“フロントエンドの力で課題を解く”──KIDOLINが築く21年の技術基盤と価値創造

ホームページ制作から始まり、現在はシステム開発・UI設計・広報デザインまで幅広い領域を手がける株式会社KIDOLIN。同社を率いる松野義幸代表は、21年間にわたり積み重ねてきた技術と経験を基盤に、「使い続けられる仕組み」を大切にした開発を進めてこられました。KIDOLINが重視しているのは、技術そのものよりも“使い手が迷わず活用できる環境を整えること”です。本記事では、事業の特徴や理念、そして現在取り組んでいる方針について伺いました。

フロントエンドから生み出す、“使いやすさ”と“運用しやすさ”の価値

まず、現在の事業内容と特徴について教えてください。

当社は、ホームページ制作とシステム開発を主軸に、紙媒体のデザイン、商店街を中心とした地域の活性化活動など、幅広い領域でお客様の課題解決に携わっています。特に強みとしているのがフロントエンド領域です。黎明期からインターネットサービスやUIの変遷に触れてきた経験があるからこそ、「どう作れば使いやすく、どう設計すれば運用しやすいか」をコンテンツやサービス形態に合わせて理論として把握しています。

システム会社さんが苦手としがちなUI部分についても、キレイなデザインを作るだけでなく、実際の開発工程に落とし込めるかどうかまで考えて設計するため、“要望を実現でき、迷いにくい仕組み”を提供できるのが強みです。

開発の際に、どのような価値提供を意識されていますか?

いわゆる“コンサル”といわれる事もあるのですが、あくまでもお客様と開発の間に立って丁寧に作り上げる工程を付加価値のひとつとしています。具体的には、クライアントの目的を細かくヒアリングする事、バックエンドの詳細設計についてもすべて把握して目的にしっかりたどり着けるものを提案できるようにします。よく打合せ現場で交わされるのは「フロント側をこう作るとシステムの改修やUIのアップグレードが容易になります」「要望を全て盛り込むよりシンプルにする事で費用対効果が上がります」といったように、複雑になりがちが仕様や工程をほぐして丁寧に説明できる事が必要だと思っています。

お客様は「今やりたいこと」を明確に持っていても、それが実際のシステム運用にとって最適かどうかは判断しづらいもの。だからこそ私たちが中長期の視点で補い、“無理なく使い続けられる仕組み”を一緒に作ることを心がけています。特に近年はフロントエンド開発技術の進化に伴いバックエンドとの開発効率が高まっているので、この部分の有用性を活かしてお客様にも開発サイドにも詳しく伝えて進める事が重要だと思っています。

創業の背景についても教えてください。

創業以前、2000年頃、当時は制作会社はどこもWEB制作業務を始めたばかりのところが多く、私自身もそんな会社に転職、先輩の少ない現場で手探りのままで仕事を覚え、必死に技術を身につけてきました。そのなかで「WEB制作に関わる以上技術は当然、自分で解決を導き出す創造力がとても重要」と早い段階で理解しました。

時代としても“インターネットが人々の生活をどんどん変えていく”という空気が強かったことから、やがて「会社の中だけでなく、自分の力でどこまでやれるか試してみたい」と思うようになりました。その積み重ねがその後の創業、今につながっています。

“冒険心”が導いたキャリア──アメリカで芽生えた価値観と独立への決意

これまでのキャリアの歩みについて教えてください。

大学卒業後、通信機器メーカーで設計部に所属し、公衆電話網、インターネットがどのように成り立っているのかを基礎から学びました。当時はインターネットが商業利用として広がり始めたばかりで、会社としても「これからはインターネットをどう活用するか」を模索していた時代です。

時代の変化の中で「自分もこの流れの中心で挑戦したい」と思うようになり、ホームページ制作部門を立ち上げたばかりの会社へ転職。デザインとコーディングという2つの分野の中で成功と失敗を繰り返しながら“自ら考えて作る力”と”クライアントとのコミュニケーションの大切さ”を叩き込まれました。その経験ものちの独立のための大きな財産になりました。

経営者になろうと思ったきっかけは?

ルーツをたどると、アメリカの大学生活が大きな転機でした。異文化の中で生活し、外国人として自分の立ち位置やアイデンティティと向き合わざるを得ない環境に身を置いたことで、“自分の意思で動くこと”の大切さを強烈に感じました。

アメリカでは「自分の考えをはっきり伝える」「自分の責任で決断する」ことが当たり前で、その価値観が自分の中に強く残りました。帰国後、企業に就職して日本の組織文化の素晴らしさも感じる一方で「大きな集団内での協力・競争より、自分の責任で道を切り開いて全ての結果を受け止める方が向いている」と素直に思えたんです。

環境にも背中を押され、結果として独立を選びましたが、“自分で選び、自分で責任を負う働き方”は学生時代から自然と芽生えていたのだと思います。

21年間の経営を振り返って、嬉しかったこと・難しかったことは?

