スポーツの力で「熱狂」を届ける――元プロサッカー選手が描く、アスリート支援とデータ事業の現在地

株式会社F&V 代表取締役 先崎勝也氏

株式会社F&Vは、アスリート人材の就業支援と、アスリートのフィジカルデータ事業「nowtis(ノーティス)」を軸に、スポーツ領域で事業を展開しています。代表の先崎勝也氏は、28歳までプロサッカー選手として活動した経験を持ち、引退後にビジネスの世界へ。現役時代に残った「後悔」を原動力に、スポーツの価値を社会へ広げる挑戦を続けています。

本記事では、創業の背景から現在の事業の特徴、組織づくりの考え方、そして今後の展望まで伺いました。

後悔を抱えた引退が、次の挑戦の起点になった

――どんな想いで今の事業を始められたのか教えてください。

弊社は2018年8月に創業し、現在8期目になります。僕自身は28歳までサッカー選手として活動していました。ただ、サッカー選手時代の後悔や劣等感は、今でも強く残っています。もう少し努力していればよかった、頑張っていればよかったという思いが残ったまま引退になりました。

でも、過去のことは戻せないので、これから新たなキャリアが始まると捉えました。ビジネスマンとして、サッカーで果たせなかった思いや目標、夢を、ビジネスの世界でしっかり実現していきたい。そう思ってビジネスマンになり、数年後にこの会社を創業しました。やるからには、業界を代表するような、影響力のある企業をつくっていきたい。その思いが創業の原点です。

――御社の理念やビジョンには、どんな想いが込められていますか。

ビジョンは「スポーツの力で世界に熱狂を届ける代表企業を作る」です。僕が思うスポーツの一番の価値は、人々に熱狂や勇気、活力、感動を届けられることだと思っています。だからこそ、そういった世界をもっと数多くつくっていきたいし、そこに貢献したいという思いがあります。

このビジョンを実現するためには、多くのアスリートやお客様にサービスを届けていくことが欠かせません。スポーツを通じて世の中に熱狂を届ける。そのために、影響力のあるトップ企業をつくっていくという意思を、ビジョンに込めています。

HRとフィジカルデータ、2事業でスポーツに価値を届ける

――現在取り組まれている事業の特徴や、他社にはない強みってどんな部分でしょうか?

弊社は2つの事業を展開しています。1つ目が創業当初から取り組んでいる人材紹介事業です。主なターゲットは体育会の学生さん、つまりアスリートに打ち込んで頑張っている学生の就活サポート。加えて、プロや実業団を引退して新たなキャリアに進む方の、セカンドキャリアの転職・就業支援も行っています。学生と転職者の2階層を支援しているイメージです。

もう1つがアスリートのフィジカルデータ事業です。この2つが、現在の主軸です。現時点ではサッカー界でシェアナンバーワンを取らせていただいている状況で、約300チーム、3万人以上のアスリートの方に利用いただいています。特にレベルの高いチーム中心に導入いただいていることもあり、Jリーグのチームがスカウト用途で活用したいという形で、契約を締結し始めている動きも出ています。

判断軸は「ビジョン」と「本質的な価値」

――お仕事をされる上で「これを実現したい」と思っている夢・目標はありますか?

シンプルに言うと、関わる人たち、お客様や社員がハッピーになってほしいというのが一番です。そのために何をするかというと、僕らが掲げている「世界に熱狂を届ける代表企業をつくる」というビジョンの実現に向かっていくことだと思っています。

そのためには、グローバルで使われるようなプロダクトやサービスをつくり、より多くの人に価値を届けていきたい。そういうことができれば、一緒に働く人たちにとっても報われる瞬間につながるはずだと思っています。

――経営判断の軸になっている価値観や信条を教えてください。

意思決定の軸は2つです。1つ目は、意思決定や日々の行動が、ビジョン実現や目的に紐づいているか。2つ目は、その中身がユーザーや社員にとって正しいことなのか、本質的に価値があることなのか。まずこの2軸で決めています。

もちろん利益がどれくらい出るかも見ますが、最優先は「ビジョンや目的に紐づいているか」と「本質的な価値があるか」です。会社を経営する意味はそこにあると思っています。

――これまでのキャリアで「ターニングポイントだった」と感じる出来事はありますか?

