「心を育てる」が組織と世界を変える。SPトランプで自分らしさを解放するコミュニケーションの新しいカタチ
株式会社SORA 代表取締役 角本 紗緒理氏
「自分の本当の特性を知っていれば、もっと楽に生きられたかもしれない」。そんな実体験から、独自のカード教材「サブパーソナリティ(SP)トランプ」を用いた企業研修や講師養成を展開する株式会社SORA。創業から20年を超え、自治体や教育現場、大手企業まで幅広く「主体性とコミュニケーション」の種をまき続けています。母から受け継いだメソッドを武器に、感性とロジックを融合させた経営を実践する角本紗緒理氏に、その歩みと「心を育てる」ことの本質を伺いました。
目次
30年の歴史が裏打ちする「唯一無二のツール」。カードが引き出す組織の主体性
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
弊社は、自社開発の「サブパーソナリティ(SP)トランプ」というカード型の教材を中心に、企業研修やインストラクターの養成を行っています。このツールは私の母が30年以上前に共同開発したもので、現在でも企業、自治体、学校など非常に幅広い分野で活用されています。
最大の強みは、誰でも簡単に「自己理解・他者理解」ができる再現性の高さです。トランプを引くような感覚で、自分の中にいる多様な性格(サブパーソナリティ)を客観視し、共通言語化することができます。これにより、組織内のミスコミュニケーションが劇的に減り、生産性の向上や離職率の低下、さらにはメンタルヘルス対策にも繋がります。小規模な体制ながら、全国に200〜300名の認定講師がおり、彼らと連携して価値を届けています。
――経営理念として掲げている「心を育てる」という言葉には、どのような想いが込められていますか?
「心を育てる」とは、弊社において「主体性とコミュニケーション力を高める」ことだと定義しています。この二つは車の両輪のようなもので、自ら考え動く力と、他者と豊かに関わる力が合わさることで、人は自立し、高い成果を出せるようになります。これは社員も私も含め、一生涯かけて取り組むべきテーマだと考えています。
偶然から始まった起業。自らの「特性」を知ることで開けた、成長への情熱
――経営者になられた経緯を教えてください。
実は、最初から起業を目指していたわけではないんです。新卒で人材派遣会社に入社し、2年目の時に出会ったベンチャー企業の社長さんに「留学するより起業したほうが勉強になるよ」と言われ、面白そうだなと勢いで会社を作ってしまったのがスタートでした。
最初は「何をするか」も決まっておらず、周りから「お母様が開発したあのツールを扱うべきだ」と背中を押されました。実際に講師として受講生が変わっていく姿、企業が活気づく様子を目の当たりにする中で、「人の成長に携わること」が自分の天職だと確信していきました。
――ご自身の経験から、SPトランプの重要性を痛感されたエピソードがあるそうですね。
私自身、このメソッドで自分を分析してみると、かなり偏ったタイプであることが分かりました。学生時代や新卒時代、なぜコミュニケーションがうまくいかなかったのか、自分の適性がどこにあるのかが、ツールを通して明確に裏付けられたんです。「これをもっと早く知っていれば、もっと自分らしく活躍できたのに」という強い実感が、今の事業を広める原動力になっています。
「フラットな対話」が個性を生かす。チャレンジを尊ぶ組織の文化
――組織運営で意識していることを教えてください。
自社の社員にも、自分の特性を生かした働き方をしてほしいと願っています。私が不在がちなこともありますが、基本的にはフラットで、何でも話し合える環境作りを心がけています。
小さな会社ですので、業務範囲を限定せず、新しいことにどんどんチャレンジする気質を大切にしています。一人が一つのことだけをやるのではなく、多様な業務に触れる中で自分の強みを再発見してほしい。そんな「自ら楽しんで取り組む姿勢」を何より尊重しています。
1万人の指導者養成へ。AIとアナログを融合し、世界平和への一歩を刻む
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
中長期的には、インストラクターを1万人まで増やしたいという大きな夢があります。現在、AIやオンライン化が急速に進んでいますが、テクノロジーを活用してより多くの方に認知していただける仕組みを作っていきたいと考えています。
これまでは紹介やリピート中心の運営でしたが、今後は外部のプロの力も借りながら、より積極的に販路を拡大していきます。私一人の力ではなく、志を同じくするパートナー講師の皆さんがもっと活躍できる場を広げていくことが、今の私の使命です。
人が主体的に動き、お互いを尊重し合えるようになれば、会社だけでなく世界も良くなる。大げさかもしれませんが、そんな「世界平和」の土台を、心を育てる教育を通じて作っていきたいですね。
伝統と感性が響き合う。詩吟に見出す「生涯の学び」と「健康な心」
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
詩吟を始めて6〜7年ほどで、現在8段まで来ました。来年は9段に挑戦し、師範を目指してコンクールにも出場する予定です。詩吟は喉を痛めにくくする発声の助けにもなります。
かつての先生は95歳まで現役で、引退会見で「80歳の若手に譲る」とおっしゃるような、驚くほどお元気な方々ばかりの世界です。お腹から声を出し、歌詞を覚え、人前で披露する。これは、まさに「生涯の趣味」であり、「心を育てる」一つの形だと思っています。