昨日までなかった笑顔をつくる。TPS株式会社が挑む地方発の多店舗展開と成長経営

TPS株式会社 代表 塚原 志恩氏

TPS株式会社は、大分県大分市に本社を置き、学習塾事業と飲食事業を展開する企業です。現在4期目を迎え、麻辣湯事業や学習塾事業を中心に、多店舗展開を進めています。創業者である塚原氏は、航海士、水先案内人という異色の経歴を経て、2022年に同社を設立しました。本記事では、事業の特徴や経営における価値観、今後の展望について伺いました。

地方で“昨日までなかった笑顔”を生み出す

――現在の事業内容について教えてください。

当社は大きく2つの領域で事業を展開しています。1つは学習塾事業、もう1つは飲食事業です。学習塾は大分に6店舗、福岡に3店舗の合計9店舗をすべて直営で運営しています。飲食事業では、特に麻辣湯(マーラータン)事業が伸びており、直営3店舗、フランチャイズ20店舗の約23店舗を展開しています。目指しているのは、年内には直営とFCを合わせて100店舗を展開することです。

そして、私たちが大切にしているのは、「昨日までなかった笑顔をつくる」ことです。お客様の笑顔、従業員の笑顔、そして企業と代表である私自身の笑顔。この3つが揃って初めて、事業には永続性が生まれると考えています。

――麻辣湯事業の特徴や強みはどのような点にありますか。

一番の強みは、立地選定と展開スピードです。私たちは都会ではなく、地方を中心に出店しています。秋田、盛岡、いわき、小名浜、札幌、釧路、函館、鹿児島、大分、宮崎、松山、滋賀など、一般的には都会と言われない場所で、麻辣湯を広げています。

地方でも人口が多く、人が集まりやすい場所があります。駅前やイオンモールなどの商業施設を先に押さえ、スピード感を持って出店していくことが当社の強みです。通常1店舗に3,000万〜4,000万円かかるところを、当社では2,000万円以内でつくる。居抜き物件を活用することで工期も短くし、フランチャイズの仕組みも組み合わせながら、多店舗展開を進めています。

異業種から生まれた学習塾の新しい形

――学習塾事業には、どのような特徴がありますか。

学習塾事業は、もともと経験がない状態から始めました。だからこそ、業界の慣習にとらわれず、意味がないと思うことには切り込んでいます。

当社が展開しているのは個別指導塾ですが、一般的な1対2や1対3ではなく、タブレットを活用した1対多の形式です。ただし、先生が教えないというわけではありません。タブレットはあくまで成績を良くするための手段であり、本当の目的は、子どもたちが自分で学び、困難を乗り越える力を身につけることです。

勉強ができるようになることそのものよりも、「できなかったことができるようになる」という経験に価値があると思っています。学生が学校で評価される中心は勉強です。だからこそ、正しい場所で正しい努力をすることを伝えたい。嫌なことから逃げず、努力して乗り越える経験が、大人になってからも自分で学び続ける力につながると考えています。

水先案内人から経営者へ

――創業に至った経緯を教えてください。

鹿児島大学水産学部で学び、20代は商船三井で航海士、その後は大型船舶を港へ導く水先案内人として働いていました。

収入は高かった一方で、人と直接関わる機会は少なく、目の前の笑顔を生み出す仕事がしたいと感じ、2022年8月2日にTPS株式会社を設立しました。社名は塚原のT、PilotのP、志恩のSに由来しています。

挑戦、失敗、成長を大切にする経営

――経営において大切にしている価値観は何でしょうか。

私は、昨日できなかったことが今日できるようになる瞬間に、大きな喜びを感じます。社員にも成長を求め、その成長に応じて収入も上げていきたいと考えています。そのためには企業自体がより速く成長しなければなりません。

挑戦し、失敗し、成長する姿を自ら見せることが、笑顔を生む事業につながると思っています。また、常に「自分は間違える」という前提に立ち、一つの見方に固執せず、多角的に物事を捉えることも大切にしています。

――組織運営や人材育成で意識していることはありますか。

大切にしているのは、完璧を求めすぎないことです。サービスは最初から満点でなくてもよく、お客様の声を受けながら改善を重ねていけばいいと考えています。人材も同じで、完璧さよりも人柄や笑顔、嫌な感じがしないことを重視しています。

お叱りを受けたときは素直に謝り、社員と共有して次に活かす。肩肘を張りすぎず、真剣に全力で取り組むことが大切です。採用は私ではなく、考え方を理解してくれているナンバー2、3のメンバーに任せています。

決めすぎない戦略で、成長の舵を切る

――今後の展望や挑戦について教えてください。

直近では、売り上げを伸ばし、従業員の報酬を上げ、お客様の笑顔を増やしていきたいです。今期は年商5億円、来期は20億円ほどを見込んでいます。さらに3年後までに年商100億円を目指し、その先は500億、1,000億、3,000億と成長させていきたいと考えています。

新しい事業としては、汁なし二郎専門店、ベーグル、ドライヘッドスパ、体操教室、女性専用の赤すり専門店、焼肉店など、さまざまな展開を考えています。どこに展開するかは、基本的には私が起点です。面白そうだと思ったことに挑戦しています。

ただ、決めすぎないことも戦略です。決めすぎると固執してしまいます。船も、暗礁に乗り上げそうだと分かれば、早めに軌道修正すればいい。企業も同じで、赤字が続く事業を引っ張り続けるから危なくなる。私は損切りを早くするようにしています。実際にプライベートサウナ、抹茶カフェ、海鮮丼、居酒屋など、撤退した事業もあります。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」と「万事塞翁が馬」は、いつも心に置いている言葉です。今うまくいっていても、次に悪いことが起こるかもしれない。だからこそ、過信せず、常に備えながら挑戦し続けることが大切だと思っています。

仕事そのものが好きだから、走り続けられる

――プライベートでのリフレッシュ方法はありますか。

リフレッシュという概念はあまりありません。今は好きな仕事を毎日しているので、仕事が苦ではないんです。唯一、頭をぼーっとできる趣味としてはスノーボードがあります。

あとは、仲間と飲みに行くことが好きです。従業員のみんなと企業のお金で食事に行く時間は、とても良いお金の使い方だと思っています。みんなが楽しそうにしている姿を見ると、私も満足します。

――最後に、経営において大切にしている信条を改めて教えてください。

やはり、笑顔です。自分たちの事業を通じて、どれだけ他者のために笑顔をつくれるか。そのためには、成長し続けなければなりません。挑戦し、失敗し、成長する。その繰り返しが、昨日までなかった笑顔をつくる企業につながっていくと考えています。

Contact usお問い合わせ

    お問い合わせ内容
    氏名
    会社名

    ※会社・組織に属さない方は「個人」とお書きくだい

    役職

    ※会社・組織に属さない方は「一般」をお選びください

    メールアドレス
    電話番号
    どこでお知りになりましたか?
    お問い合わせ内容

    プライバシーポリシーに同意して内容を送信してください。