企業の未来を守るために――調査を超えた“トラブル解決”を追求する探偵の使命
株式会社クレディエンス 代表取締役 後藤 啓佑氏
企業を取り巻くトラブルは、社内不正や人材リスクなど年々多様化しています。株式会社クレディエンスは、探偵業として培った調査力を生かし、企業トラブルの解決だけでなく、未然に防ぐための支援にも注力しています。本記事では、代表の後藤啓佑氏に、事業の特徴や経営理念、組織づくりへの考え方、そして今後の展望について伺いました。
企業を守るための調査と予防支援
――現在取り組まれている事業について教えてください。
業務の半数以上が法人向けのトラブル調査です。探偵業というと浮気調査など個人の案件をイメージされる方が多いと思いますが、当社では企業からのご相談が中心となっています。
主に、弁護士の方と連携しながら顧問先企業で発生したトラブルへの対応を行っています。社内での重大なハラスメントや金銭トラブル、顧客の持ち出しなどに対し、行動調査による証拠収集を通じて問題解決を支援しています。
又、トラブルを未然に防ぐための取り組みにも力を入れています。その1つが雇用調査です。採用予定者の行動や交友関係などを確認し、「安心して採用するための材料を得る」という考え方のもと、企業の採用を支援しています。粗探しが目的ではなく、見逃せないリスクがないかを確認するための調査です。
――他社にはない強みはどのような点でしょうか。
一番の強みは、法人案件を数多く経験してきたことで培った提案力です。調査にはできることとできないことがあります。その線引きを正しくお伝えした上で、依頼者さんにとって最適な方法をご提案できるのは、これまで数多くの案件を経験してきたからこそです。
また、当社は調査だけで終わる会社ではありません。「フォレンジック」をはじめ、DNA鑑定やカウンセリングなど、それぞれの専門分野に強みを持つ方々と連携しながら、問題解決までを見据えながら対応しています。
16年間かけて築いてきた弁護士の方々とのネットワークも大きな強みです。案件の内容に応じて適切な専門家をご紹介できるため、調査会社という枠を超え、企業のトラブル解決を支える窓口として幅広く対応しています。
「品」を貫くことが、信頼につながる
――理念やビジョンに込められた想いを教えてください。
16年間探偵業に携わる中で、数多くのトラブルを見てきました。その経験から、調査の技術だけではなく、依頼者さんとどう向き合うかという「品」の部分を何より大切にしています。
探偵の仕事は、自分たちだけではコントロールできないことも多くあります。そのため、状況を丁寧に説明し、不安に寄り添いながら対応する姿勢を常に意識しています。
また、依頼内容を慎重に見極めることも欠かせません。問題解決や予防につながるご依頼なのかを確認した上で、お受けするようにしています。
――経営者になられたきっかけを教えてください。
もともと経営者を目指していたわけではありません。リーダーになりたいという思いもなく、年齢や立場に関係なく中立的に物事を見られるところを周囲に評価していただき、気づいたら代表を任されるようになりました。
会社を大きくすることよりも、少数精鋭で一つひとつの案件に丁寧に向き合うことを大切にしています。
一方で、責任だけは自分が負いたいと思っています。探偵業はリスクの大きい仕事だからこそ、何かあったときには自分が前に立ち、社員を守る。その覚悟を持って日々経営に向き合っています。
技術と人間力、その両方を育てる組織づくり
――社内コミュニケーションで大切にしていることを教えてください。
社員には、できるだけ余計な負担をかけないよう心掛けています。当社は勤務時間が不規則なため、休日のタイミングに急な電話をすることはほとんどありません。まずはLINEで要件を伝え、「緊急ではないので安心してください」ということが分かるようにしています。
代表から突然電話がかかってくるだけでも、社員は身構えてしまうものです。だからこそ、連絡の仕方にも気を配っています。
普段のコミュニケーションでも、「こうしなさい」と指示するのではなく、理念と方針に照らし合わせると、「こちらの方がいいかもしれません」と提案するようにしています。トップダウンではなく、一人ひとりが自分で考え、納得した上で動ける組織でありたいですね。
――現在向き合っている課題と、その解決に向けた取り組みを教えてください。
一番の課題は、依頼者とのコミュニケーションまで安心して任せられる人材を増やすことです。
探偵業界には職人気質の人が多く、高い調査技術を持っていても、お客様とのやり取りを得意としない人は少なくありません。この仕事では調査力だけでなく、依頼者さんの不安に寄り添いながら対応する力も欠かせないと感じています。
ただ、それを教えるのは簡単ではありません。現場経験とコミュニケーション力の両方が求められるため、今も試行錯誤を重ねています。
私自身、現場では司令塔としてチーム全体を見ながら調査を進めてきました。だからこそ、それぞれの強みを生かしながらチームとして力を発揮できる組織をつくっていきたいですね。
探偵業の新たな価値を切り拓く
――今後取り組んでいきたい新しい挑戦を教えてください。
目指しているのは、「探偵業の昇華」です。
調査だけを行う仕事ではなく、問題解決まで支えられる存在として、探偵業の新しい価値を築いていきたいです。そのために、カウンセリングや弁護士さんとの連携など、さまざまな専門分野とのつながりを深め、依頼者を総合的に支えられる体制を広げていきたいですね。
また、執筆活動やYouTubeへの出演を通じて探偵の技術や知識を社会へ発信し、この仕事の可能性を広げていきたいです。探偵業そのものの価値を高めることも、大きな目標です。
技術を、正しい目的のために使う
――探偵という仕事において、最も大切だと考えていることを教えてください。
探偵の仕事は、高い調査技術があれば成り立つものではありません。その技術は、使い方を間違えれば悪い結果につながってしまう可能性もあります。
だからこそ、依頼内容は慎重に見極めています。本当に問題解決や予防を目的としたご依頼なのかを確認した上で、お受けするようにしています。お金のために何でも引き受けるのではなく、自分たちが持つ技術を正しい目的のために使う。その姿勢を何より大事にしています。
私たち自身も品を持って依頼者と接し、その技術を正しく使い続けていきたいですね。これからも、一つひとつのご依頼に誠実に向き合っていきます。