人様のお役に立つものをお届けしたい――テーピング技術を追求し続けるキングカップス株式会社の挑戦
キングカップス株式会社 代表取締役 木村 公 氏
キングカップス株式会社は、テーピング技術を応用したスパッツやサポーター、下着類、化粧品などの企画・開発・販売を手掛けています。長年にわたり筋膜やテーピング理論を研究し、一般的な着圧商品とは異なる独自の技術を取り入れた製品づくりを続けてきました。
代表取締役の木村公氏は、今まで歩んできた人生の経験をもとに、スポーツや医療分野で活用されるテーピング技術に着目。多くの専門家と研究を重ねながら、「本当に人の役に立つ商品」を追求しています。今回は、商品開発へのこだわりや経営者としての価値観、そして今後の展望についてお話を伺いました。
目次
筋膜とテーピング理論を生かした独自の商品開発
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
当社では、「スプリングウォーク」をはじめ、テーピング技術を応用したスパッツやサポーター、下着類、化粧品などの開発・販売を行っています。商品は日常生活での身体の動きをサポートすることを目的としており、年代を問わず多くの方にご利用いただいています。
当社の最大の特徴は、一般的な着圧商品とは異なる考え方にあります。市場には締め付けることでサポート効果を得る商品が数多くありますが、当社では実際のテーピング技術をニット製品で再現することを目指してきました。
そのために研究してきたのが「筋膜」の働きです。全ての筋肉は筋膜に覆われ、筋膜は足の先から頭部下までつながっています。その構造を理解するため、理学療法士や整体師、鍼灸師、形成外科医、アスリートトレーナーなど、多くの専門家と意見交換を重ねながら商品開発を進めてきました。
編み方一つで力の伝わり方が変わるため、設計には非常に時間がかかります。しかし、履くだけでテーピングを施したようなサポートを目指すためには、その工程を省くことはできません。効率よりも品質を優先し、本当に役立つ商品づくりを続けています。
――商品開発で苦労されたことはありますか。
最も苦労したのは、テーピングの効果を糸の編み方だけで再現することでした。
一般的な製品では着圧によって代用するケースもありますが、それでは本来のテーピング理論とは異なります。当社では何度も試作と検証を繰り返し、編み方そのものによって筋肉の動きをサポートできる構造を追求してきました。
特殊な製法であるため、一日に生産できる数量は決して多くありません。しかし、生産効率よりも利用者にとって本当に価値のある商品を届けることを優先しています。現在も特許技術を活用した新商品の研究・開発を進めています。
美容師時代の経験が現在のものづくりにつながる
――現在の商品開発につながるきっかけを教えてください。
もともとは美容師として仕事をしていました。お客様が満足されるデザイン、細かなデティールなどを追求し、一つ一つの作品を作っていました。出来上がってきたものに対するお客様の満足感を見れる素晴らしさが今の開発に非常に役立っております。 また、小学生時代からスキーが好きで、競技を続ける中でテーピングを使う機会が多くあり、テーピングをしていただくたびに駆動域が上がったり、固定したりと色々なテーピングを体験させていただいたのもこの頃です。
2008年頃、テーピングの専門家との出会いが転機となります。その技術の奥深さに魅力を感じ、自ら本格的に学び始めました。
さらに筋膜についても研究を重ね、さまざまな専門家から知識を吸収しながら独自の商品開発へとつなげていきました。現場の理論だけでなく、実際に使用する方々の声を聞きながら改良を重ねることで、現在の商品が生まれています。
お客様の笑顔を原動力に歩み続ける
――経営者として大切にしている価値観を教えてください。
経営において最も大切にしているのは、「その商品や取り組みがお客様の役に立つかどうか」です。
これまでの経営人生では順風満帆だったわけではありません。大きな失敗や、多額の損失を経験したこともありました。しかし、その経験があったからこそ、人との出会いや信頼の大切さを改めて実感したといいます。
「過去を振り返って立ち止まるより、一歩でも前へ進むことが大切。」
その言葉どおり、困難があっても挑戦をやめず、前向きに歩み続ける姿勢を貫いています。
そして何よりの喜びは、お客様から「ありがとう」と言っていただけることです。商品を使った方が笑顔になってくださることが、次の商品開発への大きな原動力になっています。
――社員との関わりで大切にしていることはありますか。
これまで多くの人と仕事をしてきた経験から、人材の大切さを強く感じています。
現在は少人数で事業を運営していますが、今後新たな仲間を迎える機会があれば、技術や経験以上に「同じ方向を向いて歩んでいける人」であることを重視したいと考えています。
会社の理念やものづくりへの思いを共有し、一緒に成長していける関係を築いていきたいです。
技術で社会に貢献できる企業を目指して
――今後の展望について教えてください。
今後は、これまで培ってきた技術をさらに多くの分野で活用していきたいと考えています。
目指しているのは、「国の役に立つ技術」を提供することです。警察や自衛隊など、身体を酷使する現場でも活用できる商品を届けられるよう研究を続けています。
世の中には数多くのテーピング商品がありますが、本当に身体をサポートできるものは限られていると考えています。だからこそ、これまで積み重ねてきた研究成果をさらに発展させ、多くの人の健康や活動を支えられる商品を届けたいという思いがあります。
これからも妥協することなく研究を重ね、より良いものづくりを追求していきたいです。
家族との時間を大切にしながら、新たな挑戦へ
――休日はどのように過ごされていますか。
休日は、子どものサッカーについて行くことが多いですね。一緒に過ごしたりする時間が良い気分転換になっています。
また、以前からスキーが好きで続けてきました。もともとスキーをしていたことが、テーピングに興味を持つきっかけにもなりました。仕事につながる原点の一つでもあるので、今でも思い入れがあります。