「銀行の“見えない採点”を可視化し、中小企業の資金調達を前進させる」――暁コンサルティングが届ける財務支援の価値

有限会社暁コンサルティング 代表取締役 細江知男氏

中小企業にとって、資金調達は事業の成長を左右する重要テーマです。一方で、業績が悪いわけではないのに「なぜか銀行とうまくいかない」と感じる経営者も少なくありません。有限会社暁コンサルティングは、銀行格付の向上や資金調達支援に特化した財務コンサルティングを展開しています。代表の細江知男氏は、都市銀行で17年間、延べ600社を担当してきた経験を持ち、銀行の格付けシステムに深く関わってきた人物です。銀行側の評価基準と中小企業側の実態の“ギャップ”を埋める支援について、これまでの経緯や考え方、今後の展望を伺いました。

バブル崩壊後に変わった「銀行の融資判断」と、格付けの仕組み

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

中小企業様の銀行格付の向上や、資金調達支援に特化した財務コンサルティングをしています。背景として、昔のバブル崩壊が大きいと思っています。当時は担保主義だったものが、バブルを招いたという反省から、銀行は「担保に目がくらむ」ことを排除する方向に大きく動いたんですね。極端に言えば、担保を取る・取らないの話ではなく、担保だけに依存しないようにした。では何を基準に貸すのか、となった時に導入されたのが、倒産確率の考え方です。

ちょうどコンピュータが普及し始めた時期で、アメリカでは既にあった考え方が平成10年ぐらいに導入されたと記憶しています。わかりやすく言うと、天気予報の降水確率のようなものです。0%なら傘を持たない、40%なら折りたたみ傘、60%なら普通の傘、というように基準が自然とできますよね。銀行融資にもそうした“確率”の考え方が入って、倒産確率が低ければ融資の判断や扱いが変わる。

――その仕組みが、企業側の融資条件にも影響しているのでしょうか。

そうですね。決算書を入れると点数が出てくる。そこから先は、支店長の権限なども含めて、いろいろ決まっていくという世界です。ただし、数字が出るからといって、全部が正しいわけではありません。本当はいい会社なのに、たまたま点数が低く出てしまうこともある。

ただ、銀行幹部の方と話すと、メガバンクのように何百兆円という規模で全体を見ると、大きな間違いが起きにくいという考え方もあります。個別にはズレがあっても、銀行全体として致命的な誤りは起こしにくい、と。そういう意味で、今もこの仕組みがベースになっている状況です。

――中小企業にとっては、その仕組み自体が見えづらい面がありそうです。

大企業は財務部があったり監査法人とのやりとりがあったりで、理解されていることが多いと思います。でも中小企業や零細企業は、そもそも知らないことが多い。信用金庫だから“甘い”のでは、と思われがちですが、実は信用金庫も大銀行のシステムを買っていて、審査の考え方は同じだったりする。意外と知られていないですよね。だからこそ、そのギャップを埋めるのが私の仕事だと思っています。

格付けシステムに“関わった側”としての強みと、想定外の反響

――細江さんの強みはどのような点にありますか。

私は大学時代に統計学をやっていて、論文も書いていました。ちょうどその論文が、まさに倒産確率のような考え方に関わる内容だったんです。銀行員時代には監査法人や銀行からヒアリングを受けたり、お手伝いをしたこともありました。格付けを外から分析していたというより、その仕組みに一緒に参加していた人間なんですね。それが自分の強みになっています。

実際、当社ではお客様の決算書を入力すると点数が出るようなソフトを持っています。全ての銀行が完全に同じというわけではないですが、長年テストしてきた結果、ほぼ同じで大きくは変わらないことがわかる。銀行内部で何が起きているかを“目の前で確認できる”ということが、支援の質につながっていると思います。

――書籍も出版されていますが、知見の体系化も意識されてきたのでしょうか。

本は共同執筆の経験があって、その後に出版社の方から「同じような本を出してみないか」と言われて書きました。本当は中小企業の経営者向けに、さっきのような仕組みをわかりやすく伝えたかったんです。ところが、買ってくださったのは意外と中小企業の方ではなく、銀行員の方が多かった。地銀のいくつかが、新入行員用の研修テキストとして採用してくださったりもして、これは想定外でしたね。

「大手ではなく、中小零細へ」――理念に込めた“届けたい相手”

――御社の理念やビジョンに込められている思いを教えてください。

銀行を辞めた頃には、格付けの仕組みはもう完全に入っていました。ただ、その仕組みをお客様に教えるのは内部情報の漏えいになる、ということで一切しゃべってはいけない時代になっていったんです。最初のうちは「こういうところを見ていますよ」と教えて、お客様が改善することで評価を上げる、という雰囲気もありました。でも時代が変わり、コンプライアンスが厳しくなって、それが難しくなった。

その流れの中で、大手の監査法人などがコンサル会社を作りましたが、そこは大手企業しか相手にしない。費用も年間何千万円という世界で、中小零細企業には合わないわけです。だから私は、大手ではなく中小零細企業に、リーズナブルな価格で提供する。中小零細専門のコンサルをやりたい、というのが理念です。

