美容師自身がセルフケアに使いたくなるヘアケアブランドを目指して――“現場起点”へのこだわりが生み出すノークスのブランド戦略

株式会社ノークス 代表取締役 城戸 夏樹氏

株式会社ノークスは、美容師が気に入ったものをお客様に提案するというサロン専売品の原点に立ち返った発想をもとに、ヘアケアブランド「IPSCISS(イプシス)」を展開する新進企業です。

代表の城戸夏樹氏は、研究開発職から独立し、“ものづくりの在り方”を再定義する挑戦に踏み出しました。既存メーカーでは拾いきれなかった「現場の美容師自身が抱える悩み」を軸に、開発から販売までを一貫して手掛け、ブランドの価値を自ら構築しています。

変化の激しい美容業界で、城戸氏が追求するのは「世の中にない価値をつくる経営」。本記事では、創業の原点やブランド戦略、そして今後の展望について、その挑戦の裏側を伺いました。

美容師が本当に使いたいものを届ける――ブランド誕生の背景

――事業内容や特徴について教えてください。

当社では、ヘアケアブランド「IPSCISS(イプシス)」を中心に、美容室向けの製品企画・販売を行っています。

主な販売経路は3つあり、美容室への直接販売、美容ディーラーを通じた卸販売、そして自社ECサイトによる一般顧客への販売です。

BtoBとBtoCを横断する形で、ブランドの世界観を幅広く発信しています。

――なぜ美容師向けのセルフケア商品に着目されたのですか。

以前勤めていたメーカーも含めて一般的なメーカーでは、最終ユーザーを意識して商品をつくるのが主流で、美容師自身にフォーカスを当てて開発されている商品はほとんどありませんでした。

ただ、実際に売れ続けるのは、美容師自身が気に入って勧められる商品です。そこで“まずは美容師が自ら使いたくなるもの”を起点に設計すれば、結果的にお客様にも自然と広がると考えました。

美容師の深い悩みに寄り添うことが、最も実用的で信頼される製品づくりにつながると思っています。

「自分が作りたいものを作る」――独立に至った経緯

――独立のきっかけを教えてください。

前述のように、現場で感じるリアルと開発のプロセスとの間には、どうしても埋めきれないギャップがありました。

そのジレンマを抱える中で、「組織で働く以上、自分の理想を100%の形で追求するのは難しい」と実感することが増えていったんです。

だったらいっそ、自分が本当に作りたいものに、真っすぐ向き合える環境に身を置こう。
その結論にたどり着き、独立という選択に繋がりました。

――経営のうえで大切にしている考え方はありますか。

大切にしているのは「世の中にない価値を生み出すこと」。流行や数字に左右されず、少しの遊び心を加えながら新しい発想を形にしていくことです。

奇抜すぎず凡庸でもない“ちょうどいいバランス”を見つけることが、クリエイティブの本質だと考えています。

“都市のイメージ”と連動するブランドの世界観

――「イプシス」ではどんなコンセプトで商品を展開していますか。

「イプシス」は、“商品のコンセプトと具体的な都市を紐づける”という独自の発想で商品を展開するブランドです。

第一弾の「OSD09」は、ダメージの多様性に着目したラインとなっており、街を訪れる人などから多様性とフィットする表参道をテーマにしました。“09”は朝9時を意味し、表参道に出勤する美容師が見る朝の風景をイメージしており、唯一無二の世界観を構築しています。

そのストーリーと香調をリンクさせることで、単なるヘアケア製品ではなく、記憶や感情に訴えるプロダクトに仕上げました。

――香りやデザインなど、こだわりのポイントを教えてください。

香りはブランドの核です。一般的な香料にとどまらず、没入感のある香りを追求しています。

今後はディフューザーや香水、ハンドクリームなど香りを軸にしたラインへも展開する計画です。

美容室発のブランドとして、香りの表現にここまで踏み込む企業はほとんどありません。世界観ごと届ける製品づくりを続け、単に香りの良し悪しだけでなく世界観も含めたファンになっていただきたいと考えています。

ブランドを育てる“次の一歩”

――今後の展望について教えてください。

現在は1人で事業を進めていますが、今後は営業やマーケティング人材を採用し、販売チャネルを強化していく方針です。

表参道に続き、他のエリアの文化や空気感を香りに落とし込んだ新シリーズも構想しています。土地ごとのストーリーを重ねることで、より立体的なブランド展開を描いていくつもりです。

――組織づくりで重視していることはありますか。

人数が少ないからこそ、発想力と主体性を持つ人と仕事をしたいです。

与えられた仕事をこなすだけではなく、自分からアイデアを出し、新しい価値を提案できる人。採用の際には履歴書だけでなく、“おもしろい視点”を持っているかを重視したいと思います。

発想のユニークさが、当社の競争力の源泉になると考えています。

すべての瞬間が創造の源になる

――リフレッシュ方法や仕事との向き合い方について教えてください。

休日という感覚はあまりなく、街を歩くときも自然とデザインや空間を観察してしまいます。唯一のリセット時間は夜にYouTubeのお笑い番組を流すこと。気持ちを緩めることで、翌日の発想が冴える気がします。

仕事とプライベートを切り離すのではなく、すべてを創造の延長に置く。その意識が、ブランドを支えるエネルギーになっています。

小さな気づきを積み重ね、これからも新しい発想を生み出していきたいと思います。

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