良かったのは、丁寧に積み重ねてきた仕事を通じて、多くのお客様から信頼をいただいたことです。自己プロデュースよりもコツコツと成果を積む方が自分には合っていて、その積み重ねが今の人間関係や仕事につながっています。

一方で、時代の変化が激しいIT業界では、常に情報を更新し続けなければならない難しさもあります。技術や手法は次々に更新され、AIの進化も目覚ましい。自分が培ってきたやり方があっという間に「古くなる」こともあるからこそ、若いエンジニアとの対話や最新の技術動向にはいつも興味を持って接しています。

経営は常に学びと不安の連続ですが、それ以上に“自分の信じるやり方で続けてこられた”ことへの喜びが大きいですね。

“こだわり”と“柔軟性”の共存が、これからの組織を強くする

AIが普及する中で、組織としてどのような価値観を大切にされていますか。

今の時代、AIは確かに便利ですが、まだ完全に信じきれるものではありません。だからこそ私は、“人としてのこだわり”も大切にしながら、その一方で新しい技術を積極的に取り入れる姿勢を持ちたいと思っています。拒絶したり遠ざけたりすると成長の機会を失ってしまうので、年齢に関係なく柔軟に吸収する意識が必要だと感じています。

社員の方々との価値観のギャップは感じますか?

若い人ほど吸収も早く、AIを当たり前のように受け入れる柔軟性があります。私たちはどうしても過去の経験やフレームがある分、その変化に戸惑うこともある。しかし、その違いこそが組織の強みだと思っています。新しい世代の柔軟さと、自分たちが積み重ねてきた経験を組み合わせることで、より良い判断や提案が生まれる。価値観の違いは壁ではなく、むしろ掛け算のチャンスだと考えています。

仲間と働く上で、どのような姿勢を大切にされていますか。

AIが台頭してくる中で、最も大切なのは“使われる側ではなく、使いこなす側に回ること”。社員にも「AIを怖がる必要はないけれど、依存しすぎてもいけない」というバランスを伝えています。どんなに便利なツールでも、判断するのは人。経験に裏打ちされた視点を持つからこそ、AIの提案を正しく活かせるし、改善点も見える。人と技術の間に立つ“調整役”こそ、これからの価値だと思っています。

“作り手”から“提案者”へ──AI時代に求められる役割へシフトするために

AIが台頭する中で、今後どのようなビジョンを描いていますか。

正直、耳が痛いテーマでもありますが、今は自分自身も毎日のように考えている課題です。これまでのように「依頼を受け、制作物をつくる」という従来の制作会社の動き方だけでは、確実に時代に取り残されてしまう。だからこそ、AIを活用した新しい提供価値にシフトしていかなければならないと考えています。

重要なのは、“AIをどう使いこなし、お客様にどれだけ良いアプローチを届けられるか”。プロンプトの精度、情報の扱い方、AIに任せる作業と手動作業のバランスなど、学ぶべきことは多いですが、その先にある私がまだ気づいていないであろう大きな価値観を想定して主体的に取り入れる姿勢が必要だと感じています。

現場の技術とAIの役割は、これからどのように変化していくでしょうか。

システム開発の現場では、最終的なコーディング品質が重要です。今のAIが生成するコードには改善点も多く、「まだ人の目が必要だ」と感じる場面もあります。しかし、その“人にしかできない部分”も、遠くない将来AIが追いついてくるでしょう。

だからこそ、今は「従来の職人気質のこだわり(少し大袈裟ですが)」と「AIの柔軟な活用」の両方を持つことが必要だと思っています。こだわりが強いほど安心感はありますが、それがいつか逆転する未来は確実に来る。自分の中にある小さな“肯定感”に頼りすぎず、変化を受け入れる覚悟を持つ。それがシフト期に求められる姿勢です。

御社として、どんな価値提供を大切にしていきたいですか。

AIやDXが進むほど、実は“情報に触れにくい人”との格差が大きくなります。だからこそ、私たちが担うべきなのは、テクノロジーの専門家としてだけでなく、“情報弱者と言われる人々にも寄り添う案内役”であることだと思っています。

「難しそうに見えるけれど、本当は簡単に使える」
「高額でなくても、できる方法がある」
「怖がらずに触れてみれば、生活や仕事がもっと楽になる」

そういった“入り口”を示す役割を、今後はより強く果たしていきたいです。DX、AIXといったキーワードだけが独り歩きするのではなく、それらを“自分ごとにできるレベル”まで噛み砕いて伝える。それが、これからのKIDOLINの使命だと考えています。

“OFFの時間が、ONの自分をつくる”──深夜のサウナと家族時間が支える心のバランス

非常にお忙しい立場かと思いますが、リフレッシュ方法はありますか?

平日は仕事に集中してしまうため、週末の夜は自分だけの時間を確保しています。家族が寝た後、ひとりで24時間営業のスーパー銭湯へ行き、サウナに入るのが一番の癒しです。スマホを手放し、外部と完全に切り離されることで頭が空っぽになり、瞑想のような感覚を得られます。

サウナ以外にもありますか?

カラオケも好きで、一人で気軽に立ち寄ることもあります。大声で熱唱すると毎回驚くほどスッキリします。また、週末は息子と一緒に1万歩以上のウォーキングするのも楽しみのひとつです。他愛もない会話をしながら歩く時間は、心が自然と整う大切なひとときです。

仕事への影響はありますか?

オンとオフを切り替えることで、頭が整理され、新しいアイデアが浮かびやすくなります。家族との時間は日常の幸せを実感でき、仕事への原動力にもなっています。これからもこうした時間を大切にしながら、より良い仕事につなげていきたいと思っています。

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