「楽しい」を事業に変え、社会へ還元する――Prismys Holdingsが描く3つの挑戦

株式会社Prismys Holdings 代表 犬丸 光氏

株式会社Prismys Holdingsは、ジビエ・アート・システムの3つを柱に事業を展開する企業です。異なる領域を掛け合わせながら、地域資源の活用や日本文化の発信、金融分野で培った知見を活かしたサービスなど、多角的な挑戦を進めています。本記事では、代表の犬丸光氏に、現在の取り組みや経営判断の軸、今後の展望などについて伺いました。

3つの事業を束ね、新たな価値を生み出す

――現在の事業内容について教えてください。

当社では、ジビエ・アート・システムの3つの領域を事業の柱としています。これまで別々に動かしてきた事業をまとめ、ホールディングスとして展開するための準備を進めています。

――ジビエ事業はどのような事業ですか。

ジビエ事業は、ジビエのブランド化を通じて、地域資源の有効活用と新たな価値創出を目指す事業です。北海道足寄町で解体場を共同運営し、シカ肉やクマ肉を取り扱っています。

私自身もハンターとして約10年間活動しており、捕獲した動物を無駄にせず、子ども食堂や保護犬、老犬への支援にも活用してきました。

飲食店への販売では、肉を納品するだけではなく、捕獲場所や標高、捕獲方法、解体工程までを記録し、その情報を店舗がお客様へ伝えられる形で提供しています。これは、食材の背景まで含めて価値として届けることで、ジビエに対する不安を払拭し、安心して選んでいただくための取り組みです。

現在は、鹿肉のブランド化を進めるとともに、ボディビルダーの方と連携したジンギスカン業態の全国展開も構想しています。地域ごとに販売先や卸先を広げることで、解体場の活性化や駆除に携わる方々の収益向上につなげ、地域全体が利益を得られる仕組みを築いていきたいと考えています。

――アート事業では、どのような取り組みを進めていますか。

国内外で活動するアーティストの作品販売や、日本のアニメーションに関するセル画の海外展開に取り組んでいます。

現在は、ハワイ・ニューヨーク・日本を拠点に活動するアーティスト・SHINGIIIIII氏のプロジェクトアドバイザーおよびプロデューサーを務め、フランスで開催される個展に関連する作品なども取り扱っています。また、ヨーロッパやサウジアラビアをはじめとする強力な海外コネクションを生かし、ユネスコ関連の理事等としても活動しながら、日本のセル画やアニメ文化を世界へ広く普及させる取り組みを進めています。

日本には、海外で評価された後に国内で注目される作品が少なくありません。優れたものを最初から海外へ持っていき、新しい市場や評価を生み出したいと思っています。

――システム事業についてもお聞かせください。

システム事業では、金融分野で培った知識や経験を活かし、資産運用や財務に関する仕組みを提供しています。

これまで富裕層向けのトレードや資産運用、財務顧問などに携わるなかで、企業の内部留保やマンション管理会社の修繕積立金など、物価上昇による資産価値の目減りといった課題に向き合ってきました。そうした課題に対し、将来を見据えた資産運用の考え方を提案しています。また、神奈川県央地域で放送されているFMラジオ番組「FMカオン」では経済番組を担当し、株式や経済に関する情報も発信しています。

これまで培った知識や経験を、より多くの人に役立てられる事業へと発展させていきたいと考えています。

子どもに背中を見せるため、経営の道へ

――経営者として事業を始めた背景を教えてください。

外へ出て人と会い、誰かの役に立ちながら仕事をつくる姿を子どもに見せたいと思ったことが、本格的に経営へ向き合うきっかけになりました。

以前は歌舞伎町でホストクラブを3店舗経営し、その後はトレーダーとして活動していました。考え方が大きく変わったのは、子どもが生まれ、シングルファーザーとして子育てをするようになってからです。

もともとは子どもや動物を支える社団法人のような活動をしたいと考えており、子ども食堂への支援や動物に関する活動を始め、愛犬飼育管理士の資格も取得しました。しかし、継続するには収益化が必要です。そこで、活動を事業として成立させるために会社をつくりました。

――経営判断で大切にしていることは何でしょうか。

「自分が心から楽しいと思えるか」そして「周囲を巻き込み、みんなが共感できる事業か」ということです。利益だけを追うのではなく、関わる人に価値を生み出せるかを重視しています。

ジビエ事業ももともとは無償で続けていた活動でしたが、事業化することで、地域の人たちに新たな仕事や機会を生み出せる仕組みにしていきたいと考えています。

行動で信頼を示し、挑戦を支える

――組織や仲間との関係で意識していることはありますか。

大切にしているのは、信頼関係を築きながらも、責任の所在を曖昧にしないことです。必要なことは要点を絞って伝え、最終的な判断は私自身が責任を持って行います。

そのためにも、誰よりも行動し、迅速に対応することを心がけています。言葉で求めるのではなく、自分の姿勢を見せることで信頼を得たいと考えています。

――どのような人と一緒に働きたいですか。

何事も楽しめる人が理想です。挑戦したいことがあれば市場調査や事業分析なども含めて後押しし、金融や経営の知識も共有しながら、一人ひとりの成長につながる環境をつくっていきたいと思っています。

――最後に、経営において譲れないものは何でしょうか。

経営で最も大切にしているのは、アイデアです。人を驚かせる発想や、新しい価値を生み出すイノベーションが、事業を成長させる原動力だと考えています。

社会で何が求められているのかを考え続けることが新しいアイデアにつながるため、20代前半から経済ニュースや企業情報を読み続けてきました。現在も、チャートやファンド、TOB(株式公開買いつけ)に関する資料を日々確認しています。

これからも、アイデアや発想力を強みに、ジビエ、アート、システムの三つの事業をさらに発展させ、新たな価値を生み出し続けていきたいです。

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