株式会社 ALBASTRU LUNA 代表取締役 中西 紀美絵氏
浜松市を拠点に、IT教育・WEB制作・動画・アロマやメンタルケアといったウェルネス事業を展開する株式会社ALBASTRULUNA。代表の中西紀美絵氏は、「創造力・学ぶ力・癒す力で人の可能性を引き出したい」という思いで、教室やスクール、WEB制作の現場に日々向き合っています。なぜITとアロマという一見離れた分野を組み合わせるのか。通信制高校のサポート校構想に込めた願いとは何か。これまでの歩みとこれからの展望を伺いました。
目次
人の可能性を支える、IT教育・クリエイティブ・ウェルネスの三本柱
――御社の事業内容と、その特徴について教えてください。
当社は「IT教育」「クリエイティブ」「ウェルネス」という3つの事業を柱にしています。
パソコンスクールであるパソコン市民IT講座菊川教室、WEBサイト・動画制作、そしてアロマスクールやメンタルケアの講座まで、一見バラバラに見えるかもしれませんが、すべてに共通しているのは「人の可能性を広げる」という使命です。
パソコンが苦手でも、学ぶ機会と自分に合った方法さえあれば、新しい働き方や生き方の選択肢は増やせます。アロマやメンタルケアも、心が整うことで一歩踏み出す勇気を支えてくれます。
学び直しと心のケア、その両方を提供することで、心も未来も豊かになる社会づくりに貢献したいと考えています。
未来を信じ、選択肢を描き続ける経営観
――仕事や経営のうえで、大切にしている価値観を教えてください。
私が一番大切にしているのは、「未来を信じる力」です。思いだけで終わらせず、未来を形にしていく挑戦こそが経営だと考えています。
学校が合わない、仕事が合わない、人間関係が合わない――それは「合わない=ダメ」という話ではなく、「別の選択肢が必要だ」というサインだと思うのです。だからこそ、合わない人を否定するのではなく、「こんな選択肢もあるよ」と示せる会社でありたい。
かつて「一人で抱え込まず、お客様やパートナーと三位一体で取り組めばいい」という考え方に触れたことも、大きな転機になりました。それ以来、私自身も一人で背負い込むのではなく、周りと力を合わせて価値をつくる姿勢を大切にしています。
「もう一度来たくなる場」を共につくる組織づくり
――組織運営や、メンバーとのコミュニケーションで大切にしていることは何でしょうか。
社内の雰囲気を一言で表すなら「もう一度来たくなる場所」です。「ここに来ると幸せだな」と思ってもらえる環境づくりを何より大切にしています。これは社員に対しても、お客様に対しても同じです。
毎朝きちんと挨拶をして、その日のやりたいことや目標を共有する。オンラインであっても、できるだけ顔を合わせて話す。メールだけでは伝わりきらない温度感を、表情や声で補うようにしています。
一緒に働きたいのは「無条件で信頼できる」と感じられる方です。私が信じて任せた人が、私の見えていないところで提案や計画を固めてくれている。そんな場面に何度も助けられてきましたし、その積み重ねが、会社全体の力になっていると感じています。
学び直しを支え、地域の未来をともに挑戦していく
――今後取り組んでいきたい挑戦や、事業の展望を教えてください。
今、一番力を入れて準備しているのが、2026年4月に開校を予定している「通信制高校のサポート校」です。
学校に行きづらい子どもたちや、枠組みの中では力を発揮しにくい子どもたちに対して、IT学習の支援力とメンタルケア、自己表現のサポートを組み合わせた場をつくりたいと考えています。
通信制高校は、自分のペースで学べることが大きな特徴です。そこで、自己管理で躓かないよう卒業まで伴走するだけでなく、その先のスキル習得や成長にもつながるサポートを提供したいと思っています。
また、AIやオンライン化の進展で、対面の形は変わっていきますが、人と人がつながる場の重要性はむしろ増していくはずです。誰もが年齢や環境に関係なく、安心して学び直せる地域をつくることが、これからの大きな目標です。
一方で、デジタルやクリエイティブの世界は「敷居が高い」「お金がかかりそう」と感じられがちです。そのイメージを少しずつ変え、デジタルが苦手な方にもきちんと情報と学びが届くような仕組みを模索し続けたいと思っています。
花と神社に癒やされ、誠実なコミュニケーションを紡ぐ
――リフレッシュ方法や、仕事以外で大切にしていることを教えてください。
リフレッシュの時間は、浜松のフラワーパークで花を眺めたり、秋葉神社や小國神社などを散歩したりすることです。
歩いているうちに、ふと新しいアイデアが浮かんできたり、気持ちが整ったりします。自然や神社の空気に触れることで、「また頑張ろう」と素直に思えるんです。
もう一つ、ずっと情熱を持って取り組んでいるのが「コミュニケーション力を高めること」です。学生か社会人か、家族か仕事かに関係なく、最初と最後の挨拶をきちんとすること、どんな相手とも最後は笑顔で終わることを大切にしています。
家にいるから働けない、環境が合わないから諦める――そうではなく、今の現状を生かした方法は必ずあると私は信じています。

