野球を楽しめる場所をつくる――NETSが大切にする、子ども一人ひとりの成長

合同会社NETS 代表社員 牛之濵 理恵氏

合同会社NETSは、学習塾と野球教室の2つを柱に事業を展開しています。学習塾では幼稚園児から中学生まで、野球教室では小学生から高校生、社会人まで幅広い世代を対象としています。特に野球教室では、技術だけでなく、けがをしないための身体作りや、けがをした後のサポートも大切にしています。今回は、事業を始めたきっかけや子どもたちへの思い、仲間との関わり、これから目指す野球教室の姿について、代表社員の牛之濵理恵さんに伺いました。

学習と野球を通じて、子どもたちを支える

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

大きく2つの柱があり、1つが学習塾、もう1つが野球教室です。学習塾は幼稚園児から中学生まで、野球教室は小学生から高校生、社会人まで、幅広い世代の方に利用していただいています。

――強みはどのような点にありますか。

野球の技術だけではなく、身体のケアまでセットでサポートできるところだと思います。けがをした後のことだけでなく、けがをしないためにはどうすればいいかという部分も大切にしています。

単純に技術を教えるだけではなく、身体の状態を診ながら、一人一人に合わせたサポートが出来る。そこが私たちの強みだと思っています。

「野球を楽しめる場所」をつくるために

――事業を始めたきっかけを教えてください。

野球教室を始めたきっかけは、指導者をしている清水と知り合ったことでした。当時、清水は中学生の硬式野球チームの監督をしていて、子どもたちに怪我が多かったことから、身体の整え方やヨガを教えてほしいと頼まれたんです。私はもともと理学療法士としてリハビリの仕事をしていて、ヨガのインストラクターもしていました。その依頼をきっかけに、野球選手の体を整えることに関わるようになり、「子どもたちがけがなく野球を楽しめる場所をつくりたい」と話すようになり、野球教室を立ち上げました。

――事業を続ける中で、大切にしている思いを教えてください。

「子どもたちが野球を楽しむ場所を創ること」です。今でも、厳しい指導をしているチームや指導者が多いと感じています。基本の形すら教えてもらえないまま、自信を失うような言葉をかけられ、野球をあきらめてしまう子どもたちも少なくありません。

だからこそ、子どもたちが純粋に、「野球を楽しめる場所を創りたい」と思っています。この仕事に関わるようになってから、子どもたちのために何かできることがあるのは幸せなことだと感じるようになりました。

――経営において、判断の軸になっている価値観はありますか。

「一人ひとりとの出会いを大事にする」ということです。縁があって私たちの教室を探し、何か悩みを抱えて来てくださっていると思うので、そのお子さんと保護者の気持ちに寄り添いたいと考えています。

もちろん結果を出すことも大切ですが、それだけではなく、一緒に育てていく立場でありたい。子どもたちや保護者の方と喜びを共有する側でありたいと思っています。

子どもの可能性を引き出し、次の世代へつなぐ

――コミュニケーションで意識していることはありますか。

個別指導をする選手については、求められていることに応えるのはもちろんですが、「選手自身が持っている可能性を引き出すこと」も大切にしています。そのために、技術的な部分だけでなく、メンタル面をどうサポートするかについても、指導者と話しています。

――一緒に働きたいと思う方はどんな方でしょうか。

指導者は、子どもの可能性を見抜くことがとても得意な人です。野球の動作は一瞬ですが、その一瞬の中からポイントを見抜く力があります。私自身も理学療法士として人の動きを見る仕事をしてきましたが、それでもすごいと思うほどです。子どもたちにとっても、そうした視点は必要だと感じています。

最近、大学生にも手伝いに来てもらっています。その子自身が以前、指導者から教えてもらっていた子で、「今度は自分が教える側になりたい」と言ってくれています。

指導者から教わったことを、次は自分が子どもたちに還元していく。指導者がこれから先、いつまで現場で指導出来るか分かりません。だからこそ、若い世代の指導者を育て、次の世代につなげていくことも大切だと考えています。

野球教室から、子どもたちが挑戦できるチームへ

――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。

これまでは、普段はそれぞれのチームに所属している選手を預かり、週1回指導する野球教室という形が中心でした。もちろん、これからもその活動は続けていきます。

一方で、昨年、小学生の軟式野球チームを立ち上げました。まだメンバーが十分に集まっておらず、チームとして本格的に活動できているわけではありませんが、いずれはメンバーを集めて、試合にも取り組んでいきたいです。

特に低学年の子どもたちを中心にしたチームにしたいと考えています。ほかのチームでは、どうしても高学年が中心になり、低学年の子どもたちは基本の練習や試合に出る機会が少ないとよく聞きます。だからこそ、低学年の子どもたちが、野球を楽しみながら基本を身に付けられるチームを、今後は作っていきたいと考えています。

――現在、課題に感じていることはありますか。

チームを立ち上げたものの、なかなかメンバーが集まらないことです。野球教室はありがたいことに空き待ちをしていただいている状態ですが、チームの方は、歩いていける範囲内、校区内のチームを選ばれる方が多く、体験に来ていただいても入会まで至らないことがあります。

募集活動にも取り組んでいますが、まだ十分に時間を割けていないのが実情です。これから少しずつ活動を広げながら、子どもたちが野球を楽しみながら、仲間と共に「喜び」や「成長」を感じられる場所を作っていきたいと思っています。

子どもたちの「出来た!」が何よりのやりがい

――この仕事をしていて、特にうれしい瞬間はどんなときですか。

子どもたちの成長を間近で見られることです。今まで出来なかったことが出来るようになり、「できた!」と笑顔になる瞬間は、何よりの喜びです。

保護者の方から、「結果が出せるようになりました」「前のチームでは全然楽しくなかったけれど、今は野球を楽しめるようになりました」といった声をいただくこともあります。そういう言葉を聞くと、「やっていてよかった」と思います。

これからも「子どもたちが成長し、野球を楽しむ場を創ること」を大切にしていきたいと思っています。

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