みんなで一緒に食べられる未来を目指して。Katee Sweets株式会社の現在地

Katee Sweets株式会社 代表取締役 神谷恵子氏

Katee Sweets株式会社は、グルテンフリーやアレルゲンフリーを軸に、商品開発や教室運営を行う企業です。お菓子やパンにとどまらず、ペットフードの開発や米粉食品の輸出サポート、企業、自治体と連携した商品開発、教室事業を通じて、「みんなで一緒に食べられる」という考え方を広げてきました。

今回は代表の神谷恵子氏に、会社を立ち上げた背景や事業に込めた考え、商品開発や教室運営を通じて大切にしている人との関係性、そして今後の展望について話を伺いました。

商品開発を軸に広がる、Katee Sweetsの事業内容

――現在の会社の事業内容について教えてください。

現在の主な事業は商品開発です。製粉会社や、グルテンフリーを商品として取り入れたい企業からの依頼を受け、レストランやカフェのメニュー開発を行っています。最近では、ドッグフードの開発も増えてきました。

教室は、私自身の本質だと感じている事業です。現在はB2B向けのレッスンをコンテンツ化し販売出来る様に準備を進めております。ただ、企業や自治体から講師として依頼をいただいた場合には、リアルの場で教室を実施しています。

――事業の根底にある考え方を教えてください。

一番大切にしているのは、「地球、人、動植物みんなに優しい」という視点です。

最初は人の食を考えるところから始まりましたが、今ではその考え方はペットフードの分野にも自然と広がっています。

立場や種を超えて、同じ時間を共有できる食であること。その価値は、これからますます大切になると感じています。

そしてもう一つ、私が強く意識しているのが、日本の米粉の可能性です。

日本には、品質が高く、安心して使える米粉が数多くあります。

それを日本国内だけで完結させるのではなく、世界へ届けていきたい。

食を通じて、日本の風土や価値観、やさしさの感覚まで伝えていけたらと思っています。 日本の米粉を通して、そんなつながりを世界に広げていくことが、今の私の事業の軸です。

20年の現場経験が導いた、優しい食と向き合う選択

――神谷さんご自身のキャリアと、経営者になったきっかけを教えてください。

専門学校を卒業後、大手のお菓子会社に就職し、その後は自分の店舗を持ち、20年ほど経営を続けてきました。ある出来事をきっかけに、食が人の体や心に与える影響について、これまで以上に深く向き合う必要性を感じるようになりました。

そこから、グルテンフリーやアレルゲンフリーといった分野について一から学び直し、研究を重ねるようになりました。

20年の現場経験を土台に、「美味しさ」だけでなく「やさしさ」や「安心」を大切にした食の在り方へと、事業の軸を少しずつシフトしていきました。

――事業の軸は、どのように変わっていったのでしょうか。

コロナ禍があり、通常の営業が困難な時期が続きましたが、一方で、社会全体が健康志向に向かっていく流れも感じていました。それまでのお菓子は、特別なときに楽しむものという位置づけが強かったと思いますが、これからは心の栄養として、日常に寄り添う存在であるべきだと考えるようになりました。そのためには、特定の人だけが食べられるものでは意味がないと思ったのです。

最初に意識していたのは、アレルギーを持つお子さんがいるお母さんたちでした。毎日のおやつ選びに苦労されている様子を目の当たりにしアレルゲン除去スイーツを開発しました。ただ、アレルギーは一人ひとり違いますので、私が作ったものをご購入頂くよりも、お母さん自身が安全なキッチンで、お子様に合ったものを作れるようになった方が、結果的に楽になるのではないかと感じました。そうした考えから、教室運営に力を入れるようになりました。

縛らない組織と、「家」のような関係性

――組織運営で意識していることを教えてください。

現在、社内のスタッフは決して多くありませんが、商品開発や教室運営、営業など、それぞれが専門性を持った少数精鋭のチームだと自負しています。

私たちが本当に力を注ぐべき領域に集中するため、製造については信頼できる外部パートナーと連携する形を取っています。

営業に関しても、細かな指示や管理で縛ることはしていません。

各スタッフがこれまで培ってきた人脈や経験、考え方を尊重し動いてもらいます。

一方で、人と人との関係性はとても大切にしています。

社内では、一緒に食事をする時間も多く。私自身が料理をして同じ食卓を囲みます。

社長とスタッフというよりも、“家族や兄弟”のような関係に近いかもしれません。

仕事の話だけでなく、人生や将来について相談を受けることもあり、そうした対話が結果的にチームの強さにつながっていると感じています。

――採用や育成についての考えを教えてください。

食の世界でもっと女性に活躍して欲しいという想いと、女性特有の細やかさが必要な場面が多く技術的なサポートをお願いする業務については、主に女性の方にお願いしています。

それぞれが置かれている環境やライフステージを尊重しながら、無理なく力を発揮できる関係性を大切にしています。また、将来的な自立を見据えた関わり方を意識しています。

希望がある方には、資格取得やスキル習得の面でのサポートも行い、いずれは自分の力で選択肢を広げていけるような土台づくりを一緒に考えています。

米粉の価値を見極めるための、次の挑戦

――今後の展望について教えてください。

米粉製造に関する取り組みです。米粉ブームの中で、目的や用途がはっきりしないまま作られた米粉が多く出回っています。その結果、使いづらく、売れずに困っているケースも少なくありません。

農家さんや製粉機メーカーと連携し、「誰に届けたいのか」「何を作りたいのか」を明確にしたうえで、その目的に合った製粉方法や製粉機をつなげていきたいと考えています。

――業界全体の変化については、どう感じていますか。

以前は、グルテンフリーのメニュー開発そのものに価値がありましたが、今はレシピも簡単に手に入る時代です。これからは、使いやすさや、喜ばれる形をどう作るかが重要になると感じています。その為にも、米粉を作る段階からサポートするのが理想だと実感しています。

自然と向き合いながら考える、食と支援

――休日はどのように過ごしていますか。

休みの日は、山に行くことが多いです。登山というほど本格的なものではありませんが、山頂で深呼吸したり川の水に触れたり。自然の中で四季折々の空気を感じるのが好きです。

仕事では常に考え続けることが多いので、意識的に自然の中で過ごす時間をつくることで、頭や気持ちが整理されます。そうした時間の中で得た新たな閃きを大切にしています。

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