対話から、組織と人の可能性をひらく――経営・法律・心理の専門性を生かした伴走支援
Confidante Consul 行政書士・中小企業診断士・産業カウンセラー 大槻 美菜 氏
行政書士、中小企業診断士、産業カウンセラーとして、経営・法律・心理の三つの側面から企業を支援している大槻氏。現在は、組織課題や人材育成を中心としたコンサルティングとして活動しながら、企業や組織の中にある人間関係、コミュニケーションの課題に向き合い、一人ひとりが力を発揮できる環境をつくっている。その原点には、会社員時代から抱き続けてきた「なぜ組織は変わらないのか」という問いがありました。
経営・法律・心理を横断し、組織の課題に向き合う
――現在の事業内容について教えてください。
もともとは行政書士として独立しました。現在は、行政書士業務では、法人設立やその後の支援、契約書の作成、知的資産経営支援業務などを扱っています。
一方、コンサルティングでは、組織課題や人材育成に関するご相談が増えています。業種は特定していませんが、比較的BtoBの中小企業のお客さまが多いです。
契約の形もさまざまで、顧問契約を結ぶ場合もあれば、年間単位でご依頼をいただく場合、研修やワークショップ、社員の方との一対一の面談を単発で行う場合もあります。企業ごとに抱えている課題や求めているものが異なるため、それぞれの事情に合わせて支援内容を組み立てています。
――ご自身の強みは、どのような点にあると考えていますか。
行政書士、中小企業診断士、産業カウンセラーの資格を持っており、法律面、経営面、心理面という、三つの領域から総合的に支援できることが強みです。心理学については、20代の頃から興味があり、良い講座や先生がいれば、国内外問わず出かけていき、かなり深く学んできました。
また、調停という紛争解決に関わる仕事もしています。そこで得た対話促進型調停のファシリテーションスキルや紛争構造に関する学びや経験は、組織内の人間関係やコミュニケーションを改善するための支援にも大いに生かされています。
対立や行き違いが起きたとき、単に表面的な問題を解決・処理するのではなく、背景にある事情も見ながら、関係性の改善や目的に照らし合わせた問題解決を支援できる点は、私ならではの専門性だと思っています。
研修で理論を伝えるだけではなく、ワークショップを通して一緒に手を動かすことで、組織に変化を起こす方法もあります。レゴ®シリアスプレイ®メソッドを活用したワークショップの認定ファシリテーターとしても活動しており、社員さんひとりひとりの言葉にならない思いや感情、価値観や認識を、可視化して対話につなげるお手伝いもしています。
組織への疑問から始まった、独立への道
――経営者として歩み始めたきっかけを教えてください。
会社員として約8年間働きました。常に仕事そのものは楽しかったのですが、組織に対して疑問を感じることは多かったです。
「なぜこの仕組みなのか」「誰もが不満を抱えているのに、なぜ変えないのか」などと、さまざまなことが気になっていました。
あるとき、親しかった先輩から「そんなことを気にしていたら、会社員はやっていけないんだよ」と諭され、本当にその通りだと腑に落ちて、会社員を辞める決断をしました。そこから約1年間、行政書士の資格取得に向けて勉強し、「行政書士になります」と宣言して退職しました。
――仕事をするうえで、譲れないことは何ですか。
いろいろあるように思いますが、真っ先に思いつくのは「楽しいかどうか」です。娯楽的な楽しさという意味ではなく、真剣な楽しさです。好奇心を持てること、本気になれること、納得感があること、やりがいを感じられること。これらが自分にとっての楽しさです。
お客さまが描いているビジョンや未来を一緒にイメージして、その実現に向けて伴走させていただく今の仕事には、心から魅力を感じています。応援したいと思える方と、その方が目指す会社や社会の実現のために何をしたら良いか何をすべきか、一緒に考え、悩み、取り組む時間は、何にも変え難いやりがいのある時間です。
人間関係を変える力を、組織と社会へ
――休日や仕事から離れた時間は、どのように過ごしていますか。
子どもが二人いて、サッカーやスイミングなど習い事をしているので、土日は試合の応援や送迎などで動き回っていることが多く、休みの日の方が忙しいくらいです。
また、小・中・高校での法教育にも取り組んでいます。対話やコミュニケーション、いじめや交渉をテーマにした出前授業です。
人とのトラブルや行き違いをどのように乗り越えるか、関係性をどう築くか、集団の中でより良い結論を導くにはどうしたら良いか、自分の人生を自分の力で切り開くための知識やスキルを身につけられるよう、出前授業を行っています。
――今後、どのような事業に力を入れていきたいですか。
これまでの仕事の経験から、「コミュニケーションが変われば、人が変わる!組織が変わる!」という実感を得て、組織開発と人材育成の支援に、より力を入れていきたいと考えています。どうすれば一人ひとりが、それぞれの力を発揮しながら組織としてのパフォーマンスを高めていけるのか、コミュニケーションや関係を改善し、チーム全体の力や生産性を高める、いわば「共創力」を高める支援に力を入れています。
――どのように取り組みを展開していますか。
最近、人生で初めての単著『結局、ストレートな意見が飛び交う会社が成功する! 心理的安全性の高い組織の育て方』を出版しました。経営者、人事担当者、管理職など、組織を運営する立場の方に向けて書いた本です。実体験に基づき、わかりやすい内容を心がけて書きました。人と組織のことでお悩みの方に届けば嬉しく思います。
出版記念イベントも開催し、書籍や対話の場を通して、組織の課題を抱えている方に活動を知っていただきたいと考えています。
最終的には、組織や人のことで困った際に、最初に思い出してもらえる存在になりたいです。