自然と地域に新たな価値を生み出す“0→1”の挑戦者

株式会社Challenge Outdoor 代表 足立康仁氏

宿泊施設の開発支援から運営サポート、さらにはキャンプ場・グランピング・旅館の経営、アウトドアギアの物販、スポーツ教育まで幅広く事業を展開する株式会社Challenge Outdoor。代表の足立康仁氏は、大手ホテル企業での新規事業開発経験を経て、「地域や人が抱える課題を、もっと小回りの利く形で解決したい」という想いから同社を立ち上げました。現在は“ゼロから1をつくる”独自の強みを生かし、ホテルコンサルティング事業を中心に多方面で価値創造に挑んでいます。今回は、事業の特徴や組織のあり方、そしてこれから目指す未来について話を伺いました。

事業の特徴と理念――「小回りの利く伴走型コンサル」を強みに

――現在の事業内容と特徴を教えてください。

メインはホテルに関するコンサルティングです。土地探しや開発、コンセプト策定、ブランドづくり、開業前後のマーケティング、集客、運営サポートまで一貫して支援しています。新築ホテルだけでなく、既存施設のリブランドや、地域資源を活かしたコンテンツ造成の依頼も多いです。

特徴としてよく言われるのは「無理が利く」ことで、納期・規模・役割を柔軟に調整しながら伴走できる点が評価されています。自社でもキャンプ場、グランピング、旅館を運営しているため、机上ではなく実際の運営感覚を持ちながら提案できるのも強みです。

――理念やビジョンにはどんな想いがありますか。

創業時は「自然との触れ合いが心を豊かにする」という想いからアウトドア事業を中心にしていました。ただ、現在はホテル案件が増え、提供する価値も広がっているため、ビジョンや会社名の再整理を検討しています。キーワードは、“価値を創造し、新しい体験を提供する”。ホテル、アウトドア、地域づくりなど、領域を限定しない形で掲げ直したいと考えています。

経営者になった理由――地域の小さな困りごとを解決できる存在へ

――独立し、会社を立ち上げたきっかけは何でしたか。

前職では約13年間勤務し、最後の数年間は新規事業の開発に携わり、宿泊施設の企画や関連会社の立ち上げなどを担当していました。全国の地域を回る中で、地元の方々からさまざまなお困りごとを伺う機会が多かったのですが、大きな組織では規模の合わない小さな課題に応えにくい場面が少なくありませんでした。

「自分が動けばすぐに解決できるのに」というもどかしさが積み重なり、もっと近い距離で地域の力になれる存在でありたいと感じ、独立を決めました。

――現在の仕事で大切にしていることは何ですか。

“ゼロイチをつくる力”です。新しい事業の土台をつくり、あとは現場のスタッフが伸ばしていける状態を整えることが自分の役割だと思っています。アストラムギアやリテントなどの物販事業も、スタッフの「やりたい」という声から始まったもので、私はその土台づくりに徹しています。

組織づくりの考え方――任せる、口を出しすぎない、ギブアンドテイク

――社員や業務委託の方との関わりで大切にしていることはありますか。

「任せる」と決めたら口を出さないことです。もちろん相談があれば応じますが、主体的に動きたい人に対して過度な指示はしません。また、ギブアンドテイクの関係を大切にし、お互いが無理なく協力し合えるバランスを保つよう意識しています。

旅館の運営では、もともとのオーナーである女将さんが料理に専念できるよう環境を整え、私は経営管理に回っています。人が少ない地域だからこそ、信頼して任せる体制づくりは欠かせません。

未来への展望――宿泊業を軸に“地域から必要とされる存在”へ

――今後挑戦していきたいことを教えてください。

自分のルーツである宿泊業を軸に、直営の宿泊施設をもう少し増やしていきたいと考えています。また、ホテル業界全体としては、今後は「人をかけずに質を保つ仕組み」が重要になります。ハードの刷新が難しい中で、いかに体験価値を高め、単価を上げていくか。広告やコンテンツ造成など、提供価値を磨く支援もさらに求められていくでしょう。

会社としては、やりたい人が主役になれる場をつくりたいです。スタッフの夢を応援し、必要なら事業ごとスピンアウトしていくような、多様な挑戦を許容できる組織でありたいと思います。

コンディションを整える習慣

――お忙しい中で、リフレッシュの時間や趣味はありますか。

最近は、いわゆる“休日らしい休日”という感覚があまりなくなっています。というのも、サッカーチームを保有しており、中学生年代の指導に関わっているため、土日はほとんどその活動で埋まっているからです。

――指導に関わる時間が、生活の中で大きな役割を果たしているのですね。

そうですね。子どもたちと向き合う時間は純粋に楽しいですし、サッカーを通じて一緒に成長を見守ることができるのは自分にとっても良いリフレッシュになっています。結果的に、週末のその時間が気持ちの切り替えにもなっていると感じます。

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