「女性だからこそ、寄り添う広告運営を」――子育てと経営を両立し、新しい働き方の選択肢をつくる
株式会社ウォーリアジャパン 代表取締役 笹生久美子氏
WEB広告や制作を軸に、美容業界を中心としたクライアントの集客支援を手がける株式会社ウォーリアジャパンは、全員が女性という体制で、サブスクリプション型のサービスを展開しています。現在は新規事業にも着手しています。本記事では、代表の笹生久美子氏に、独立までの経緯、現在の事業内容、そして今後の展望について伺いました。
目次
全員女性のチームで、美容業界に寄り添う広告運営を
――御社の事業内容や、他社との違いについて教えてください。
弊社は、WEB広告をメインに事業を展開しています。私が独立してから8年目になります。
最大の強みは、全員女性で運営していることです。この業界は基本的に男性社会で、
女性のお客様が多い業界であるにもかかわらず、男性が多い業界という状況に疑問を感じていました。そこで、女性向け商材やサービスにおいてはお客様に寄り添って進めていけるのではないかと考え、弊社の従業員は全員女性で広告運営を行っています。
また、WEB制作も対応しております。ホームページを作りたいという個別のご依頼だけでなく、全てお任せいただければ集客までつなげますという形でサービスを提供しています。LP、広告、集客サイトなど全て制作が可能です。
――お客様の業種について教えてください。
主に美容関連が多いです。ECサイトを運営されているメーカー様や、フランチャイズで展開されている店舗型ビジネスの本部のお客様が8割ほどになります。
化粧品メーカーでも大手の商品とは異なり、メーカー様が1から作ってこれから売り出していきたいという商品や、インフルエンサーがPRして売上を積み立てていくようなメーカーが多いですね。
店舗型のお客様では、整体やエステが多いです。たとえば小顔に特化したエステや、メラニンケアといった黒ずみを除去するエステなど、専門性の高いお客様が中心です。
――御社が提供しているサービス内容について、具体的に教えてください。
弊社が提案するのは、ホームページ制作だけや広告だけという個別の外注ではなく、サブスクプランです。3つのプランの中から選んでいただければ、その料金内でWEB制作~広告まで集客に関わること全てに対応します。動画制作や広告制作など全て含まれているので、お店を出すというスタートから新規開拓に苦戦している店舗やメーカー様に対し、一貫して対応できる仕組みです。
子育てと仕事の両立――起業を決意した瞬間
――経営の道に進まれたきっかけや背景を教えてください。
経営に関しては、幼い頃からなんとなく経営者に憧れを抱いていました。ただ、子育てをしながら起業するというのは難しいのではないかと感じ、当時働いていた広告代理店で今後もずっと働こうと思っておりました。
性格的に、与えられた業務をこなすというよりは、会社に貢献したいという意欲のあるタイプの社員でした。そのため、デザイン部のディレクターを任せていただいておりました。
あるとき、下の子が生後3ヶ月から働いていたのですが、1歳頃までは子供が熱を出したり体調を崩すことが多く、そのたびに早退や欠勤がありました。自分の能力とは別で、家庭との両立は会社員では難しいのではないかと感じました。
当時すでに自分の中では独立に対する構想が固まり始めており、葛藤している状況でした。そこでもう起業しかないなと、切羽詰まった状態で起業しました。
2年間の我慢が開いた突破口
――今振り返ってみて、ターニングポイントだった出来事は何でしょうか。
最初は正直なところ、生活ができれば良いかなという気持ちで、フリーランスとして活動していました。独立して2,3年が経過してから前職で担当していたクライアントのさらに先のお会いしたことのない方々が私を探してくださっていたことを知り、そのとき、「やってきて良かった」と心から思いました。フリーランスとして家族を養うために続けてきた事業に対して、「ようやく突破口が開けた」「もう公にやっていいんだ」と感じられた瞬間でした。そこから一気にギアを上げ、堂々とホームページも構え、元の自分に戻ったような感覚がありました。
――その2年間はどのように過ごされていたのでしょうか。
私の性格上、正義感が強く、ルールは絶対に守らなければならないというタイプなので、前の会社を裏切ることはできず、全部一から新規のみの取引先の開拓。2年は必死に自分で営業も全て行い、本当に小さい仕事も受けながらひっそりと続けていました。
