水素研究から生まれた「体質改善トリミング」を全国へ――動物の命に向き合うMere Noelの挑戦
株式会社Mere Noel 代表取締役 マックリーブ 早季氏
株式会社Mere Noelは、ペットの体質改善専門トリミングサロン「メル ノエル」を運営し、オリジナルの水素入浴や自社製造のパックを提供しています。高濃度水素商材の研究・開発・卸販売にも取り組む同社。本記事では、代表のマックリーブ氏に、研究を始めたきっかけやサロン開業の経緯、経営で大切にする考え方、今後の展望について伺いました。
目次
研究から生まれた「体質改善」というトリミングのかたち
――現在の事業内容やサロンの特徴について教えてください。
現在は、サロンと卸を事業の軸にしています。
シッターや出張サービスもありますが、今は信頼できるスタッフに任せていて、私はほとんど関与していません。広げすぎると軸がぶれてしまうので、まずは今の事業を育てたいと考えています。
私が大切にしているのは、ただ毛を切って見た目を整えるだけでなく、動物の体質そのものに目を向けることです。水素を使ったパックや入浴剤について研究を続け、自分で確かめながらサロンに取り入れてきました。
――水素を使った研究を始めたきっかけは何だったのでしょうか?
きっかけは、保護したプードルの「のんちゃん」です。のんちゃんは保護した時から大変な子でしたが、7歳の頃に水素へ興味を持ち、お客様が水素メーカーだったこともあって試してみました。
ハーブパックに水素を混ぜて使ったところ、被毛などに変化を感じ、「もっと調べたい」と思ったんです。
そこから、さまざまな子に協力していただきながら研究を続けました。シャンプーやケア用品の原料も一つずつ調べるようになり、使うものを自分で理解する大切さを強く感じました。
疑問をそのままにできない性格なので、納得できるまで調べる。それが今の事業の土台になっています。
出張サービスから葉山での開業へ――流れに導かれた事業の歩み
――研究からサロン開業へ至った経緯を教えてください。
サロンを開業したのは、3年ほど前です。それまでは出張サービスをしながら研究を続けていました。普通のトリミングサロンを開いて、ただ切って終わるだけでは、私自身が楽しいと思えなかったんですよね。
そんな中、葉山で皮膚炎に悩む犬を助けてほしいと声をかけられ、ボランティアで訪れたのが転機です。海の綺麗さにも惹かれて、そのまま「ここに引っ越そう」と決めました。
東京では家賃が高く店舗を諦めていましたが、葉山ならできると思えたんです。そこからはタイミングが重なり、開業まで進んでいきました。
――法人化を決めた背景には、どのような思いがあったのでしょうか?
雇われていた頃、私を指名してくださるお客様には、有名企業の社長や富裕層、芸能関係の方などが多くいました。
そうした中で、「個人のままより会社にした方がいいかな」と考えたのが始まりです。最初から大きな事業計画があったわけではなく、「とりあえず株式会社にしておくか」くらいの感覚でした。
その後、水素と出会って研究に夢中になり、葉山との縁ができて店舗まで持つことになった。私は「運と愛嬌だけで生きている」とよく言うのですが、自分で全部計画したというより、流れに乗ってここまで来た感覚が強いですね。
「ワクワクする方を選ぶ」直感と自分軸の経営
――経営判断をするときに大切にしていることは何ですか?
明確なルールを決めているわけではなく、その時の直感を大事にしています。「どっちを選んだらワクワクするか」で考えることが多いですね。
一つに選べないなら、とりあえず両方やります。続けるうちに伸びる方が見えてくるので、その時に優先順位を変えればいい。後回しにした方からも必ず得るものがあるため、私はあまり「失敗した」とは考えません。
そこで得た経験は、別のところでまた使えると思っています。
――これまで最も時間やお金をかけて良かったと思うことを教えてください。
間違いなく研究です。店舗を開けたら、普通はどんどん集客した方がいいと思います。でも、それでは自分が調べたいことを学ぶ時間がなくなってしまいます。
私は、お店を開ける期間と、経営や勉強に使う期間を分ける形で動いていました。集客しない期間があれば当然厳しくなります。それでも研究や勉強を優先した時間は必要でした。自分で積み重ねてきたことは、今の私の大きな強みです。
――経営する上で、絶対に譲れないことは何でしょうか?
お店で使うものには、とことんこだわりたいです。私は流行や周りに流されるのが好きではありません。大事なのは、「私」という軸をぶらさないことです。
入浴剤も自分で作りたいですし、サロンで使うパックもハーブの原料から手作りしています。将来的には製造部を作ることや、さらに会社を作ることも考えています。動物の命に関わる仕事だからこそ、自分が納得できるものを使い続けたいですね。
人材を整え、体質改善の取り組みを全国へ
――現在の組織づくりや採用について、どのように考えていますか?
現在は事務員が1人いて、今後はトリマー見習いや秘書兼事務など、2~3名の採用を考えています。業務委託もすでに活用し、事務作業やSNSまわりを手伝ってもらっています。
私は事務作業やパソコンに向かい続けることが得意ではないので、そこを支えてもらえるのは大きいです。今後は人を増やし、誰か1人に負担が集中しない形を作りたいですね。
あえて当社とは違うタイプの方に入ってもらい、私自身も学びたいと思っています。
――今後、事業として挑戦していきたいことを教えてください。
今は、水素入浴剤を使った「ペットの体質改善コース」を、水素導入店の方にオンラインで教えています。以前は直接お店まで行っていましたが、自分のサロンを開いてからは動きにくくなりました。
だからこそ、サロンを任せられる人材を整えて、私はまた全国を回りたいです。
各地のサロンに直接教えながら、困っている飼い主の方にパックをしたり、食事のカウンセリングをしたりする機会も作りたい。SNSにも投資しながら、この取り組みを広げていきたいと考えています。
海で気持ちを整え、動物と飼い主に寄り添う
――仕事から離れた時間は、どのようにリフレッシュしていますか?
海ですね。毎週日曜日は必ず休むようにしています。船を出してシュノーケルに行ったり、寒い時期は釣りをしたり、船でピクニックをしたりしています。
――動物と暮らす飼い主の方へ、伝えたいことをお願いします。
一番お伝えしたいのは、「節約するところを間違えないでほしい」ということです。
たとえば、「シャンプーは家でできるから」「ごはんはこっちのほうが安いから」と自己判断するのではなく、まずは担当のトリマーにしっかり話を聞いてほしいと思っています。
トリマーは、飼い主さんが思っている以上に、その子のことをよく見ています。定期的に体に触れているからこそ、皮膚や被毛の状態をはじめ、普段とは違う小さな変化に気づくこともあります。病気を診断することはできませんが、早期発見につながるきっかけをつくれる存在です。
そして、何かあったときに備えて、動物病院を一つだけに絞らないことも大切です。できれば最低3つの病院にカルテがある状態をつくり、いざというときに相談できる場所を複数持っておいてほしいですね。
一つの見方だけに偏らず、複数の病院で意見を聞ける状態をつくっておけば、選択肢も広がります。人間にセカンドオピニオンがあるように、動物についても複数の選択肢を持っておいたほうが安心です。
だからこそ、費用だけで「これは必要ない」と決めるのではなく、その子にとって何が必要なのかを、まずは身近な専門家に相談してほしいと思っています。
私は、本当にペットを亡くしたあとに後悔を残してほしくないんです。飼い主さんが最後に「できることは全部やった」と思えるところまで、お手伝いしたい。「犬や動物のことで何かあったら私に言って」と思うくらい、最後まで一緒に考えていきたいですね。