人の想いを映像にする――move on.eが目指す、枠にとらわれない伴走支援

株式会社move on.e 代表取締役 岩谷 直生氏

株式会社move on.eは、動画制作やWebマーケティングを手がける企業です。マスメディアで培った経験を活かし、採用分野の映像制作などに取り組んでいます。重視しているのは、企業を一方的に良く見せることではなく、そこで働く人や企業の想いを丁寧に引き出し、採用後のミスマッチを減らすことです。本記事では、代表の岩谷直生氏に、事業へのこだわりや経営の軸、今後の展望などについて伺いました。

表面的な魅力ではなく、企業の「本当の姿」を伝える

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

当社では、動画制作やWebマーケティングを手がけており、現在は特に採用系の映像制作に力を入れています。マスメディアで培ってきた経験を活かした制作が、当社の強みの一つです。

採用映像で大切にしているのは、企業を一方的に魅力的に見せるのではなく、企業と求職者のミスマッチを減らすことです。入社後に「思っていた会社と違った」と感じることがないよう、企業の実情やそこで働く人の姿を丁寧に伝えることを意識しており、その方針は、企業と求職者の双方にとって、よりよい採用につながると考えています。

――映像に出演する方から、自然な言葉や表情を引き出すために意識していることはありますか。

最も意識しているのは、相手の緊張をほぐし、その方自身の言葉を引き出すことです。そのために、撮影前には世間話を交え、自然に話せる雰囲気をつくるようにしています。

質問内容は大まかに準備しますが、細かな台本は作りません。台本を用意すると、どうしても読んでいるような話し方になりやすいため、基本的にはインタビュー形式で進めています。

また、相手によって質問の仕方を変えるほか、こちらの身振りや表情も含めてコミュニケーションを取ります。表面的な情報だけでなく、ご本人も明確には意識していないような想いまで引き出すことは、これまでの経験を活かせる部分だと感じています。

「人」と「人」で仕事をする

――仕事をするうえで、大切にしている考え方は何ですか。

「「人」と「人」で仕事をする」という考え方です。Webを活用した集客も重要ですが、それだけで仕事が成り立つわけではありません。相手と直接話し、その人が何を考えているのか、どのような想いを持っているのかを理解したうえで形にすることを重視しています。

クライアントが求めている効果と、その根底にある想いが必ずしも一致しているとは限りません。だからこそ、表面的な要望だけで判断せず、「本当に実現したいことは何か」まで掘り下げ、相手の想いを大切にしながら仕事を進めることが、私自身の軸になっています。

――経営の道に進んだ背景を教えてください。

「いつか自分自身で事業に挑戦してみたい」という想いがあり、経営の道を選びました。以前勤めていた会社でも社内事業の立ち上げに携わっていたため、「人生は一度きりだから、自分で勝負してみたい」という気持ちは以前から持っていました。

実際に会社を立ち上げると、フリーランス時代とはお金の回り方が変わり、法人として税金なども考えなければなりません。特に難しさを感じたのは、従業員を雇い、組織として事業を動かしていくことでした。

一方、これまでさまざまな業種の制作に携わってきた経験は、現在の経営にも活きています。特定の業種に絞らず、幅広いクライアントに対応できることにつながっていると感じています。

嘘をつかず、誠実に人と向き合う

――社員とのコミュニケーションで大切にしていることは何でしょうか。

「嘘をつかないこと」です。これは従業員に対してだけではなく、仕事で関わる人すべてに対して意識しています。よいことも悪いことも含めて正直に向き合うことが、人と仕事をするうえでは欠かせません。

――今後、一緒に働く人に求めるものはありますか。

誠実であることです。真面目に仕事へ取り組み、嘘をつかない人でなければ、一緒に仕事をするのは難しいと考えています。スキルだけではなく、仕事や人に対して誠実に向き合えるかどうかを大切にしています。

映像の枠を越え、人とのつながりから支援を広げる

――最近、新しく始められた取り組みについて教えてください。

最近、「ゴルフと野球の大人チャンネル 藤本博史 “髭談”」というYouTubeチャンネルを始めました。福岡ソフトバンクホークスの元監督である藤本博史氏と一緒に取り組んでいるチャンネルで、始めたばかりの新しい活動です。

これまで映像や放送に長く関わってきましたが、新しい媒体にも取り組みながら、自分たちが持っている経験をさまざまな形で活かしていきたいと考えています。

――今後、事業をどのように展開していきたいですか。

今後は映像だけにとらわれず、クライアントをトータルでサポートできる形を目指しています。例えばイベントなども含め、私たちが対応できる領域を組み合わせながら、課題解決を支援していきたいと考えています。

「映像を作りませんか」と提案するのではなく、まず相手が何に困っているのかを聞くことが出発点です。その課題を解決するために映像が必要なら映像を提案し、別の方法が適しているのであれば、できる範囲で違う選択肢を考えます。

また、これまで築いてきた人とのつながりも大切にしています。自分たちだけでは対応できないことでも、つながっている方々と協力することで解決できる場合があるからです。そうした縁を活かしながら、映像という枠を越えて支援できる領域を広げていきたいです。

――最後に、これから経営を始める方へ、メッセージをお願いします。

最初に会社をつくろうと思ったときの気持ちを忘れないことが大切だと思います。経営を続けていくなかではさまざまなことがあると思いますが、最初に抱いた思いを忘れずにいてほしいですね。

私自身もこれまで培ってきたキャリアを大切にしながら、人と人との縁や思いに向き合い、これからも自分たちにできることを一つずつ広げていきたいです。

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