AIを味方に。─次世代の教育と組織づくりを変える“仕組み”の正体

「人の能力に依存しない仕組み化」こそが、教育も組織も変革する鍵。そう語るのは、オンラインスクール事業とマネジメント支援AIを両輪に、急成長を続けるアドネス株式会社の三上功太代表です。AIを活用した再現性のある成功を届ける仕組みと、その背景にある思想に迫りました。

AIを活用した教育とマネジメントの仕組み

現在の事業内容について教えてください。

当社は大きく2つの軸で事業を展開しています。ひとつは、AIを活用したオンラインスクールの運営。もうひとつは、AIベースのマネジメント支援システム(ToB事業)の提供です。

オンラインスクールでは、講師の力量によって学習効果にばらつきが出るという教育の課題に対し、独自のAIシステムで解決を図っています。自社で開発し、特許も取得しているこの仕組みによって、まるで「ドラえもんが隣にいる」ような、質の高い1対1の学習体験を全生徒に提供しています。

単に動画を視聴するだけのサービスとは異なり、きめ細やかなフォローができる点が強みです。

マネジメント支援のシステムも特徴的ですね。

そうですね。組織が大きくなっていく中で、マネージャーの役割や管理業務が属人化しやすいという課題があります。そこで私たちは、AIによって業務の「見える化」と「意思決定支援」ができる仕組みを開発しました。

これは、当社自身が実際に使用しながら磨いてきたシステムで、現在300名近い組織の急拡大にも対応しています。誰が・何を・どうすべきかを明確にし、業務の重複や漏れを防ぐこの仕組みは、「組織運営のOS」として非常に効果的です。

特許申請中の技術も含めて20件ほどが活用されており、汎用性の高いサービスとして多くの企業にも展開可能だと考えています。

教育もマネジメントも、AIが深く関わっているのですね。

私たちのスタンスは、AIで人間を置き換えるのではなく、人の可能性を引き出すサポート役としてAIを活用することです。教育も、マネジメントも、人の力に大きく依存していますが、それだけに課題も多い。だからこそ、再現性のある仕組みで支えていく。それが、私たちの使命だと思っています。

常識にとらわれず、自分の哲学を築いた原体験

もともとのご自身のご経験や、経営者になられたきっかけについて教えてください。

私は海外で生まれ、住む場所を何度も変えながら育ちました。そのため、土地ごとの常識に合わせて生きる感覚が自然と身についていたんです。どこかの「普通」に縛られることなく、自分の考えで生きるという軸が、幼少期から育まれていたように思います。

東大に進学したものの、学問の枠内に自分の未来を見出せず、学生時代からビジネスの世界へ。学生団体を立ち上げ、仲間と事業を起こし、お金を得る経験もしました。ですが、大きなお金を失う経験もして…そのとき強く実感したのが、「お金があってもなくても、幸せの本質は変わらない」ということでした。

お金や成功よりも「幸せ」を重視されてきたようですね。

はい。引きこもりのような生活をしながら図書館で本を読みふけっていた時期もあります。そんな時間の中で、私がたどり着いたのは「人は善と悪をあわせ持つ存在だ」という考え方です。

どちらを選ぶかは、自分の選択と努力次第。自分の未熟さで誰かを傷つけたこともありましたし、そこから「強く生きたい」と思うようになりました。

その後、SNSマーケティングに出会い、独学で習得して個人事業主として活動開始。思い切ってオンラインスクール化し、法人化したのが現在の会社の始まりです。

振り返れば、遠回りのようで必要な経験ばかりでした。

会社がここまで急拡大した理由はどこにあると思いますか?

単純に、「ここにいることで人生が良くなる」と感じてもらえる人が多かったのだと思います。やる気さえあれば、いつでも挑戦できる環境です。事業を立ち上げたいスタッフがいれば、私たちは「いいじゃん、やってみなよ」と応援します。

ただひとつ、大事なルールは人の役に立つこと。自由に働ける代わりに、誰かにプラスを生む存在であってほしいと伝えています。やりたいことをどう定義するか、それが人間としての成長の本質だと思っています。

スタッフと価値観を育て合う、柔軟で実践的な組織運営

働くスタッフの主体性や意義づけを重視されている印象ですが、組織としてその考え方をどう浸透させているのでしょうか?