――お仕事をされる上で、実現したい夢や目標はありますか。

最近も、30代前半の社長さんから電話があって、3年間コツコツやってきた中で、ようやくメインバンクからプロパーで融資が出た、という報告をいただきました。最初は営業しか興味がなかった方が、財務的なことも勉強して、それが評価された。本人も自信がつき、もっと会社を大きくしたいという夢が出てくる。そういう成功事例が出ると、とても嬉しいんです。

60代、70代の方だとこれからの時間が限られる面もありますが、30代前半ならまだまだ夢がある。息子くらいの世代の方が成功してくれるのは、本当に嬉しいですね。

業績は悪くないのに銀行とうまくいかない、と悩んでいる経営者はたくさんいると思います。そういった方の成功事例を増やしていくことが、私の夢です。

経営判断の軸は「間違ったことをしない」と「学び続けること」

――経営判断の軸になっている価値観や信条を教えてください。

やはり一番大事なのは、間違ったことはしない、という当たり前のことです。意外と踏み外す誘惑はあるので、そこは強く意識しています。

それから、しっかり勉強すること。世の中は動いていますし、10年前の価値観がもう通用しないことも多い。いろいろな変化がある中で、古い考え方にとらわれず、勉強しながら前向きに考えることは、会社としても、お客様にもずっと大事だと伝えています。

――これまでのキャリアでターニングポイントだった出来事はありますか。

リーマンショックですね。世界がどん底に落ちました。日本はバブルの反省もあって、アメリカやヨーロッパほどではなかったと言えるかもしれませんが、それでも影響は大きかった。その後の政権交代の時期に、会社がなくなってしまったり、かなり減ってしまったりしたケースも見ました。政権交代は社会的インパクトが大きいと実感しましたね。

たまたまそういった会社を何社か引き受け、持ち直した後に感謝されることもありました。その流れで、政治家の方や金融庁の顧問の方などと知り合う機会ができ、勉強会に出たり、私が勉強会をしたりすることもありました。国や金融庁が何を考えているかを身近に知ることができたのは、今の仕事にも役に立っています。そういう意味で、リーマンショック以後の経験が大きなターニングポイントでした。

“本音”を引き出すために、信頼関係を早く深くつくる

――社内外のコミュニケーションで大切にしていることは何でしょうか。

お客様は中小企業の社長さんがほとんどです。そうなると、本当のことは、親しくない相手には言わないのが普通です。だから多少時間がかかってもお付き合いして、信頼関係を作る。お酒を飲んだり、ゴルフに行ったり、そういうことも含めて距離を縮めていくと、「実は…」という話が出てくる。役員にも言っていない悩みが出てくることもあります。それが本当の悩みなので、そこまでたどり着くと、支援もうまくいくんです。

銀行に一緒に行く・行かないで、コンサル会社は分かれます。銀行側が同席を認めないケースもある。でも私は元銀行員なので、銀行側も調べた上で「同席してください」と言ってくれることが結構あります。銀行の支店長室に行っても私は緊張しませんが、多くの社長さんは銀行の広いオフィスに入るだけで萎縮してしまう。相手が2~3人出てきて難しいことを言われると、何もしゃべれなくなる方も多い。そこに同席し、パートナーになりたいと思っています。

財務コンサル一本で、提携を“組織化”する。オンラインで全国へ

――今後取り組んでいきたい新しい挑戦や展開があれば教えてください。

いろいろお誘いはありますが、自らがM&Aなど他の仕事に手を出すのではなく、あくまでも財務コンサル一本でやっていきたいと思っています。そのうえで、不動産なら不動産会社など、専門の会社さんと提携して広い意味での連携をしてきました。

昔は1対1で会わないと、というのが強かったですが、コロナもあってオンラインに抵抗がなくなりました。そうすると、東京近郊中心だったところから、全国でも距離のハンディキャップが減った。実際、北海道や沖縄のお客様も顧問先としています。地方ほど「こういう仕事をする人がいると思わなかった」と言われることも多い。もう少し宣伝しないといけないと思いつつ、今回の取材もありがたいですね。

休日の息抜きは家族旅行。いつか音楽活動も“復活”させたい

――お休みの日のリフレッシュ方法を教えてください。

家族で旅行することが一番の息抜きです。妻が温泉好きなので、湯河原や箱根などに行ったりします。たまには沖縄に行ったり、海外だとシンガポールに遊びに行ったりもしますね。

――経営以外で情熱を持って取り組んでいることはありますか。

仕事のことばかり考えている感じですが、学生時代はバンドをやっていました。銀行員時代までは大学の友達とコンサートをして遊んでいましたが、独立してからは余裕がなくてやめています。

ただ、もう少ししたら、動けなくなる前にもう一度復活させたい。友達も60を過ぎて定年が近かったりして、暇になってきているので「一緒にやろう」という話もあります。仕事以外のことも、そろそろまたやっていきたいと思っています。

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