「できない」で終わらせない――理学療法士が描く、在宅生活を支える仕組み

合同会社リハビリフォーム 代表 四十物谷 潤氏

合同会社リハビリフォームは、住宅改修・バリアフリーリフォーム、訪問看護・リハビリ、福祉用具のレンタル・販売を展開しています。代表の四十物谷潤氏は理学療法士で、利用者の身体状況や生活環境を踏まえて支援を提案し、住宅改修では自ら施工まで担っています。本記事では、創業の背景や事業への思い、地域介護の未来について伺いました。

理学療法士の視点から、在宅生活を総合的に支える

――現在の事業内容について教えてください。

当社では、「住宅改修・バリアフリーリフォーム」「訪問看護・リハビリ」「福祉用具のレンタル・販売」の3つを軸に事業を展開しています。

一見すると別々の事業のようですが、すべて「その方が自宅で生活を続けるために何が必要か」というところでつながっています。

――御社ならではの強みは何でしょうか。

理学療法士として身体を評価するところから、福祉用具の選定、住環境の提案、住宅改修の施工まで一貫して関われることです。

たとえば手すりを設置するときも、単に取り付けるのではなく、立ち上がりや移動など実際の動作を見て、位置や高さを考えます。身体を見るだけで終わらず、そこで見つけた課題を福祉用具や住宅改修という具体的な形にできることが、当社の特徴だと思っています。

病院で感じた歯がゆさが、在宅支援の原動力に

――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。

病院で理学療法士として働いていた頃、「もう少し長く関われたら」「もっと早く出会えていたら」と歯がゆさを感じることがありました。

また、今振り返ると、当時の私は在宅生活について十分な知識を持っていなかったと思います。身体状況を見て「自宅に帰るのは難しい」と考えていた方でも、今なら住宅改修や福祉用具、在宅サービスを組み合わせることで、違う選択肢を提案できるかもしれません。

もちろん、すべての方が自宅に戻れるわけではありません。ただ、最初から「難しい」と決めるのではなく、「どうすればできるのか」を考えてから判断することが大切だと思っています。その思いが、現在の事業につながっています。

在宅で知った「その人の暮らし」

――現在の事業の形は、どのような経験から生まれたのでしょうか。

独立後は、住宅改修の施工技術を身につけるため、工事の修行に入りました。その頃、施工後に利用者さんからお茶を出していただき、ご家族のことなど何気ない話をしたことがとても印象に残っています。

病院では「患者さん」として接していた方も、自宅では1人の「生活者」です。身体だけではなく、その方がどのような場所で、どういった暮らしをしているのかを見るという経験と、病院で培った専門性、施工技術がつながって、現在の事業の形になりました。

――事業を行ううえで大切にしていることは何ですか。

当社では、「やるか、どうやるか」という考え方を大切にしています。最初から「できない」と結論づけるのではなく、専門職として安全性やリスクを評価したうえで、実現するために何ができるのかを考えるという姿勢です。

福祉用具を使ったらどうか、住環境を変えたらどうか、在宅サービスを組み合わせたらどうか――「できるか、できないか」だけではなく、「どうすればできるのか」を考えることが、私たちの役割だと思っています。

石狩市に必要なものを形にしていく

――今後の展望を教えてください。

最終的には、私自身が暮らす北海道石狩市で、安心して老後を過ごせる環境をつくっていきたいと考えています。

現在は、地域のケアマネジャー不足を感じることもあり、居宅介護支援事業所の開設も構想しています。ただ、事業を増やすこと自体が目的ではありません。住宅改修も福祉用具も訪問看護・リハビリも、目の前の方や地域に「何が必要なのか」を考えるなかで生まれてきました。

これからも、地域に足りないものがあるなら、どうすればつくれるのかを考えていきたいと思っています。「できない」で終わらせず、1つずつ形にしていける会社でありたいです。

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