生徒に合わせるから、成長につながる――オンライン家庭教師ライフのマンツーマン教育
オンライン家庭教師ライフ 代表/講師 稲葉 拓也氏
オンライン家庭教師ライフは、中高生を中心にマンツーマンのオンライン指導を行っています。講師の稲葉氏は、これまで300人以上に20,000回の個別指導を実施。一人ひとりの現状や目標に合わせた学習支援を続けています。本記事では、独立の背景や指導へのこだわり、生徒との向き合い方、教育で大切にする価値観、今後の展望について伺いました。
目次
一人ひとりに深く向き合うために選んだ独立
――オンライン家庭教師として独立された経緯を教えてください。
家族がずっと自営業をしていたこともあり、自分もいずれ独立するのだろうという感覚は以前からありました。
もともとは塾講師として働いていましたが、そこで感じたのが、組織の中でできることにはどうしても限界があるということです。たとえば、受験やテスト対策で、「もっと一人一人の状況に合わせたテキストを使いたい」と思ったとしても、塾の方針として変更しづらいことが多々ありました。
大勢の生徒や講師がいる以上、ルールが必要なのはもちろん理解しています。それでも私は、「できることならやってあげたい」と感じることが多くありました。
もっと一人ひとりと密接に関わり、その生徒に必要なことを柔軟に提供したい。その思いが独立につながっています。
――現在の指導体制と、マンツーマンにこだわる理由を教えてください。
現在は私一人で、20人ほどの生徒を担当しています。中学生は全教科、高校生は数学と英語を中心に指導しており、希望があれば相談しながら対応する形です。授業時間は中学生が50分、高校生が80分で、すべてマンツーマンで行っています。
一人ひとり、つまずく場所も勉強の癖もまったく違います。同じ教材を使っていても、理解できないポイントやノートの取り方まで異なるため、成績を伸ばそうとすれば指導方法も変えなければなりません。
「この生徒にはどう指導していけば良いか」と細かく考えること自体、私は苦にならないんです。むしろ生徒が成長していく姿を見ることが楽しく、私も親御さまと同様に「この子の成長した姿が見たい」という気持ちがあります。それが今の指導の強みにもなっていると思います。
“半分友達”の距離感で引き出す生徒の力
――生徒との関係性で大切にしていることは何ですか?
一番意識しているのは距離感です。先生と生徒という立場の違いはありますが、生徒だからといって下に見るような接し方はしたくありません。
感覚としては「半分友達」に近いですね。もちろん挨拶はしますし、基本的にお互いに敬語で話しています。そのうえで、できるだけ対等な立場で話せる関係をつくりたいと考えています。
――普段はどのようなスタイルで授業を進めていますか?
客観的に見ると、少し漫才のような授業かもしれません。生徒をいじったり、怒っているように見えて実はいじっていたり、そういうやり取りを入れながら進めています。
堅くなりすぎず、生徒が話しやすい雰囲気をつくることは意識しています。ただ楽しく話すだけではなく、その中で理解できているかどうかをしっかり見ていくことが大切です。
――生徒の「思考力」を伸ばすために意識していることを教えてください。
私の中で思考力はアウトプットする力、つまり自分の言葉で説明する力だと考えています。そのため、授業では私が一方的に教えるというより、むしろ私が質問する場面が多いです。
「僕を友達だと思って説明してみて」と伝え、生徒自身に内容を話してもらいます。説明を聞けば、論理的につながっているか、細かい部分まで理解できているかが見えてきます。
そこで不足している部分を確認しながら、少しずつ修正していくという進め方です。
結果にこだわりながら、小さな成長も見逃さない
――指導において「結果」を重視しているのはなぜでしょうか?
「結果」がその子の「本質的な自信」に繋がるからです。
もちろん「結果に向けて努力する過程」も大切ですが、「テストの点数が上がった」、「志望校に受かった」、という結果が、「自分もできるんだ!」という自信に繋がります。
「学校で習ったことは、大人になったら使わない」とよく言われますが、私もそうだと思います。ですが、勉強で身につけた「自分もできるんだ!」という自信は、今後の人生の困難を乗り越えるための力になります。
人生は受験で終わらず、むしろ受験後からが本番です。
大学を卒業して仕事を始めたり、結婚して家庭を築いたり、そういった場面で受験よりも大きい壁が現れることになります。
そういった壁を乗り越えるために必要なのが、「自分への自信」だと思うのです。
その自信を養うために結果が必要だと考えています。
――思うように成績が伸びなかった生徒には、どのように向き合っていますか?
成績が伸びなかったときには、必ず何か理由があると考えています。学校のテスト自体が難しかったのか、勉強した内容とは違うところが多く出題されたのかなど、まず状況を細かく見ます。
勉強した時間がある以上、点数にはまだ表れていなくても、以前より単語を一つ多く書けるようになったなど、何かしら成長している部分はあるはずです。
数字だけを見るのではなく、その手前にある小さな変化もきちんと見つけてあげたいですね。そういった変化に気づくことも、自分への自信に繋がると思います。
勉強以上に大切にする「礼儀」とコミュニケーション
――教育に携わる中で、「これだけは譲れない」と考えていることはありますか?
勉強を教える仕事ではありますが、私は礼儀が一番大事だと考えています。最初の挨拶や、LINEでやり取りするときの言葉遣いなど、人と接するうえで基本となる部分です。
生徒はまだ知らないことも多いので、「こういう場面では挨拶をするんだよ」と伝えることもあります。社会に出れば、学力だけではなくコミュニケーション能力や人との接し方が必要になります。
だからこそ、勉強だけを教えるのではなく、人と人とのやり取りに必要なマナーも伝えていきたいと思っています。
――生徒本人や保護者とは、どのようにコミュニケーションを取っていますか?
授業の予定などは、基本的に生徒本人と直接やり取りしています。実際に授業を受けるのは生徒なので、まず本人と話して決めることを大切にしています。
そのうえで、決まった内容について保護者の方に「このような形でどうでしょうか」と提案します。生徒本人の意思を尊重しながら、保護者にも状況を共有する形です。
自らの幅を広げ、より多くの生徒を支えるために
――今後、事業をどのように広げていきたいと考えていますか?
常に考えているのは、もっと多くの生徒を救いたいということです。今は私一人で小さく運営していますが、今後は生徒の数を少しずつ増やしていきたいと考えています。
講師を増やすことも選択肢のひとつだとは思いますが、講師同士で連携する難しさもあるため、まずは自分自身の力を高めることが先だと思っています。
――講師として今後さらに伸ばしていきたい部分を教えてください。
今は数学や英語などを中心に教えていますが、これからは自分が対応できる教科をさらに増やしたいです。
複数の教科を自分自身が理解していれば、生徒の状況をより広く見ながらアドバイスできます。担当を分けるよりも、私自身がさまざまな教科を把握している方が、より密着したサポートにつながる場面もあると考えています。
生徒が「受けたい」と希望してくれるのであれば、できる限りどのような形でも支えたい。そのためにも、まずは自分の指導の幅を広げていきたいですね。