「前例がないなら、つくればいい」地球を元気にする事業を生み出し続ける
カイエンタイグローバルサービス株式会社 代表 原 克也氏
2006年に個人事業として始めたリラクゼーションサービスを原点に、世界初の破壊セラピー「八つ当たりどころ」や、来店客を徹底的に褒めるコンセプトカフェ「ほめほめ☆さらさら」など、前例のない事業を展開してきたカイエンタイグローバルサービス株式会社。掲げるスローガンは「地球元気化計画」です。人を癒やし、社会を明るくし、環境にも配慮するという考えで挑み続けてきた原氏に、創業までの歩みや経営で大切にしている価値観、今後の展望について伺いました。
目次
深夜整体から「八つ当たりどころ」へ――地球元気化計画を形に
――現在の事業内容について教えてください。
私は2006年、25歳のときに、個人事業としてリラクゼーションサービスを始めました。整体院の運営と整体師の育成に取り組み、当時はまだ珍しかった深夜帯の整体も行っていたのです。その後に、2008年に「八つ当たりどころ」を始めました。イライラやモヤモヤしたときに、お皿を割ることでストレスを発散してもらうサービスです。
2010年11月15日にカイエンタイグローバルサービス株式会社を設立し、2011年には秋葉原で「ほめほめ☆さらさら」を開きました。従業員がお客様をとにかく褒めまくり、照れさせるというコンセプトカフェです。
ただ、現在はリラクゼーションサービスは休止しており、ほめほめ☆さらさらは閉店しています。そのため、主に稼働している事業は八つ当たりどころです。
――事業に共通する理念を教えてください。
当社のスローガンは「地球元気化計画」です。3つの事業は、すべて人を元気にすることにつながっています。整体は身体を癒やし、八つ当たりどころはストレスを発散してもらい、ほめほめ☆さらさらは褒めることで気持ちを明るくする事業でした。
当社の強みは、誰もやっていないことを先に始めてきた点です。整体を深夜に行うことも、お皿を割ってストレスを発散することも、お客様をひたすら褒めるカフェも、始めた当時はほとんど前例がありませんでした。
――八つ当たりどころでは、環境面でどのような工夫をしていますか。
当社では、もともと捨てられてしまうお皿を買い取り、サービスに使用しています。割れた後はリサイクル工場へ運び、再びお皿にしたり、道路や壁などの建材にしたりして、100%再利用しています。
一見すると「もったいない」と思われるかもしれませんが、ストレス発散とリサイクルを組み合わせた仕組みです。この取り組みは、内閣府のコンペでも入賞しました。
就職氷河期に選んだ起業――自由に挑戦するために
――経営者を目指したきっかけを教えてください。
私は、自由に自分のやりたいことを実現したいと考え、起業を選びました。一度も正社員として就職したことはなく、アルバイトで資金を貯め、25歳で独立しました。
私は就職氷河期の世代で、当時は仕事そのものが少ない時代でした。組織のなかでは、自分が本当にやりたいことを実行するのは難しいと感じていたため、自分で事業を始める道を選んだのです。
――八つ当たりどころを始めた背景を教えてください。
2008年は、リーマンショックが起きた年です。内定取り消しが大きな社会問題になるほど景気が悪く、社会や将来への不安、恨みやつらさを抱える方が多くいました。同じ年には、秋葉原で無差別殺傷事件も起きています。
そのような状況のなかで、人や動物に当たるのではなく、物に当たることでストレスを発散できる場所をつくれないかと考えました。それが八つ当たりどころの出発点です。
当時と比べると、お客様から経済的な恨みやつらさを聞く機会は減りました。一方で、特殊詐欺のような別の問題は増えています。社会のストレスや問題の表れ方は、時代によって変化していると感じます。
――経営判断の軸にしていることは何ですか。
私は、その取り組みが「地球元気化計画」に当てはまっているかどうかを大切にしています。目の前の人が幸せになるか、元気になるかという点も判断の軸です。
新しいことに取り組むたびに、「前例がないからできない」と何度も言われてきました。しかし、前例はつくるものだと考え、諦めずに続けてきました。
経営で譲れないのは、自分、相手、そして地球が良くなる「三方よし」です。誰かを幸せにできるか、自分たちの理念につながっているかを常に意識しています。
挨拶と感謝を土台に――明るさを重視する組織づくり
――人とのコミュニケーションで大切にしていることは何ですか。
私は、挨拶と感謝を大切にしています。とてもシンプルですが、仕事をする上で欠かせないことだと考えています。
当社の仕事はサービス業です。お客様と接する際には、第一印象や相手への接し方が特に重要になります。明るく、感じがよく、人当たりのよい方と一緒に仕事をしたいです。
――人材面では、どのような課題がありますか。
現在は、積極的な採用を予定していません。事業もマイペースで進めています。ただし、将来の成長を考えたとき、人材は大きな課題です。
私の考えや、「新しいことをやる」という姿勢を共有できる人は、なかなか見つかりません。事業自体が前例の少ないものなので、説明しても内容が伝わりにくく、実際に取り組んでもらった際に、しっくりこないこともあります。
これまで私が担ってきた仕事や考えを、誰に、どのように引き継ぐか。その点も、今後考えていかなければなりません。
売り上げ1億円の先へ――新しい事業を生み出す
――今後の目標を教えてください。
創業当時からの目標は、売り上げ1億円を超えることです。そのために、既存店舗の数を増やすというより、誰もやっていない新しい事業やサービスを増やしていきたいと考えています。
新しい仕事につながるアイデアや引き出しは複数あります。今後は、それらを1つずつ形にしていきたいです。
――新しい事業に向けて、現在取り組んでいることはありますか。
私は、自分自身への投資を続けています。新しい事業を始めるには、幅広い知識や法律への理解が必要です。勉強を重ねながら、常に新しいアイデアを模索しています。
交通事故の影響で、現在も通院やリハビリを続けています。無理に急ぐのではなく、自分の身体と向き合いながら、ゆっくり進めていくつもりです。
坂本龍馬の志を社名に――世界へ羽ばたく思い
――社名の由来を教えてください。
私は坂本龍馬が好きで、彼が率いた「海援隊」から名前をいただきました。法人の設立日を11月15日にしたのも、坂本龍馬の誕生日であり、命日でもあるからです。
坂本龍馬は世界を目指しながら、志半ばでこの世を去ってしまいました。その思いを受け継ぐように、「世界に羽ばたく」という意味を込めて、社名に「グローバルサービス」を加えています。
――これから、どのような事業を形にしていきたいですか。
私は、「地球元気化計画」を軸に、自分、相手、地球の三方が良くなる事業を考えていきます。新しい事業を始めることは簡単ではありませんが、これまでと同じように、前例がないことを理由に諦めるつもりはありません。
これからも学びを重ねながら、まだ世の中にないサービスを1つずつ形にしていきたいです。