SHIMURA社労士オフィス 代表 師村 沙希氏
SHIMURA社労士オフィスは、企業の労務管理や社会保険・労働保険の手続き代行、助成金申請、就業規則の整備など、幅広い“人事・労務の課題”に向き合う社労士事務所です。法改正の対応や手続きの煩雑さに悩む経営者から多く相談が寄せられており、働く人と企業の双方にとって安心できる環境づくりを支える存在として活動しています。本記事では、代表の師村氏に、事務所の特徴や大切にしている仕事観、そして今後の展望について伺いました。
幅広い労務支援で企業の“人の課題”に寄り添う
――現在の事業内容と特徴について教えてください。
労務相談、社会保険・雇用保険の各種手続き代行、就業規則の作成、助成金申請など、企業の労務に関わる業務を幅広く扱っており、経営者の皆様が経営に専念できる体制、従業員の皆様が安心して働ける環境づくりをサポートしております。
建設業や美容業などの特定業界に限らず、多様な企業の顧問を担当しており、単発の依頼にも柔軟に対応してきました。とりわけ日々の労務相談には力を入れており、「困ったときにすぐ連絡できる存在」であることを意識しています。
――事務所としての強みはどのような点にありますか。
経営者と従業員のどちらにも寄らない“中立性”を大切にしている点です。
顧問料をいただく以上、経営者側に偏りがちな業界ですが、法令の観点から誤りがあればはっきり伝えるよう努めています。公平な立場で向き合う姿勢が、結果的に企業の健全性につながると考えています。
一般企業から社労士へ――働き方への問題意識が原点
――社労士を志したきっかけを教えてください。
一般企業で働いていた頃、関係先企業の従業員の働き方や労務管理の実情を目にし、労務環境をもっと良くしたいという思いが生まれました。
そこから資格取得に向けて勉強を始め、社労士事務所に勤めて経験を積み、最終的に独立という流れになりました。「働く人と企業を支えたい」という気持ちが今も仕事の中心にあります。
――仕事を進めるうえで大切にしている価値観は何でしょうか。
中立性と誠実さです。経営者と従業員の間に立ち、双方が納得できる形を一緒に考えるスタイルを心がけています。
法令違反につながるおそれがある場合は曖昧にせず、丁寧に説明しながら判断をサポートします。小さな相談でも気軽に頼ってもらえる関係性を築くことが、信頼につながると感じています。
――キャリアの中で印象的だった出来事はありますか。
顧問をつけていない企業で労災が発生し、労働保険の成立手続きに不備があったケースがありました。
遡及手続きや費用徴収等による経営者の負担も大きかったため、事前の体制づくりの重要性を改めて痛感した出来事です。
一人事務所だからこそ実現する柔軟な対応と誠実な姿勢
――組織運営で意識していることや、協働する人に求める資質を教えてください。
現在は一人で運営していますが、期限が短い業務も多く、将来的に協力者を迎える場合は「業務の優先順位を適切に判断できること」「ミスを隠さず向き合える誠実さ」を重視したいと考えています。
労務の仕事は信頼が基盤になるため、真摯に取り組む姿勢が欠かせません。
――今後の事業展望についてお聞かせください。
紹介による依頼が増えていることから、急速な拡大よりも信頼を積み重ねる運営を続けていく方針です。
一方で、契約書のチェックや業務委託に関する相談が増えており、弁護士・行政書士など他士業との連携強化が課題になっています。
専門家同士で補完し合えるパートナーを増やし、より良い支援体制を整えていきたいと考えています。
音楽に向き合う時間が仕事のバランスを整える
――仕事以外のリフレッシュ方法を教えてください。
社会人オーケストラに所属しており、楽器を演奏する時間が良いリフレッシュになっています。年に二回の演奏会に向けて週末に練習を重ねることで気持ちが整い、仕事への良い切り替えにもつながっています。
――最後に、読者や経営者へ伝えたいメッセージがあればお願いします。
“経営者の身近な相談相手”であることを大切にしてきました。
小さな疑問でも気軽に声をかけていただければ、適切な判断ができるよう力を尽くします。これからも信頼に応えながら、経営と働く人の双方にとってより良い職場づくりを支えていきたいと考えています。
