信頼でつながり、財務で支える――経営者の課題に深く向き合うエグゼマッチの挑戦
株式会社エグゼマッチ 代表取締役 猪谷 進介氏
株式会社エグゼマッチは、Webマーケティングとオンラインコミュニティ運営の2軸で事業を展開する企業です。Webサイト制作からSEO対策、SNS運用代行、広告運用まで一貫して支援する一方、コミュニティでは経営者同士が信頼関係を築き、互いの人脈や知見を生かしながら事業課題の解決につなげる環境を提供しています。本記事では、代表の猪谷進介氏に、事業の特徴や独立までの歩み、今後の展望などについて伺いました。
「つながる」だけで終わらない、信頼を育てるコミュニティ
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
当社では、Webマーケティングとオンラインコミュニティ運営の2つを軸に、企業や経営者の事業成長を支援しています。
Webマーケティングでは、Webサイト制作をはじめ、SEO対策による集客、SNSの運用代行、広告運用まで一気通貫で対応しています。
オンラインコミュニティでは、単に経営者同士をマッチングするのではなく、信頼関係を築きながら事業課題の解決につなげることを重視しています。横のつながりを広げ、互いの人脈や強みを生かしながら、次のビジネスへ発展させていける環境づくりが特徴です。
――一般的な交流会やマッチングサービスとの違いは、どのような点にありますか。
大きな違いは、単に営業先を探すのではなく、参加者同士が信頼関係を築き、そのつながりを新たなビジネスへ広げていくことを重視している点です。
参加者はそれぞれの事業内容や強み、課題などを共有しているため、気になる方がいれば好きなタイミングで個別につながれます。オンライン交流会も定期的に開催しており、新たな出会いが生まれる機会も設けています。
ただ、コミュニティ内で直接営業することだけが目的ではありません。課題解決の壁打ちサービスも行っており、会員同士で課題解決を一緒に考え相手との信頼を築き、その先にある人脈も含めて、ニーズの合う方同士を紹介し合う――そうした関係を積み重ねることで、営業担当者を最初から雇わなくても安定した経営基盤をつくれると感じています。
また、「成長できる場」も意識しており、勉強会等学べる環境作りにも心掛けています。
金融からWebマーケティングへ――自ら経営して見えた課題
――現在の事業に至るまでの経緯を教えてください。
新卒から30歳までの8年間は、東京都内の信用金庫で働き、営業や融資、財務分析などを経験しました。30歳を節目に金融業界を離れ、2019年にWebマーケティングの道へ転職したんです。Webの知識を身につける必要性を感じていたことに加え、もともと数字を見ることが好きだったことも理由でした。
その後、Webマーケティングの会社で1年間経験を積み、独立しました。独立当初は勢いで動いていた部分もあり、何をするのが正解なのかもわからず、とにかく行動する日々だったと思います。
――オンラインコミュニティを始めた背景には、どのような経験があったのでしょうか。
自分自身が独立後に人とのつながりに支えられた経験から、経営者同士が信頼関係を築き、仕事や人脈を広げられる場所をつくりたいと考えたことがきっかけです。
金融機関で働いていた頃、中小企業の経営者からよく聞いていた悩みが、資金繰りと販路開拓でした。当時は会社員だったため、その切実さを十分には理解できていなかったのですが、自分で事業を始めたことで「経営者のみなさんがおっしゃっていたのは、このことだったのか」と実感しました。
独立当初は相談できる相手もおらず、試行錯誤を重ねる日々でした。そんななか、ある経営者との信頼関係から仕事を紹介していただき、同じような機会が重なるにつれて事業も安定していったんです。この経験が、現在のオンラインコミュニティの原点になっています。
リスクを数字で捉え、まず行動する
――経営判断で大切にしている考え方を教えてください。
大切にしているのは、リスクを見極めたうえで、まず行動することです。
私自身、金融業界出身ということもあり、物事を数値で捉え、事前にリスクを考える習慣があります。複数の選択肢があるときは、それぞれで想定される最大のリスクを考え、自分が許容できる範囲であれば進むと判断します。もちろん、選んだ道が必ずしも正解とは限りません。違うと感じたら一度立ち止まり、そこから新しい道を探します。
「目的地まで一直線に進めなくても、試行錯誤しながら少しずつゴールに近づけばいい」といったように、リスクを恐れて動かないのではなく、許容できる範囲を見極めて行動に移すことを意識しています。
――一緒に働く方とのコミュニケーションで意識していることはありますか。
意識しているのは、短い時間でも接点を増やし、信頼関係を築くことです。
現在は社員を抱えず、業務委託のメンバーと事業を進めていますが、以前は長期的な関係を築くことに難しさを感じていました。そこで今は、オンラインでも15分程度の雑談の時間を設けるなど、一回の時間を長くするよりも、話す頻度を増やすようにしています。
本音で話せる関係になるには、ある程度の時間と接点が必要です。そのため、あえて仕事以外の話も交えながらコミュニケーションを重ね、お互いを理解できる関係づくりを大切にしています。
経営者の財務に踏み込み、事業成長を支える存在へ
――今後、挑戦していきたいことを教えてください。
これからは、財務の観点から一社一社をより深く支援していきたいです。現在のコミュニティでも課題解決を支援していますが、今後は私自身が企業の中に入り込み、決算書を見せていただけるほどの関係を築きながら、数字の面から事業成長を支えたいと考えています。
金融機関で多くの決算書を見てきた経験から、キャッシュフローは中小企業にとって非常に重要だと感じてきました。一方で、財務を苦手とし、後回しにしてしまう経営者も少なくありません。だからこそ、財務体制の基盤づくりまで踏み込んで支援することに意味があると考えています。
今後は人員も増やしながら、コミュニティの運営体制をさらに整え、自分自身は企業や経営者への支援により深く入り込んでいきたいです。これまで培ってきたWebマーケティング、経営者同士のつながり、そして金融の経験を生かし、経営者が抱える課題により近い場所で向き合いながら、事業の成長を支えていきたいと思います。