「髪の病院」として、地域のお客様に寄り添う――株式会社b&h7が目指す“オンリーワンサロン”
株式会社b&h7 代表 早川 孝氏
愛知県一宮市で美容室を運営する株式会社b&h7。30代後半から40代、50代の女性を中心に、髪のダメージやヘアスタイルの悩みに寄り添い、ケアを重視したサービスを提供しています。一方で、髪を健やかにするだけでなく、お客様が望むヘアスタイルを実現することにも力を入れています。スタッフとお客様の「幸せ」を大切にする早川孝氏に、事業へのこだわりや経営の考え方、今後の展望について伺いました。
「大人女子専門の髪の病院」として、髪の悩みに向き合う
――現在の事業の特徴や、他の美容室にはない強みについて教えてください。
一言で言えば、ヘアケアサロンです。「大人女子専門の髪の病院」というキャッチコピーで、30代後半から40代、50代の女性をメインターゲットにしています。
この年代のお客様は、若い頃にカラーやパーマ、エクステなど、髪に負担がかかる施術を繰り返してきた方も多く、年齢を重ねるにつれてダメージが蓄積し、毎日のスタイリングがしづらい、髪のダメージが気になるといった悩みを抱えています。そこで、髪のケアについてしっかり勉強し、お客様の現状に合わせた情報提供やケア方法の提案を行っています。
――お客様への情報提供では、どのようなことを大切にされていますか。
新規のお客様には、最初にコミュニケーションシートを書いていただきます。現在の髪の悩みやヘアスタイルの要望を伺ったうえで、当店は現状を把握し、それに対するケア方法などを情報提供するお店だと最初にお伝えしています。必要以上の情報提供を望まれない方には、その意思を確認できるようにもしています。
また、美容室に来る理由は、悩みを解決することと、「こういうヘアスタイルにしたい」という希望を実現することの二つがあると考えています。ケアだけでは片手落ちだと思い、10数年お世話になっている東京・南青山の講師の方を招き、2カ月に1回、講習を行っています。最新の情報や技術、トレンドを学び、一宮にいながら最新のヘアスタイルを提供できるよう努めています。
スタッフとお客様の「幸せ」をつくる
――経営理念や、会社として大切にしている考え方を教えてください。
まずはスタッフが幸せになることです。働くスタッフが毎日楽しく仕事ができる環境でなければ、お客様に笑顔で接することも難しいと思います。だからこそ、スタッフ自身が毎日楽しく、ハッピーに、豊かになってもらいたいと考えています。
もう一つは、地域密着型のお店として、一宮界隈のお客様に幸せになってもらうことです。ヘアスタイルは、その人の幸せに大きく関わるものだと思っています。朝、短時間で髪型が思い通りに決まれば気分も上がり、その日を前向きに過ごせる。自分に自信がつけば、仕事や人との出会いなど、さまざまなことにも積極的になれると思うんです。
――スタッフとのコミュニケーションで大切にしていることは何でしょうか。
常にお客様目線で考えることです。スタッフに何かを伝えるときも、「あなたのここが嫌だ」というように個人的な感情を持ち込むのではなく、「お客様から見たときに、こうしたほうがいい」「こうするとお客様が不快に感じる」という視点に絞っています。
これは私自身に対しても同じです。もし私がお客様から見ておかしなことをしていたら、スタッフからも注意してほしいと伝えています。オーナーだから上、スタッフだから下という上下関係ではなく、それぞれが役割を担う仲間だと考えています。
美容師ではなく「経営者」として、働く環境をつくる
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
もともとはサラリーマンで、美容室にパーマ剤やシャンプーなどの商材を卸すメーカーに12年間勤めていました。実家のある京都では母が美容室を経営しており、もともとは自分も美容師になり、東京などで修業してから京都に戻ってお店を持つというイメージがありました。
しかし、仕事を通じて北海道から沖縄までさまざまなサロンを見させていただく中で、美容師はお客様に夢を与える仕事であり、指名されることにも大きなやりがいがあると感じました。そして、自分自身が技術者になるのではなく、働く場所をつくり、経営する形でこの仕事に携わりたいと思うようになりました。36歳のときにメーカーを辞め、起業しました。
――経営判断をする際に、大切にしていることはありますか。
とにかく情報を収集することです。一つの事柄でも、人によって考え方や意見は違います。さまざまな情報を知っていないと判断できないので、業者の方から電話をいただいた場合も、どんな情報を伝えてくれるのかをまず聞くようにしています。
特に美容と健康をテーマにしているお店なので、その分野については常にアンテナを張り、情報をアップデートすることを大切にしています。新しい商材についても、実際に使い込んでみなければ本当に良いものなのか分かりません。そうしたところには日々お金をかけています。
「なくてはならないサロン」を目指して
――今後取り組んでいきたいことや、現在の課題について教えてください。
地域の方にとって「なくてはならない」、そしてお客様一人ひとりにとってのオンリーワンサロンになりたいです。「美容室ならセブン」と思っていただけるような価値を持ち続けたいと考えています。
そのためにも、今のままで良いとは考えていません。特に美容と健康に関する情報を常にアップデートし、お客様に確かな情報を伝えられるお店でありたいと思っています。インターネットにはさまざまな情報がありますが、正反対の内容が出てくることもあります。その中から何を信用するのかを判断するための物差しを持つことが大切です。「セブンに行けば、美容と健康について確かな情報を教えてもらえる」と思っていただけること自体が、価値になると考えています。
――現在の課題はどのようなところにありますか。
スタッフの人数が、今の状況からするともう少し必要だと感じています。年間を通して求人を出しており、面接も行っていますが、なかなか採用までには至りません。
美容業界は人材不足でもありますし、誰でも良いというわけではありません。人数が足りている状況でも「この人と一緒に仕事をしたい」と思える方であれば採用するようにしています。採用したいのは、感謝の気持ちを持っている人です。「当たり前」という言葉があまり好きではありません。今まで当たり前だと思っていたことも、決して当たり前ではない。そう考えて毎日を過ごすと、自然と心が豊かになり、ハッピーな気持ちになれると思います。そういう気持ちを持っている人と一緒に働きたいですね。