中国製を「信頼の代名詞」へ、スピードと誠実さでものづくりを支えるメイドインチャイナ
株式会社メード・イン・チャイナー 代表 呉 秉翰氏
メード・イン・チャイナーは、顧客が希望する商品を中国で生産し、日本への輸入から指定倉庫への納品までを一貫して担う企業です。少人数ならではの機動力と、中国現地の工場まで足を運んで状況を確かめる対応力を強みに、2007年の創業以来、事業を続けています。「メイドインチャイナ」を信頼の代名詞にしたいという思いを掲げ、顧客にも工場にも誠実に向き合う呉氏に、これまでの歩みや仕事に対する考えを聞きました。
目次
中国製のイメージを変える、社名に込めた思い
――現在の事業内容について教えてください。
当社では、お客さまが希望するものを中国で生産し、日本へ輸入した後、指定の倉庫へ納品するところまで一貫して対応しています。基本的には、企業を対象としたBtoBの事業です。
中国で商品をつくりたいものの、どのように輸入すればいいのかわからないというお客さまもいます。そうした場合は、生産から輸入、納品までを当社で一貫して対応する形です。
――ほかにはない強みはどこにありますか。
当社は少人数なので、フットワークが軽く、すぐに動けることが強みです。東京だけでなく中国現地にも事務所があり、必要であればスタッフが工場へ直接足を運びます。
電話や画像だけではわからないことでも、現場で説明を聞けばすぐに理解できる場合があるんです。工場とのやり取りで曖昧な部分があれば、スタッフが現地へ行って事実を確認しています。
また、スピード感も当社の強みです。当社では見積もりを翌日に提出することが多く、ほかの企業では見積もりだけでも1週間から10日ほどかかることがあります。
さらに、金型が必要ないオリジナル商品のサンプルであれば、入稿から提出まで1週間から10日ほどです。工場との関係性があり、優先的にサンプルをつくってもらえることもあります。
――理念やビジョンには、どのような思いが込められていますか。
社名のとおり、「メイドインチャイナ」という言葉のイメージを少しでも良くしたいと思っています。昔の「メイドインジャパン」も、今のように最初から高く評価されていたわけではありません。中国製も同じように、これから評価が変わっていく余地があると考えています。
当社でつくるものを通じて、「メイドインチャイナなら信頼できる」と思っていただけるようにしたいです。現在の「メイドインジャパン」のように、喜ばれる言葉になることを目指しています。
「自分でもできる」という気づきから始まった経営者への道
――経営者になったきっかけを教えてください。
私は1999年に台湾から日本へ来て、日本語学校を経て、日本の大学へ進みました。2004年の卒業後は、貿易関連の企業に就職したのです。
そこで、お客さまに見積もりを出し、工場で商品を生産し、納品するところまで一通り経験しました。仕事を続けるうちに、「これなら自分でもできるのではないか」と思うようになったのです。
勤め先の看板を背負って仕事をしていましたが、実務そのものは自分で一通り担える状態でした。それなら今度は自分の看板でやってみようと思い、2007年8月にメイドインチャイナを創業しました。
当時は若かったので、そこまで深く考えていたわけではありません。とにかくがむしゃらに続けてきて、気づけば20期目を迎えるところまで来ています。
――経営でもっとも大切にしていることは何ですか。
一番大切なのは信用で、お客さまに対しても工場に対しても、自分が言ったことは守る。その姿勢が経営の軸です。例えば工場には、仮に私がお客さまから代金を回収できなかったとしても、私のために動いてくれた分は責任を持って支払います。
お客さまに対しては、できることとできないこと、メリットとデメリットをきちんと説明する方針です。納品後に不良などの問題が起きた場合も、「納品したから終わり」ではなく、交換を含めて必要な対応をします。
一時的にごまかしてその場をしのいでも、長くは続きません。長く仕事をしていくためには、言ったことを守りながら信用を積み重ねることが大切だと考えています。
少人数の組織だからこそ、機動力を活かす
――現在の組織体制について教えてください。
日本では、私を含めて2人で運営しています。もう1人は、いわば「切り込み隊長」のような存在です。商品の保管や全国への発送は、外部の倉庫にお願いしています。
――今後、社員を増やしていく考えはありますか。
現時点では、積極的に新卒採用を増やすことはあまり考えていません。人を増やした分だけ、そのまま売り上げが伸びる事業ではないからです。
新しい人が既存のお客さまの仕事に慣れるまでには時間がかかります。そこから新規のお客さまを増やせるかというと、それも簡単ではありません。
採用するのであれば、中途採用で即戦力になる人のほうが当社には合っていると考えています。
販路拡大の先に見据える、新しいものづくり
――今後の課題や目標を教えてください。
現在の目標は販路拡大です。コロナ禍では、それまで取引していたお客さまのなかに事業を畳んだ企業もあり、当社も大きな影響を受けました。その分、新しいお客さまとのつながりを増やしていく必要があります。
ただ、営業をしたからといって翌日に売り上げが上がる仕事ではありません。当社はオリジナルの商品をつくるため、生産して日本へ持ってくるまで、早くても2か月ほどかかります。1サイクルで考えると3か月ほどになるため、販路拡大には時間をかけて取り組んでいく考えです。
――今後、挑戦してみたいことはありますか。
長くこの仕事を続けてきましたが、将来的にはもう少しハイテクなおもちゃもつくれたら面白いと考えています。最近はAIロボットのようなものも増えてきました。これからは、人型のロボットがもっと普及していく可能性もあるのではないでしょうか。
SF映画のように、家のなかにAIロボットがいて、いろいろなことをしてくれる時代が来るかもしれません。そうした新しいものづくりには関心があります。
仕事を続けるために、休む時間も大切にする
――休日はどのように過ごしていますか。
基本的にはカレンダーのとおりに休んでいます。休みの日は家でゲームをして過ごすことが多いですね。
自分では「引きこもり」と言うくらい、できれば家から出たくないタイプです。家でゲームをしながら過ごすことが、私なりのリフレッシュになっています。
――仕事と休みについて、どのように考えていますか。
休みは大事です。あまりがんばりすぎても仕方がありません。一方で、仕事では「やる」と言ったことは最後までやり遂げます。
それはお客さまに対しても、工場に対しても変わりません。信用を大切にしながら、自分が引き受けたことに責任を持つ姿勢を、これからも大事にしていきたいと考えています。