アンドケイジェイ株式会社 代表 石田 圭氏
アンドケイジェイ株式会社は、「イタリア食と健康的なライフスタイル」をテーマに情報発信と商品販売を行う企業です。オンラインのメディアサイト「primeshop.jp」を軸に、高級イタリア食材のセレクトショップ『プライムショップ』では、ネット通販から百貨店催事などリアルな場にも活動の幅を広げながら本場の味と健康的なライフスタイルを日本の食卓に届けています。本記事では、代表の石田圭氏に、事業への想いや今後の展望について伺いました。
目次
イタリア食と健康ライフスタイルを軸にした「日本一のメディア」を目指して
――現在の事業内容や強みについて教えてください。
オンラインメディア「primeshop.jp」を中心に「イタリア食と健康ライフスタイル」に特化した情報発信と商品販売を行っています。自分が実際に現地に行って生産者の方と話し、農園や工場を吟味した上で、これだと思ったイタリア食材だけを輸入しています。イタリア全土から選んだエキストラバージンオリーブオイルやトリュフペースト、生ハム、チーズやバルサミコ酢だけでばく、自社で企画したブランド「PRIME(プライム)」の商品などを、セレクトショップ形式の店舗『プライムショップ』で紹介しているのが特徴です。
オンラインショップでの販売だけでなく百貨店のイタリア展や専門催事への出店、自身が『セニョールケイ』の名前でゲスト出演するテレビショッピングでの販売も行っており、オンラインとオフラインの両方でお客様と接点を持ちながら、本物のイタリア食材のおいしさや背景にあるストーリーをお伝えしています。単なる物販ではなく、健康やライフスタイルに関する情報を、中立的かつ根拠のある形で情報発信できる点が当社の強み(お役に立てる点)だと感じています。
――企業理念や、事業の軸になっているビジョンについて教えてください。
「primeshop.jp」のメディアを通じて、健康的なイタリア食材と幸せなライフスタイルを届けること」です。自分自身、海外生活が長く、自然食材や調味料だけでなく、イタリアンな明るくて『軽い』考え方に助けられてきた実感があります。その体験をベースに「きっと誰かの健康や毎日の楽しさに役立つはずだ」と思える情報を発信していきたいと考えています。
上記の理念があるからこそ、安さだけを追いかけるのではなく、原産地の証明や酸度・添加物の有無など「品質の裏付け」にこだわっています。そのうえで、できるだけ多くの方に手に取っていただけるような価格帯や使い方を提案していくことが、当社の役割だと思っています。
「あなたならできる」――師匠の言葉に背中を押されて
――起業に至るまでのキャリアと、現在の事業を始めたきっかけを教えてください。
もともとはメディア関連の仕事をしており、情報発信や商品開発に携わっていました。いつかは自分でも情報発信メディアを立ち上げたいと思っていたところに、昔からお世話になっていたイタリア食材の師匠から「あなたは話すのが得意だから、うちの食材を売ってみないか」と声をかけていただいたんです。
師匠から「あなたならできる」と言ってもらえたことが決め手となり、イタリア食材と健康的なライフスタイルをテーマにしたメディアを本気でやってみようと決断しました。
その後、師匠の会社の事業環境が変化したことを機に自社で輸入と商品企画を担うようになり、今の事業モデルに舵を切りました。
――仕事をする上で大切にしている価値観や、経営判断の軸は何でしょうか。
「楽しいと思えるか」「新しい価値を生み出せるか」といった点です。誰かから奪うようなゼロサムの競争ではなく、まだ誰もやっていないブルーオーシャンで、市場そのものを創り広げていくような仕事がしたいと考えています。
そのため、他社の真似をしてパイを取り合うようなやり方はしませんし、価値観が合わない取組先さんとは無理に仕事はしません。短期的な利益追求ではなく、たとえ今は仕事ができなくても、価値観が合う人とは一緒に成長していきたいーーそうした「楽しく、誠実に新しい価値をつくる」という感覚を、経営の軸に置いています。
一人会社だからこそ生まれる、自由で自然体なつながり
――組織運営や、関わる人とのコミュニケーションで意識していることを教えてください。
正社員は今のところ私一人で、アルバイトやフリーランス、取引先の方々とチームを組む形で事業を進めています。重視しているのは「上下関係ではなく、価値観の合う仲間として付き合う」ということです。
みなさんには、自分のリスクと力量の範囲内で、「楽しい」と思える関わり方をしてほしいとお伝えしています。利害関係だけでつながるのではなく、一緒に飲みに行ったり、遊びに行ったりできるような、自然体の関係でいたいんです。私自身が自然体でいると、相手も自然体でいられます。結果として、長く続く良いご縁や、運の良さのようなものを呼び込んでくれると感じています。
本物のイタリア食材を実際に味わっていただける場所づくりを
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
直近の大きな挑戦は、高級イタリア食材のセレクトショップ「プライムショップ」の実店舗をカフェを併設させてオープンすることです。情報発信のメディアオフィスとセレクトショップ、カフェを一体にした拠点をつくり、本物のイタリア食材を実際に味わっていただける場所にしたいと考えており、2026年の春に埼玉県さいたま市にオープンします。
自社で直接仕入れているハイエンドな食材を使った料理を提供しながら、本物の味を知って頂くだけでなく、未輸入の商品を展示してバイヤーや同業者の方にも情報を届けるーーイタリアの「伝統と現在」を日本にいながら感じられる情報発信の場所にしたいです。
同時に、テレビショッピングやオンラインを通じて、「高級すぎず、安すぎないけれど品質はしっかり高い」という、日本の普段の食卓に採り入れやすい本格的なイタリア食材を積極的に企画し、まだ本格的なイタリア食材に触れたことのない、もっと多くの方に届けていくことにも挑戦していきます。

