株式会社マーケ脳 代表取締役 古川陽一氏
特定のマーケティング手法に縛られることなく、顧客の事業成長に本気で向き合う株式会社マーケ脳。代表の古川陽一氏は、顧客一社一社の組織と個人の「可能性」を最大化することを自社の存在意義としています。研究職からビジネスの世界に飛び込み、起業に至った古川氏のキャリアの変遷、そして「仕事は人を変える」という原体験から生まれた独自の経営哲学と未来への挑戦について伺いました。
目次
BtoB企業の可能性を最大化するマーケティング支援
――御社の事業の特徴について教えてください。
事業内容は、BtoBに特化したマーケティング支援です。本当によくあるものですが、その特徴という意味では、支援範囲を限定していないという点が挙げられます。SEOだけ、広告だけ、といった特定の業務代行を目的として起業したわけではありません。
私がやりたかったことは、お客様の事業成長に本気で向き合い、特定の手法によらずに、今それが最も必要だろうという施策を提供していくということです。カスタマイズ性の高い支援を意識し始めた結果、今の形態になりました。特定の業務を代行するだけでは、お客様に提供できる売上や企業価値といったものが弱くなるという課題を感じていたため、お客様の事業にとって本質的な価値提供を追求しています。
私たちが関わることによって、「こんなこともできたんだ」という新しい施策を体験していただく。この体感によって、お客様の自社やご自身の能力に対する枠が広がり、どんどん新しいことに挑戦していくサイクルが回るんです。そうすると、個人としても楽しいし、組織としても強くなる。数年後には、お客様がいろんなことをご自身で取り組んでいけるような組織になってくれている、というのが目指す姿です。
研究職から営業、そして独立へ──“可能性”を求めたキャリアの選択
――経営者になられた経緯を教えてください。
新卒では診断薬をつくる製薬系企業で研究職をしていました。あるとき経営者の方と話す機会があり、努力次第で可能性がどこまでも広がる働き方に魅力を感じました。そこから営業職に転身し、ビジネスの土台を学び直し、人材紹介の営業、マーケティング会社での経験を経て独立したという流れです。
仕事を通じて様々な企業様と関わらせていただく中で、「手段によらず、自分の力全てを使ってお客様を支援したい」という思いが強くなり、起業に至りました。
――仕事観に影響を与えた印象的な出来事はありますか。
独立初期に副業スタッフをサポートしたときの経験が大きいです。自信が持てず業務がうまくいかなかった方が、毎週1時間課題と改善を積み重ねる中で評価が上がり、最終的には正社員登用の打診を受けるまでに変化しました。「仕事がこんなに楽しいなんて」と言ってくれた姿を見て、仕事は人を変える──そしてその変化を支えるのが自分の役割だと強く感じました。
自責と学びを土台にした人材育成とコミュニケーション
――組織運営で意識していることを教えてください。
現状、正社員は私のみで、業務委託のメンバー数名と協働しています。主体性を持って動いていただくため、最も重要にしているのは、「結果の原因は全て自分にある」という意識を持つことです。
業務委託という形態では、契約が終了するケースもありますが、どのような形であれ、契約が切れるということは、何かしらこちらにできなかったこと、至らなかった点がある、と私は判断します。お客様にとって「外せない存在」になっていれば、契約終了の可能性はかなり低くなるからです。
そのため、契約終了後など、仕事の切れ目には、フィードバックとして「全て自分に何かしらの原因があった」ということを真摯に受け止め、次は同じことにならないためにはどうするのかを一緒に考えていくスタンスでコミュニケーションを取っています。これを繰り返すことで、メンバーは成長し、結果的に組織として強くなると考えています。
未来──より深く、より戦略的に企業成長へ伴走する
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
目指しているのは、お客様が自ら挑戦し続けられる組織になる状態をつくることです。新しい施策を一緒に実行し「自分たちはここまでできるんだ」と体感していただく。そうした挑戦のサイクルを継続的に回していける支援を強化したいと思っています。
仕事そのものが最大のリフレッシュ
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
2年ほど趣味を探していたのですが、結局いちばん楽しいのは仕事なんです(笑)。休みの日でも企業の取り組みを調べたり、新しい施策のヒントを見つけたりして、それが実際にお客様の成果に繋がると大きな満足感があります。今は“仕事と遊びの境目がない”状態が一番しっくりきています。

