枕から人生を整える。眠りを起点に広がる、しなやかな事業のかたち
株式会社Nanalapis 代表取締役 永井桂子氏
株式会社Nanalapisは、枕メーカーとしての事業を中心に、睡眠を入り口としたライフデザインの提案を行っている企業です。代表の永井桂子氏は、自身の睡眠改善の実体験をきっかけに事業を立ち上げ、現在は枕の開発・販売に加え、講師活動やメディア出演など幅広い分野で活動しています。枕や睡眠を通じて人生を整えることを理念に掲げ、人とのつながりを大切にしながら事業を展開しています。今回は永井氏に、現在の事業内容や起業に至った背景、組織運営で大切にしている考え方、そして今後の展望について話を伺いました。
枕を入り口に、眠りから人生を整える事業
――まず、現在の事業内容について教えてください。
弊社は枕メーカーとしての事業を中心にしています。私自身は「枕ジャーナリスト」として活動しており、大学や専門学校、企業や自治体でのセミナー、他社製品のレビュー、テレビやラジオ出演、ライター業などにも携わっています。枕を通じて睡眠を考え、人生をよりよく整えていくことが事業の軸です。
枕は頭を乗せるものではなく、首を支えるものです。首と寝具の間の隙間が適切に埋まることが大切で、高さは低めの方が合いやすいと考えています。素材や寝心地は好みですが、高さは構造で決まるため、研究された設計かどうかが重要です。枕を入り口に、眠り全体を見直してもらうことを大切にしています。
専業主婦から起業へ。原点は「眠れた」実体験
――経営者になったきっかけを教えてください。
アメリカの枕に出会い、長年悩んでいた眠りが改善したことがきっかけです。自分と同じように眠りで悩んでいる人は多いはずだと考え、この枕を日本でも広めたほうがよいのではないかと思い、アメリカのメーカーに相談しました。するとメーカー側から「それなら、あなた自身が日本で販売してみませんか」と提案を受けたことが、事業を始める直接のきっかけになりました。当時は専業主婦で販路もありませんでしたが、役に立つならと少量から輸入を始めました。
最初は利益よりも「困っている人を救えたら」という思いが先でした。2年間で400個ほどを手売りし、経営者の方々と直接会いながら広げていきました。その後、原価や輸送費の問題から日本製に切り替え、今は自社がメーカーとなって製造しています。
人と寄り添い、アライアンスで広がる組織運営
――組織運営や関わる方との関係で大切にしていることは何でしょうか。
社員は持たず、すべて業務委託という形で進めています。代理店やパートナーの方々とは、アライアンスを組みながら、お互いに利益を得られる関係を築いています。コミュニケーションはとても大切で、仕事の話だけでなく、ちょっとした相談や雑談も含めて、こまめに話すようにしています。
気軽に話せる関係性があるからこそ、アイデアも生まれやすくなります。これまで多様な仕事を経験してきたこともあり、人と人をつなぐ役割や橋渡しをすることは得意分野だと感じています。
睡眠を軸に、どこまでも広がる未来
――今後、挑戦していきたいことを教えてください。
枕を中心にしながら、眠り全体を捉えたブランド展開を考えています。睡眠とさまざまな分野を掛け合わせることで、可能性はどこまでも広がります。大学との共同研究や、睡眠に特化した施設との連携なども視野に入れています。
私は「こうなりたい」という強い意志を持っていません。その時々のご縁や時代に合わせて、必要とされることに関わっていきたいと考えています。有名になることで人と人をつなぎ、誰かの役に立てるなら、それが一番嬉しいことです。
仕事も人生も境界線を引かない生き方
――リフレッシュ方法や、日常で大切にしていることは何ですか。
休みの日は、娘と朝からカラオケに行くこともあります。もともと歌手として活動していた経験があり、歌うことや声を使うことは、今の自分の活動にもつながる大切な土台です。マイクを握ると自然と気持ちが切り替わり、無理なくリフレッシュできます。
仕事とプライベートを明確に分ける感覚はあまりなく、仕事そのものが息抜きになっている部分もあります。出来事は一つでも、どう捉えるかは自分次第です。大変なことも肯定的に受け止め、楽しむようにしています。誰と話し、どんな空気の中に身を置くかはとても大切ですし、眠りを通して人生を整えることは、誰にとっても必要なことだと感じています。