働くスタッフとの関係づくりで私たちが徹底しているのは、「受け入れ」と「向き合い」です。これは、マネージャー層にも必ず伝えている基本のスタンスです。

たとえば「ダラダラしたい」というスタッフがいたら、それを頭ごなしに否定することはしません。まず「そうだよね、ダラダラしたいよね」と共感する。その上で「じゃあ、ダラダラするために今どんな行動をとるべきか?」と問いかけるんです。

すると、自然と「じゃあ今日は営業で成果を出して、早く帰ろう」とか「今これを終わらせれば、自由な時間が作れる」という考えにたどり着きます。

結果として、人の役に立つ行動と一致してくる。本人の価値観を尊重しながらも、私たちの目指す価値創出のサイクルに自然とつながっていくんです。

非常に自由な風土ですが、その中でも大切にしているルールがあるのでしょうか?

「何をやってもいいよ」というのが基本のスタンスですが、ただひとつ、「人の役に立つこと」は絶対条件です。

私たちの組織では、どんな一挙手一投足も他者のリソースを使っていると捉えています。だからこそ、「与えられた以上の価値を返す」という意識を持ってほしいと、常に伝えています。

もし「やりたいこと」が誰かを傷つけるようなものだったら、それは明らかに不健全ですし、自分の人生を不幸にしてしまう。でも、「人を喜ばせたい」「価値を生み出したい」と願って動く人の人生は、確実に豊かになっていきます。

スタッフ一人ひとりがそうした価値観を選び取っていけるように、日々の対話を積み重ねています。

ご自身が仕事をする上で、最も大切にされていることは何ですか?

突き詰めると、「世界に対してどれだけ価値を与えられるか」ですね。価値というのは、自分ではなく相手が決めるもの。「相手が嬉しいと感じてくれること」をどう増やせるか、その一点に集中しています。

それを、あくまでゲームのように楽しく捉えることが大事です。人間の欲求って、実は思っている以上にすぐに満たせるものが多い。だからこそ、「暇になったら、次は世界を良くする遊びをしよう」ぐらいの感覚で、価値創出を続けています。

「人類すべてがギバーになる」ための社会的挑戦

今後、事業や組織をどのように展開していきたいとお考えですか?

私は、今の世界は大きな転換点にあると感じています。それは、これまで人類を支えてきた「人間中心主義」「資本主義」「科学信仰」といった思想が、もはや人を幸福にする装置として限界を迎えつつあるからです。

かつては、頑張れば冷蔵庫が手に入った。けれど今や「野菜室が増えた」程度の変化に、人の心は動かされない。

テクノロジーは進化したのに、幸福度は上がっていない。これは思想や価値観の再設計が必要だというサインです。

では、どんな未来像を描いていらっしゃるのでしょうか?

私たちが目指しているのは、「人を喜ばせることを通じて、自分も喜べる」という価値観が当たり前になる世界です。自己実現や成功を目的にするのではなく、価値を生み出すこと自体を楽しむという発想の転換を広めていきたい。

これはただの理念ではなく、教育と組織マネジメントの仕組みとして実装可能だと考えています。だからこそ、スクール事業では「価値の生み出し方」を叩き込み、マネジメントAIでは組織の中でそれを再現性高く展開できるようにしている。

つまり、人間の能力のベースを底上げし、「全人類がギバーである社会」をつくることが、私たちの本質的な挑戦なんです。

「全人類をギバーに」という言葉が印象的です。どのように実現されようとしているのでしょうか?

ギバーであるとは、人に多くを与える人間であるということ。でもその定義は曖昧なんですよね。結局、与える量や質は能力に依存する。だからこそ、ギバーの輪を広げるためには、人々の能力そのものを高める仕組みが必要なんです。

そのために私たちは、教育とAIの技術を活用して、個人と組織の力を引き上げていく。スクールもマネジメントAIも、すべては「自分の力で価値を生み出せる人」を増やすための手段です。

最終的には、私たちのモデルが「新しい世界のスタンダード」になることを目指しています。これは単なる成長戦略ではなく、人類全体が幸福に向かうための再設計なんです。

経営とは「正解を見つける覚悟」と「全責任を背負うこと」

最後に、これから経営者になる方や、挑戦を始めたばかりの方へ、メッセージをお願いします。

経営という道を選ぶということは、高く険しい山を登る覚悟を持つことです。だからこそ、最初にお伝えしたいのは「自分を変えることを恐れないでほしい」ということです。

成長する、能力を伸ばす、といった話ではありません。自分が最も避けてきたこと、苦手とする価値観、逃げてきた行動。そうした自分の嫌な部分と向き合い、それすら引き受けて変えていくこと。経営者には、その覚悟が求められます。

経営者は、最後の砦です。全スタッフを守るために、全責任を引き受ける存在です。それでもなお、私はこの役割を「ゲームのように楽しめる」感覚でやっています。

厳しい環境でも、理不尽な出来事でも、それを面白い試練として楽しめるかどうか。そのメンタリティこそが、経営を続ける力になる。ぜひ、そんな視点で自分の道を歩いていってほしいと思います。

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