「寄り添う」を貫き、変化を力に――アドレイズが描く「みんなが主人公」の組織と挑戦
アドレイズ株式会社 CEO 倉恒 海斗氏
アドレイズ株式会社は、SES(クライアント企業にエンジニアの技術や労働力を提供する契約形態)事業を軸に、HR事業、コンサルティング事業、受託開発事業、自社サービス事業を展開する企業です。そのほかにも飲食店運営や飲食店開業支援も手がけています。掲げる理念は「Adventure × Raise」で、冒険(挑戦)し続け、育ち続ける企業であるとともに、顧客の挑戦を支援することを大切にしています。本記事では、CEOの倉恒海斗氏に、事業に対する考え方や組織づくり、今後の展望などについて伺いました。
「どこまで寄り添えるか」を追求する
――現在の事業内容について教えてください。
現在はSES事業を主軸としつつ、自社サービスの営業管理ツール「Raisee」も第二の柱として急速に成長しているフェーズです。SES事業においては、ただご要望通りの人材をご紹介するのではなく、お客様が抱える課題の本質を理解した上で、現場の推進力を格段に高める最適なご提案をしています。
――他社との違いはどういった点にありますか。
一言で言えば『成果を出すための泥臭さ』を徹底している点です。組織が拡大した今でも、必要であれば私自身が最前線でテレアポをすることもあります。立場に甘んじることなく、目標達成に必要な行動を愚直にやりきれる粘り強さこそが、当社の最大の強みです。
――事業を行ううえで、大切にしていることを教えてください。
「どこまで深くお客様に伴走できるか」という姿勢を大切にしています。当社では、自社の都合でサービスを無理に勧めるような営業はしていません。まずはお客様の状況を詳しく伺い、価値を提供できないと判断すれば、あえて引き受けない選択もします。
一方で、お引き受けする以上は、課題の整理段階から一緒に入り込み、成功に向けて泥臭く伴走しています。「アドレイズに頼んでよかった」と心から思っていただけるよう、お客様にきちんと寄り添いながら支援することを重視しています。
料理人から経営者へ――理想の会社を自らつくる
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
自分の経営知識の不足を痛感し、実践のなかで経営を学ぼうと考えたことがきっかけです。
もともとは料理人で、料理の専門学校を卒業後、レストランやブライダル、ホテルなどで経験を積みました。その後、イタリアへ料理の修業に行く予定でしたが、コロナ禍の影響で渡航できなくなったんです。
そこで個人事業主として出張料理や教室を始めました。ただ、事業がうまくいったことで慢心していた部分もあり、一人では対応できないことも出てきました。その経験から、自分には経営の知識が足りないと強く感じたんです。
そこで、実際に働きながら経営を学ぼうと大阪から東京へ移り、スタートアップ企業に一人目の社員として入社しました。代表に近い立場で仕事をしながら経営を学んだ経験が、その後の起業につながっています。
――そこから起業された背景には、どのような想いがあったのでしょうか。
「社員が一体となって、同じ方向を目指せる会社を自分でつくりたい」と考えたことが、起業の大きな理由です。以前勤めていた会社では、社員がそれぞれ個人事業主のように働いている感覚があり、チームとしての一体感があまり感じられませんでした。せっかく同じ会社で働くのであれば、同じ船に乗る仲間として、一つの方向へ進んでいく組織にしたいという想いがあったんです。
ただ、既存の環境を自分の立場から変えることには難しさもあります。それなら、自分が経営者となって理想とする組織をつくろうと考え、起業に踏み切りました。
実際に経営者となった今は、従業員の人生を背負う責任も感じています。自ら「0から1」を生み出し、その先をつくっていく力と責任感は、経営を続ける中で大きく成長した部分だと思います。
「みんなが主人公」の組織づくり
――社内コミュニケーションで意識していることを教えてください。
一番意識しているのは、誰もが意見を言いやすく、一人ひとりが「自分も会社をつくる主人公だ」と思える環境にすることです。
また、人数がまだ少ないこともあり、対面でのコミュニケーションも大切にしています。会議でも全員が発言できるようにし、それぞれの考えを聞いたうえで、目標や戦略を決めるようにしています。
代表だからといって、私一人で会社の方向性を決めるつもりはありません。代表はあくまで肩書きで、会社はみんなのものです。だからこそ、「言いづらい」と感じる環境をつくらず、全員が主体的に意見を出せる組織でありたいと考えています。
――採用では、どのような方と働きたいですか。
最も重視しているのは、「熱意」です。営業であればコミュニケーション能力なども必要ですが、根本に熱意があるかどうかを大切にしています。
現在はリファラルでの採用が中心ですが、今後はこれまで接点のなかった方にも加わってほしいと考えています。自分とは異なる経験や価値観を持つ人が入ることで、組織にも新しい視点が生まれるからです。
特に、自分よりも高いレベルの方と一緒に働き、私自身も刺激を受けたいですね。私が赤色だとすれば、青色や黄色など、さまざまな色を持つ人に加わってもらう――そうして多様な人が集まり、会社として新しい色をつくっていきたいです。
変化を恐れず、ITと食の可能性を広げる
――現在、経営上の課題として感じていることは何でしょうか。
一番の課題は、AIをはじめとする市場の変化に合わせて、自社も進化し続けることです。IT業界は変化が速いため、同じことを繰り返しているだけでは、いずれ成長が止まると考えています。
だからこそ、市場の動きを見ながら、事業のあり方も柔軟に変えていくことが重要です。その判断も私一人で行うのではなく、メンバーと「今の市場はどうなっているのか」「次にどのような施策へ挑戦するべきか」を話し合いながら決めています。
例えば、AIによって従来の業務が効率化されれば、企業から求められる人材も変わります。そうした変化に合わせて、AIを扱える人材やマネジメントができる人材へと集客の対象を変えるなど、常に次の一手を考えながら対応しています。
――今後、挑戦していきたいことを教えてください。
今後は、自社サービスを人材紹介会社向けや飲食店向けなど、さまざまな領域へ発展させたいです。また、私自身がもともと料理人だったこともあり、飲食事業にもさらに力を入れたいと考えています。
当社の自社サービス事業でも、「IT」と「飲食」の融合によるFoodtechを掲げています。 将来的には飲食店のブランドづくりやチェーン展開なども視野に入れながら、ITだけにとどまらない事業を形にしていきたいですね。
「売上がいくらになれば終わり」「上場すれば終わり」といった明確なゴールは設けていません。それらはすべて過程だと思っています。料理人から経営を学び、ITの世界へ進んできたように、これからも仲間とともにワクワクできることへ挑戦し、事業の可能性を広げていきたいです。