを現地観戦する日本人サポーター向けにアプリを開発し、スタジアムまでの動線や周辺観光など、現地で必要となる情報を集約しています。今回は代表の広川裕樹氏に、事業の特徴や立ち上げの背景、今後の展望について伺いました。
アウェイ観戦の不安を減らし、現地体験を支える
――現在の事業内容について教えてください。
現在は、ワールドカップに行く日本人サポーター向けにサービスを開発しています。ミッションとしては、ワールドカップに限らず、アウェイ観戦に行かれる方をサポートすることです。現地での動線なども含めて、フルで支援できるサービスを目指しています。
実際にはホームページを入り口にしながら、利用者の方にはアプリを使っていただいています。ワールドカップに行くとなると、情報収集のハードルが非常に高いんです。そこで、現地のスタジアムまでの行き方や、それに付随する観光地の情報などを集約し、課金コンテンツとして提供しています。そこが現在の主な収益源になると考えています。
――ワールドカップ後の展開はどのように考えていますか。
ワールドカップは分かりやすい入り口としてサービスを開発しましたが、終わった後もアウェイ観戦のニーズはあります。例えばアジアチャンピオンズリーグや、海外リーグを観に行く方、海外遠征される方などのサポートをしていきたいです。
また、日本国内でもJ2、J3、さらにその下のカテゴリーになると、情報が少なく、新規の方が現地観戦に行くハードルが高いと感じています。そうした情報を集約し、サポートしていきたいです。まずはサッカーを軸にして、海外だけでなく国内の観戦支援にも広げていきたいと考えています。
サッカーへの思いから生まれたサービス
――この事業を始めたきっかけを教えてください。
もともとは人材系の会社を経営していましたが、現在は手放して、この事業に注力しています。AwayBroを作ったことで名刺代わりにもなり、AI関連の仕事も個人事業として受けています。
このサッカー関連の事業を始めたきっかけは、私自身がワールドカップ観戦に行くことを決めていたことです。どうにか盛り上げる側に立てないかと考えました。インフルエンサーの方々は、自分の顔や発信力で多くの人を盛り上げていますが、自分にはそうした才能はないと思っていました。では、自分にできる形は何かと考えた結果、このサービスにたどり着きました。
――AI関連の取り組みについても教えてください。
裏テーマとして、人件費や広告費をできるだけ使わず、AIを駆使して自動化し、リーチしていくことに取り組んでいます。そうした内容を発信していたところ、ご縁があり、AIコンサルティングの仕事も受けるようになりました。
基本的には、AIの設計やオーケストレーション設計についてコンサルティングしています。ただ、メインとして取り組みたいのは、あくまでサッカー観戦支援の事業です。
広告に頼らず、必要な人へ届ける
――現在、利用者の獲得はどのように行っていますか。
個人の顧客獲得については、広告費をかけずにインフルエンサーマーケティングを中心に行っています。今回のワールドカップでは、需要がかなり明確でした。現地に行く方に届けたいという対象がはっきりしていたためです。
例えば、ワールドカップに慣れている方であれば、細かい情報は必要ないかもしれません。一方で、現地の移動などが分からない方は、現地のインフルエンサーのYouTubeやSNSを見て情報収集しているケースが多いと感じました。そこで、そうした方に協業をお願いし、一緒に取り組んでいます。
そのYouTubeを見ている方にはアプリも使っていただきやすく、YouTuberの方と一緒に現地観戦コミュニティのようなものも運営しています。欲しかった層には、ある程度リーチできているという体感があります。
――現在の課題はどのような点にありますか。
特に課題とは思っていない部分もありますが、理想としては現地に行く方全員に使ってもらえることでした。ただ、今回は一度信頼を作るフェーズでもあると考え、KPIは低めに設定していました。
一方で、今後を考えると、認知拡大のスピードは課題になってくると思います。また、法人向けのスポンサー獲得については、リソースが足りていないため、まだ十分に取り組めていません。今後はそこも課題になってくると感じています。
ミッションを忘れず、現地観戦の価値を広げる
――今後の目標について教えてください。
現実的な話をすると、3年後には現在の売上の5倍ほどになっていれば、仲間を雇いながら進められるのではないかと考えています。ただ、自分が掲げているミッションが大きい分、それだけでは足りないとも感じています。なるべく大きくしていきたいです。
今後もサッカーを軸に、ワールドカップだけでなく、アジアチャンピオンズリーグや国内外のさまざまな観戦機会を支援していきたいと考えています。
――経営上、大切にしていきたい考え方はありますか。
最初に持っていた、自分の燃えている気持ちを忘れたくないと思っています。人が入ってきたり、収益が立ったりしても、それで満足するのではなく、あくまでミッションを大切にしていきたいです。
――事業を通じて、社会をどのように変えていきたいですか。
少し大きなことを言うようですが、アウェイ観戦は、実際に足を運んで経験する貴重な体験だと思っています。映像で何でも見られる時代ですが、それを越えて、現地でしか味わえない熱を感じる人がどんどん増えていけばいいなと思っています。その一助になれたらうれしいです。
休日は、音楽が好きなのでギターを弾いたり、コーヒーを焙煎したりして過ごしています。スポーツでは格闘技を見ることもありますが、基本的にはサッカーが好きで、常に見ています。
現地でしか味わえない熱を、より多くの人に届けたい。その思いを忘れずに、アウェイ観戦をもっと身近なものにしていきたいです。