まずは28歳でサッカーを引退したときです。引退して初めて現実を思い知り、長くやってきたサッカーキャリアへの後悔が生まれました。ただ、今となってはそれがネガティブというより、後悔がパワーになっています。いい意味で自分の甘さや未熟さを知れたことが、ターニングポイントでした。

もう1つは、引退後に初めて勤めた会社から、ベンチャー企業へ転職したことです。1社目は大企業と言われるような会社で、何もわからない僕を受け入れてくれて、周りの方にも協力していただきました。一方で、このままでは自分が思い描くキャリアに到達するまでに時間がかかると感じ、1年半でベンチャーへ転職する決断をしました。

周囲からは「もったいない」「安定している」といった声もありましたが、自分で決めて言い訳できない状態で飛び込んだので、腹を括れた。ベンチャーでは楽しいことだけではなく理不尽なことや大変なこともありますが、そこで結果が出せなければビジネスマンとしてもまた同じ思いをしてしまう。そう思って、かなりハードに働きました。ここも大きな転機だったと思います。

ビジョン共有と「素直さ」が、自走する組織をつくる

――社員さんが自分の考えで動けるように、工夫されていらっしゃることはありますか?

まず、社内でもビジョンやミッションを意識できるようにしています。なぜこの事業をやっているのか、どこへ行くのかを、一人ひとりが理解できるように、都度伝えていく。

そのうえで、日々の営業活動や業務が何のためにあるのかを、逆算思考で整理していきます。今月の目標のためなのか、年間目標のためなのか、中長期的なビジョンにつながっているのか。そこを見せながら、今の行動が正しいかを確認する。正しければやればいいし、失敗しても怒ることはしません。ただ、目的やビジョンからズレた行動は会社として変わってきてしまうので、そこはズラさない。なぜ今やっているのか、本当にそこにつながっているのかを大事にしています。

――社内のコミュニケーションで特に大事にしていることは何でしょう?

大事にしているのは、偉ぶらないこと、素直でいることです。社長だから、リーダーやマネージャーだから、すべての正解を知っているわけではありません。わからないことはわからないと伝えて、一緒に考える。

ただ、一番ダメなのは決断しないことです。リーダーとして、社長として決断して、まずやってみる。もし失敗したり決断が違ったと思えば、素直に謝る。「ごめんね、違った。次これでやっていく」と言えること。その姿勢は自分も大切にしていて、リーダー層にも伝えています。

次の挑戦は、組織強化と「個人向け」プロダクト、そしてグローバルへ

――今後、取り組んでいきたい新しい挑戦や展開があれば教えてください。

新しい領域に広げるというより、今の2つの事業を引き続き中心に展開していきます。そのうえでの挑戦は、まず組織面です。事業として成長させていくには強い組織が必要なので、今いるメンバーから強いリーダーを育てたり、外からも強い人材を獲得して、ビジョンに共感した強い組織をつくっていくことが挑戦の一つです。

プロダクト面では今はチーム向けが中心ですが、これからは個人でも利用できるプロダクトをつくり、利用対象者を増やしていきたい。そして数年後には、グローバルに展開していきたいと考えています。

――いま向き合っている課題や、それにどう取り組まれているかを伺いたいです。

課題は大きく2つです。1つ目は組織です。組織は課題でもあり、常に試行錯誤しています。組織を強くする上で大事なのは、まず僕自身のレベルアップ。そしてマネージャー層やリーダーのレベルアップです。経営層・マネージャー層を強くしていくことを入り口に、事業と組織を考えています。

2つ目は開発チームの強化、プロダクトへの投資です。先月、PM(プロダクトマネージャー)が入ってくれたので、彼を中心に強い開発チームをつくり、プロダクト力を高めていきたい。アプリケーション開発をしているので、このアプリが今後勝負していく上で大事なプロダクトになる。だから投資していきたいと思っています。

休みの日も仕事脳。それでも家族の時間は確保する

――お休みの日など、リフレッシュの仕方を教えてください。

僕の考え方として、仕事でうまくいかないときや嫌なことがあっても、他でリフレッシュして消えることはないと思っています。仕事でミスしたり嫌なことがあったら、仕事で解決するしかない。

だから、リフレッシュ方法はあまりなくて、仕事をしているときが一番楽しいです。ワークライフバランスはないですね。社長なのでしょうがない部分もありますが、休みの日も頭の半分以上は仕事の脳になっています。

ただ、子どももいるので、できるだけ土日は子どもや家族との時間を確保して、公園に行ったり、夏は海に行ったりします。でもそのときも仕事のことは考えてしまいますし、子どもと遊んでいるときは子どものことを考える。そんな感じです。

Contact usお問い合わせ

    お問い合わせ内容
    氏名
    会社名

    ※会社・組織に属さない方は「個人」とお書きくだい

    役職

    ※会社・組織に属さない方は「一般」をお選びください

    メールアドレス
    電話番号
    どこでお知りになりましたか?
    お問い合わせ内容

    プライバシーポリシーに同意して内容を送信してください。