「目の前の一人を救う」から広がった耳つぼリフレクソロジー、未病ケアを世界へ
株式会社耳つぼリフレクソロジー協会 会長 青島 香織氏
株式会社耳つぼリフレクソロジー協会は、国内外で「耳つぼリフレクソロジー」を広めています。設立1年半時点で、海外を含め1,000人以上のセラピストを養成しました。2年前まで20年以上専業主婦だった青島氏が耳つぼと出会ったのは、自身の不調がきっかけでした。今回の取材では、事業や組織づくり、経営観、今後の展望について伺いました。
目次
「目の前の一人」に向き合うことが、協会の原点
――現在の事業内容について教えてください。
当協会が行っているのは、耳つぼと耳のマッサージを組み合わせた「耳つぼリフレクソロジー」という施術です。あわせて全国でセラピストを養成し、セラピストの中には認定講師となって、セミナー等を開講し耳つぼリフレクソロジーの大切さを伝授しています。
現在はヨーロッパ、米国、アジアでもセラピストが増え、各国で耳つぼセラピストとして、活動をしています。また、耳つぼスティックなどのつぼ押し用具や、耳のマッサージ用オイルといったオリジナル商品も販売しています。
――経営する上で大切にしていることは何ですか。
私は、自分自身が耳つぼに救われた経験があるため、この技術を一人でも多くの人に届けたいという思いで活動しています。お金や売り上げを追いかけるのではなく、目の前の一人に向き合うことを何より大切にしてきました。
不調を抱えている人や、自分自身を健康にしたい、資格を取りたいという人と、一人ずつ向き合っています。その一人に感動していただければ、その人が次の一人を連れてきてくださるのです。そうした積み重ねが、今の協会につながっています。
20年以上の専業主婦生活から、流れのまま経営の道へ
――経営者になったきっかけを教えてください。
私は2年前まで、20年以上ずっと専業主婦でした。当時は、仕事をしようという選択肢が自分のなかにまったくなかったんです。
ところが、ひどい更年期障害に悩まされたことをきっかけに耳つぼと出会いました。施術を受けたあと、見よう見まねで自分でも耳を触るようになり、悩んでいた不調が改善していったんです。
「耳って不思議だな」と思い、本を買ったり、数々のセミナーを受講しながら学びを深めました。最初はお金をいただくつもりはなく、耳の素晴らしさを伝えるためのボランティア活動として始めています。
――そこから事業化したのはなぜですか。
施術を受けた人たちから、「自分もセラピストになりたい」「自分の家族も元気にしたい」という声が増えていきました。そこで法人を設立し、私のメソッドをきちんと伝える形で活動するようになったんです。
最初から稼ぎたい、企業を大きくしたいと思って始めたわけではありません。本当に、周囲から求められる流れのなかで経営を始めたような感覚です。
――ご自身の経験を通して、伝えたいことはありますか。
私はもともと、特別な手に職があったわけではありません。それでも耳つぼと出会ったことで、人生が大きく変わりました。
当協会にも、専業主婦だった人や、自分の不調を整えるために資格を取った人がたくさんいます。仕事にするつもりがなかった人が、サロンを経営するようになることもあるんです。
一歩踏み出すことで人生が変わることを伝えたいと考えています。たくさんの人に夢や希望も与えていきたいです。
規模を追うより、大切な人と顔の見える組織をつくる
――現在の組織体制について教えてください。
当協会には、セラピストが約1,150人、認定講師が100人弱います。一方で、社員は1人、業務委託は4〜5人ほどです。理事2人は、私の姉と妹にあたります。働いてくれている人も、古くからの友人や友人のつながりで出会った人が中心で、家族経営のような組織です。
――一緒に活動する人に求めることは何ですか。
私は、お客様に愛を持って接することができる人と一緒に活動したいと考えています。「どうやったら稼げるか」だけを考えるのではなく、「なぜ自分の施術でお客様が健康になれないのか」「どうしたら喜んでいただけるのか」と考えられる人です。そして誠実さと思いやりです。技術が高いことももちろん大切ですが、それ以上に、人に対して誠実であること、周りへの感謝を忘れないことを大切にしています。
「耳つぼ=おしゃれ」だけではない、未病ケアとしての価値を伝える
――今後、どのようなことに挑戦していきたいですか。
今、耳つぼというと「おしゃれ」や「リフトアップ」といったイメージで知られていることが多いと思います。一方で、私たちが広めたいのは「未病ケア」としての耳つぼです。
私は海外研修にも頻繁に足を運び、最先端の技術を学んでいます。教育の現場や障害者施設、発達に問題がある方、薬物依存の方、睡眠不足の方、高齢者など、さまざまな人に耳を触る習慣が広がることが私の願いです。
何か不調が起きてからではなく、日頃から自分の状態を整えるために耳を触ることを習慣にしていただきたいと思っています。そうした未病ケアを当たり前のものとして広めていきたいです。
――その実現に向けて、どのような課題を感じていますか。
私は、耳つぼについて正しい情報がまだ十分に広まっていないことが課題だと感じています。「耳つぼはおしゃれのためのもの」「昔受けたけれど効果を感じなかった」「高額なのではないか」といったイメージを持っている人も少なくありません。
だからこそ、私自身が各地のセミナーや企業向けセミナーに足を運び、直接伝えていく必要があると思っています。
誰よりも動き、支えてくれる人への敬意を忘れない
――経営者として影響を受けた人物はいますか。
私が影響を受けたのは夫です。夫も経営者なので、これまでずっとその姿を傍で見てきました。経営に対する考え方や、人との向き合い方など学ぶことはとても多いです。
協会の規模が大きくなってきた今、周囲からは「もう自分で施術に入らなくて良いのでは」「一般の方向けのセミナーまで、自分自身がやらなくても良いのでは」と言われることもあります。
でも私は、代表だからこそ現場に立つことを大切にしたいと思っています。実際にセミナーで直接お客様と言葉を交わしたりすることで気づけることがたくさんあります。協会が大きくなればなるほど、現場の声から離れてはいけないと思っています。
――リフレッシュはどのようにしていますか。
実は今は、ほとんどリフレッシュできていません。セミナーや認定講師との面談に加え、セラピストから届く質問にも私自身が答え続けています。
当協会は、資格を渡して終わりではありません。「ずっと一緒にがんばりましょう」「わからないことがあれば聞いてください」という形で、その後もサポートを続けています。そのため休みがほとんどなく、寝不足になることも少なくありません。
このままでは良くないと感じているので、これからは少しずつリフレッシュする時間もつくりたいと思っています。私は旅行が好きなので、数か月に1度は、日帰りでも1泊でも時間をつくり、出かけられるようにしていきたいです。