地方企業の営業を「自走できる組織」へ――セカイアカリツナギが目指す、日本と世界をつなぐ経営
株式会社セカイアカリツナギ 代表取締役 八木 優氏
株式会社セカイアカリツナギは、地方の中小企業を中心に営業支援を行っています。単に営業活動を代行するのではなく、営業組織の仕組みやノウハウ、文化を社内に残し、支援終了後も企業自身が営業活動を続けられる体制づくりを重視していることが特徴です。代表の八木優氏に、現在の事業や起業までの歩み、地方企業への思い、今後描いている展望について伺いました。
地方企業に残る「営業の仕組み」をつくる
――現在の事業内容について教えてください。
主に地方の中小企業に対して営業支援を行っています。特に建設業や太陽光関連など、人材不足を抱えている企業のお客様が多いですね。
人を新しく採用するのではなく、私自身が営業部長のような立場で会社に入り、営業組織をつくって売上を伸ばしていく形で支援しています。単純な営業代行ではなく、新規のリード獲得から商談、その後の営業フローまで一緒につくっていきます。
――一般的な営業代行との違いはどこにありますか。
以前、私自身も約6年間営業代行に携わり、新規事業の立ち上げなどで営業活動を幅広く担当してきました。その中で感じていたのが、外部の営業会社が成果を出しても、そのノウハウや営業の文化がクライアント企業の社内に十分残らないケースがあるということです。
CRMに情報を残しても、それが社内で活用されなければ、外部への委託を終えた後にまたゼロから営業を始めることになってしまいます。特に中小企業では、営業代行に費用をかけたものの成果が出ず、さらにノウハウも残らなかったという声を耳にしてきました。
だからこそ、私は社内に仕組みやノウハウ、営業の文化そのものが残る形を大切にしています。私が抜けた後も自分たちで営業を続けられる会社になれば、その会社はより強くなると考えています。
――支援する範囲も幅広いのでしょうか。
営業から入ったとしても、そこからマーケティングや採用、経営上の課題が見えてくることがあります。私にできることであれば対応しますし、難しければ既存のパートナーをご紹介します。
外部の支援会社というより、一つの事業部の部長として扱っていただくような感覚です。営業代行やコンサルティングだけでは手が届きにくいところまで入り、何でも相談してもらえる存在を目指しています。
試行錯誤の末に見つけた、自分自身の強み
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
大学卒業後は、普通に会社員として働けばいいと思っていました。最初に入った会社では、在宅医療に関わる仕事をしていました。その仕事の中で、自分より10歳、20歳上の方が若くして亡くなる場面に触れることがあり、22歳頃に「自分の人生はこのままでいいのだろうか」と考えるようになったんです。
会社に不満があったわけではありません。ただ、自分が本当にやりたいことをもっと突き詰めたいと思い、会社を辞めました。それ以来、自分の人生を生きるなら、自分で仕事をつくって起業したいという思いを持ち続けていました。
――そこから独立までは、さまざまな挑戦をされたそうですね。
YouTubeやTikTokなど、当時考えられることはかなり試しました。友人と本格的にYouTubeに取り組み、男性向けの恋愛をテーマにしたチャンネルを運営したこともあります。ただ、なかなか成果にはつながりませんでした。
その後も副業などを続け、30歳の頃、コロナ禍をきっかけにオンラインでも営業代行ができる環境になりました。当時仕事で関わっていた営業代行会社から「案件を渡すから独立してみないか」と声をかけていただき、個人事業として独立しました。
それまで起業するためにいろいろなことを試しましたが、最終的に仕事になったのは、会社員時代から続けてきた営業でした。自分にとって当たり前だったものが実は強みだった。その経験から、自分の強みは自分では案外分からないものだと実感しました。
地方から会社を強くし、日本を元気にしたい
――今後、特に支援していきたい企業について教えてください。
年商1億円から30億円ほどの地方企業を中心に支援していきたいと考えています。
地方に住み、東京や神奈川で働いた経験もある中で、インターネットやAIが普及した今でも、都市部と地方には情報格差があると感じています。東京では当たり前に行われていることを地方へ持っていくだけでも売上につながる可能性があるのに、情報が届かなかったり、最初の一歩を踏み出せなかったりする企業があります。
「地方だから仕方がない」と経営者の方が諦めてしまう状況を変えたいんです。人を採用できなかったとしても、今はAIなども活用できます。仕組みをしっかりつくれば、地方企業でも売上を伸ばしていけると考えています。
――今後の会社としての展望はいかがでしょうか。
営業だけでなく、それぞれの専門家とチームを組み、一つの会社を多方面から支援できる体制をさらに強化していきたいです。大手企業や一般的な営業代行、営業コンサルティングでは対応しにくい領域まで手を伸ばし、何でも相談していただける存在になりたいと思っています。
3年後には年商3億円、10年後には自社で10億円ほどの規模をイメージしています。
ただ、自分たちが10億円になること以上に、私たちが関わった企業が成長し、その結果として周囲に100億円以上の価値が生まれている状態をつくりたいと考えています。
自社だけが成長するのではなく、クライアント企業と一緒に成長し、その先にいる人や地域にも価値が広がっていく。これは、会社として目指している姿であると同時に、私自身が経営をする上で大切にしている価値観でもあります。
「日本から世界へ明かりをつなぐ」会社へ
――会社を通して、社会をどのように変えていきたいですか。
「株式会社セカイアカリツナギ」という社名には、日本から世界へ明かりをつないでいきたいという思いを込めています。
まずは地方の企業を元気にしたいですね。売上を伸ばす支援だけでなく、地方で行われている良い取り組みを応援したり、地域を盛り上げる活動を支援したりすることにも関わっていきたいと思っています。
将来的には海外にも視野を広げ、アメリカにも会社を持ちたいと考えています。幼少期に親の仕事の関係でアメリカに住んでいた経験があり、以前から海外で仕事をしたいという思いがありました。日本と海外の架け橋となり、日本の文化や良いものを海外へ届けるなど、人や価値をつないでいく仕事をしていきたいですね。