現在の組織と今後の方針
――現在の組織構成と今後の展望について教えてください。
弊社は、メインのスタッフが私ともう1人、業務委託が5名で、合計7人の小さな会社です。
今は全てご紹介でお仕事をいただいている状況ですが、今後は一般の新規のお客様の案件も取り扱いたいので、サブスク事業をさらに伸ばしていきたいと考えています。
現在の課題は、営業が圧倒的に人手不足であることです。
メーカー・インフルエンサー・ユーザーをつなぐ新規事業
――新規事業の内容について教えてください。
メーカーさんとPRしてくれるインフルエンサーさんをつなげるサービスを開発しています。この事業は、構想から3年をかけてきたもので、早ければ3月頃に発表できる予定です。
これまでは、メーカーや代理店から化粧品を売りたいという依頼を受け、広告用のLPを制作し、PRを担うインフルエンサーを探す形で進めてきました。
その過程で、私たちが対応してきた案件の中には、インフルエンサー側の報酬が十分でないケースや、インフルエンサーになりたいと考えていても、フォロワー数が少ないために機会を得られない方が多く存在することに気づきました。さらに、女性が運営していることへの安心感もあるのか、案件ごとに募集を行うと、多くの応募が寄せられていました。
そこで、メーカー、弊社、そしてPRを担う方のすべてがウィンウィンとなる関係を築くため、サービス開発に着手しました。実は3年前にも一度挑戦したのですが、当時は広告費を十分にかけられず、ユーザー数が伸び悩みました。しかし現在は状況が逆転し、ユーザーがサービスの開始を待ってくれている状態です。
このサービスにおいては、美容関連だけでなく、在宅ワークを頼みたい企業も掲載できるようなサイトにしようと思っています。子育てしながら仕事をしたいが家を出られないという方もいるので、在宅でできる案件をまとめたサイトを作ろうと考えています。
――今後、業界はどう変わっていくと思われますか。
最近は、芸能人やモデル、有名なインフルエンサーが使っているからという理由で購入する一般の方は少ないのではないかと思っています。より身近な友人や知人が使っているほうが、一般の方には影響力があると思います。
さらに、フォロワー数が=ではなく、テレビや雑誌に出ていなくても一部の界隈で影響力のある人はたくさんいます。そういう方にジャンル別にPRをしていただくことで、企業も利益を得られますし、発信する側も、それだけでしっかり”仕事”として成り立つ案件を確保できるようになれば、情報発信のみの”そういう職業”が一般の方でもできるのではないかと思っています。
「現役プレイヤー」であり続けたいという想い
――これから先、会社やご自身の働き方を含めて、どのような姿を目指していきたいとお考えですか。
私が一番強く思っているのは、将来的にも現役で仕事を続けていたいということです。会社がどれだけ大きくなったとしても、自分自身がプレイヤーとして、制作や広告の仕事に関わり続けていたいという思いが強いです。
制作や広告の仕事は、私にとっては趣味の延長のような感覚で、仕事に対して強いストレスを感じることはほとんどありません。いわゆる会社員時代にありがちな、「早く退勤したい」「休みが待ち遠しい」と感じることはあまりなくデザインの仕事そのものが好きで、気づくと作業に没頭しています。
また、弊社では、制作に関してテンプレートを使わず、すべてゼロからオリジナルで作ることを大切にしています。AIなどの技術が進化していく中でも、そうした制作の姿勢やクオリティを保ちながら、体が動く限りは今の仕事を続けていきたいと考えています。
子育てしながら働ける社会を、当たり前に
――最後に、これから起業しようという方々に向けて一言お願いします。
子育てしながらでも仕事ができるという選択肢を、もっと広げていきたいと思っています。よく子育てしながらでも仕事ができるということが広告などにも書いてありますが、実際に会社に入って働いてみないとわからない部分です。また、その両立する苦労や悩みは本当にお子さんを育てながら働いている方にしかわからないことです。そのため、当たり前にしっかり稼げる在宅ワークなどそれぞれのライフスタイルに合わせた柔軟な働き方ができる時代になってほしいですし、私自身もその世界をつくる一端を担えたらと思っています。