子育てを“スキル”に変える──ママの笑顔が社会を変えるポジティブ子育て協会と株式会社メルリンクの挑戦

一般社団法人ポジティブ子育て協会|株式会社メルリンク 代表  和田リエ氏

現在、2社の法人代表をさせていただいております。

一般社団法人ポジティブ子育て協会は、「ママが人生を楽しむこと、幸せを感じることが、子どもの笑顔と成長につながる」という理念のもと、ポジティブ心理学を取り入れた教育事業を展開しています。

オンラインスクールを中心に1,000名を超えるママが学び、『PPA認定ポジティブ子育てアドバイザー®︎』として活躍中です。

一般社団法人ポジティブ子育て協会 代表理事の和田氏は、育休中の気づきをきっかけに協会を立ち上げ、現在はカンボジアでの学校運営にも挑戦しています。

株式会社メルリンクでは、ママコミュニティを活かしたWEBマーケティング事業、営業支援の活動をおこなっています。

本記事では、和田氏の価値観や組織づくり、今後の展望について伺いました。

ママの自己肯定感を育てる「ポジティブ子育て協会」の取り組み

――事業内容と特徴について教えてください。

当協会では、ポジティブ心理学をベースに「ポジティブ子育て」と「WEBマーケティング」講座を体系化し、ママ向けオンラインスクールを運営しています。

受講生は0歳児のママからシニア世代まで幅広く、累計1,000名ほどが参加。修了後は「PPA認定ポジティブ子育てアドバイザー®︎」として資格を取得し、講師として活動できる仕組みを整えています。

子育てを“スキル”として捉え、家庭での経験をそのまま社会で活かせる点が特徴です。外で働きにくいママでも、自宅で学び仕事につなげられる環境を提供しています。

――カンボジアでの教育事業を始めた背景は何でしょうか。

夫がカンボジア出身で、娘が自閉症の特性をもっていることから、支援環境の整う場所として移住を決めました。

現地では補習校として英語や日本語の授業を行い、将来的には発達特性をもつ子どもも学べる教育環境の整備を目指しています。日本とカンボジアの架け橋となる活動も視野に入れ、幅広い支援へ挑戦しているところです。

育休中の気づきから広がった“ママ支援”の原点

――協会を立ち上げたきっかけを教えてください。

育休中に、子育てと仕事の両立に悩むママがあまりにも多いことに気づきました。

日本の核家族が多くワンオペが多いの現状や、子育てと仕事との両立が難しい現実に直面しました。

カンボジアで「村全体で子どもを育てる」という文化を知っていたからこそ、日本のママの孤独感が際立って見えたのです。

さらに「スキルがないから働けない」と思い込むママが多い現状にも違和感がありました。

私自身もスキルも資格も特に取り柄もなかったこと。

しかし、「子育て」という素晴らしいスキルや経験を仕事として活かしていくべきではないかということ、子育て経験をママさんたちにお伝えしていけることを仕事にできないかと思い、「ポジティブ子育てアドバイザー」という資格を創設しました。

子育ては本来、尊重されるべき経験です。その価値を可視化し、仕事に変える仕組みをつくりたい──その思いが協会設立の原点でした。

――活動の中で印象に残っているエピソードはありますか。

多くの家庭で、ママの思考や声かけが変わると、子どもの行動や表情が大きく改善していきます。

不登校のお子さんが学校に行くようになったり、反抗的だった子が主体的に動くようになったり、成績が上がったケースも珍しくありません。

ママ自身が変化し、その姿を見て子どもが前向きになる──そんなご家庭を数多く見てきました。想像以上の影響力があることに、日々驚かされています。

仲間と創る組織運営──任せる姿勢と価値観の共有

――組織運営で意識していることは何でしょうか。

代表理事は私1人ですが、インストラクター2名と事務スタッフ3名が中心となり協会を支えています。そして、認定講師さん、受講生は150名以上在籍しています。

運営の基本は「任せること」。方向性や理念は明確に伝えつつ、具体的な進め方は各メンバーの判断を尊重しています。指示を細かく出すと、主体性が失われてしまうからです。

メンバー全員が自分の得意を活かせるよう、ビジョンと価値観だけは常に共有し続けています。

――コミュニケーション面で工夫していることがあれば教えてください。

拠点がカンボジアのため、コミュニケーションはオンラインが中心です。

チャットワークで日常的にやり取りし、必要なときは1対1で丁寧に確認します。週1回程度のミーティングを行い、違和感がある部分はできるだけ早期に解消するようにしています。

1000人の講師輩出へ──今後の展望と挑戦したい領域

――今後のビジョンを教えてください。

中期的には、講師として活躍するママを400名規模まで増やし、最終的には1,000名の輩出を目標としています。日本全国のママが「ポジティブ子育て」を学び、家庭や地域で実践できる環境を整えたいと考えています。

また、SNS運用やセールスなど、アドバイザー以外の仕事にも挑戦できるよう、個々の強みを活かした多様な働き方も広げていく予定です。

私が別会社で代表をつとめます、株式会社メルリンクでは、ママさんたちのスキルや能力を活かし、ママコミュニティを活かしたWEBマーケティング活動をおこなっています。

今後は、マーケティング事業、PR事業、セールス支援事業に力を入れていきたいと考えています。

――挑戦の中で直面しそうな課題と、その対策はありますか?

最大の課題は、変化し続けること。挑戦し続けること。

協会の仕組みが“資格取得で終わり”にならないよう、スキルを磨き続けられる環境づくりが欠かせません。

オンライン講座の拡充や、ママ同士が支え合うコミュニティの強化を進め、長期的に活動を継続できる体制を築いていく考えです。

日常から生まれる創造性──心を整えるリフレッシュ

――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

現在はカンボジア・シェムリアップが主な拠点です。自宅近くのアンコールワット周辺を散歩したり、森を探索したりする時間が心の切り替えになっています。自然の中を歩くと、気持ちが整い、次の挑戦へのエネルギーが湧いてきます。

現在はカンボジアで学校を運営しています。4歳〜中高生まで。

生徒は80名以上在籍しており、寺子屋のように夕方と日曜に毎日通ってきています。

子どもたちが積極的に学びにくる様子や、木に登ったり、ダイナミックに遊んでおり、

たまに自分の子どもとも一緒に思い切り遊ぶことによって、リフレッシュしています。

私の信念は「人生は一度きり。明日死ぬかのように生きる、永遠に生きるかのように学ぶ」を自分のモットーとしています。

一度きりの人生なので、大人たちが挑戦する背中をみせることで、将来の子どもたちへの勇気になって欲しいと感じております。

「将来の子どもたちへの社会貢献」だと感じ、日々、自分自身も成長しながら活動をおこなっております。

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