「自分の心は、自分で整えられる」――ホリスティックケア協会が届ける、前向きな生き方
一般社団法人ホリスティックケア協会 代表理事 森 由佳子氏
一般社団法人ホリスティックケア協会は、悩みや不安を抱えたとき、自分で心を整え、前向きな一歩を踏み出すための講座を提供しています。中心となるのは、書き込み式ワークブック「キラリノート」を活用した独自のメソッドです。2015年の設立以来、心と身体のつながりに目を向け、誰もが実践しやすい方法を追求してきました。代表理事の森 由佳子氏に、事業の原点や大切にしている想い、今後の展望について伺いました。
目次
心と身体のつながりから生まれた「自分で整える」という発想
――協会を立ち上げたきっかけを教えてください。
私は20年以上、セラピストとして活動してきました。その中で、悩みや苦しさを抱え、心の状態が身体の不調にも影響しているように感じるお客様に、数多く出会いました。その方たちのために何かできないかと考えていたとき、私自身も悩みを抱える中で、ある心理学に出会い、心が晴れやかになる経験をしたんです。
この方法を、誰もが簡単に実践できる形にできないか。そう考えてワークブックを作り、より多くの方に届けたいと思ったことが、今の事業の始まりです。
―「ホリスティックケア」という名称には、どのような想いが込められていますか。
心と身体を切り離さず、包括的に捉えたいという想いがあります。悩みが身体に影響することもあれば、体調が悪いことで気持ちが沈むこともありますよね。どちらか一方だけではなく、心と身体の両面から整えていく。その考え方を名称にも込めています。
――経営の道に進まれた背景も教えてください。
20代前半で有限会社を経営することになり、30代でセラピストとして起業しました。仕事を続ける中で心理学への関心が深まり、大学でも学び直しました。さまざまな方法を学び、自分でも実践しながら、誰にでも分かりやすく、取り組みやすい形を追求してきました。その積み重ねが、今のメソッドにつながっています。
書いて、気づいて、実践する「楽観脳」のメソッド
――現在の事業について教えてください。
悩みや不安に直面したとき、自分で心を整え、前向きな一歩を踏み出すための「楽観脳の創り方メソッド」を伝えています。
ここでいう楽観とは、ただポジティブに考えることではありません。自分を信じ、未来に希望を持ち「きっとできる!」と自分の可能性を信じながら、自分らしい人生を切り開いていくための考え方です。
誰かに整えてもらうのではなく、「自分で自分の心を整え、立て直せるようになること」が何より大切だと考えています。
――「キラリノート」は、どのように活用するのでしょうか。
質問に答えたり、当てはまる項目に印をつけたりしながら、自分の気持ちや考えを整理していきます。内容は5つのカテゴリーに分かれていて、書き込むだけでなく、さまざまなワークも取り入れています。
講座はオンライン形式で、動画を見ながらキラリノートに書き込み、ワークを実践していきます。「見て、気づいて、実践する」ことを大切にしているんです。
私自身が学び、実践し、試行錯誤を重ねて作った独自の内容で、難しい理論を意識しなくても取り組めるよう工夫しています。より良い方法を届けられるよう、内容も継続的に見直しています。
起業している女性の悩みに寄り添い、心の声を聴く
――どのような方が講座を利用されていますか。
現在は主に、個人事業主やフリーランスなど、起業している女性に向けて提供しています。
私自身も長く事業を続けてきたので、「頑張っているのにうまくいかない」「先が見えず不安」「人と比べて落ち込んでしまう」といった悩みを聞く機会が多くありました。人間関係の悩みも少なくありません。
参加された方の中には、人の目を気にしていた状態から気持ちを立て直し、売上が上がったと話してくださった方もいます。まずは、自分の気持ちに気づき、向き合うことが変化への出発点になると感じています。
――利用する方とのコミュニケーションで大切にしていることは何ですか。
まず、その方が今、何に悩んでいるのかを丁寧に聴くことです。同じ言葉でも、受け止め方は人によって違います。相手がどんな気持ちでいるのかを考え、言葉のかけ方にも気を配っています。
一人ひとりの想いを大切にしながら、自分の気持ちに向き合い、自分なりの答えを見つけられるよう寄り添いたいですね。
試行錯誤を重ねながらも、仕事は「楽しみながら」
――事業を続ける中で、苦労されたことはありますか。
以前は法人向けの活動もしていましたが、大きな企業をご紹介いただいた際、自分の対応できる範囲を超えてしまい、十分に取り組めなかったことがありました。悔しい経験でしたね。
また、コロナ禍を機にオンラインへ切り替えると、同じような分野で活動する方も増えました。SNSでの発信も得意ではなく、どう伝えればよいのか苦労しました。
今はポータルサイトを活用しながら、対面での活動も大切にしています。自分に合った方法を見つけ、無理なく続けていくことも必要だと思います。
――活動する上で譲れない価値観を教えてください。
「楽しみながら取り組むこと」です。仕事も事業も、楽しくなければ続けるのは難しいと思うんです。自分の好きなことに、自分に合った方法や時間で取り組めることを大切にしています。講座やワークも、楽しみながら実践できる内容にしたいですね。
私自身、悩んだときには自分で作ったワークを使います。何度取り組んでも、新しい気づきがあるんですよ。
子どもから大人まで、自分らしく歩める社会を目指して
――今後、特に力を入れたいことは何でしょうか。
まずは「キラリノート」をもっと多くの方に届け、認定講師も増やしていきたいです。認定講師は、実際に講座を体験し、その良さを感じてくださった方に担っていただいています。自分自身で実践した経験があるからこそ、その価値を人にも伝えられると思うんです。
また、「マインドジム」も充実させたいですね。スポーツジムのように、心を整えるワークやカリキュラムの中から、自分に合ったものを好きなときに選べる場を考えています。専門家の方にも協力をお願いし、紹介や口コミを通じて広めていきたいです。
――子ども向けの展開についても構想があるそうですね。
実は、もともとは子ども向けに取り組みたいという想いがありました。まずは大人向けから始めましたが、今後は子どもたちが幼い頃から自分で心を整える方法を身につけられるよう、子ども向けの内容も充実させていきたいです。
親御さんからも「子どもにも取り組ませたい」という声を多くいただいています。先生や保護者の方にも意見を伺い、子どもたちと直接関わる方々と一緒に内容を考えていきたいですね。
その先には、法人向けの活動を再び広げていくことも見据えています。
――最後に、読者の皆さんへ伝えたい思いをお願いします。
悩みや苦しさを抱え、どうしていいか分からず立ち止まっている方にこそ、自分で心を整える力を届けたいです。
自分の心を自分でメンテナンスし、再び前を向けるようになれば、人生はもっと充実し、楽しめるものになると考えています。
一人でも多くの方が自分らしく生き、自分の望む未来に向かって歩んでいけるように。これからも「自分の心は、自分で整えられる」という想いを大切に、この取り組みを続けていきたいですね。